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誘拐

そんな中、



「申し上げます。朱雀の皇女ルリ様がカンナ様とのご面会を希望されています」



えっ?


ルリが?


“心配しないで…あたしはちゃんと帰るから”



あれから一度も会ってない。


ちゃんとルリと話しをしなくちゃ。


なぜ、この世界に残るのか…を。



客間に行くと、



「カンナ…久しぶり。少し宮殿の外で話さない?なんだかここは息が詰まるわ」



「あぁ〜うん。じゃぁちょっと言ってくるから待ってて」



若様のとこに行くと、


ダメって言われるかなと思いながらも、



「ルリと出かけてきてもいい?」



そう聞いてみたら、案の定、眉間にシワを寄せ、ダメと言わんばかりの表情をする。



だけど、隣にいるキトをチラッと見た若様は、



「暗くなる前に宮殿に戻ってこい」



書類に目を通しながら小声でつぶやいた。


やったぁ。


キトもたまには役に立ってくれるじゃない。



「ルリお待たせ。許可が降りたから行こっか」




「うん‼︎」



宮殿をでると、“お茶でも飲もう”と言っていたルリは、


どこを目指しているのか、スタスタと歩いて行く。



だんだん、ひと気のない街路樹までくると、さすがに、



「ねぇ?どこまで行くの?」



そう質問してみたあたし。



「そうね…この辺でいいわ」



「えっ?ここ?お店もなんもないじゃない」



「カンナ…」



「ん?」



「ごめんね…」



えっ?


突然、ふわぁっと、体中に熱風を感じて、息ができない。



ル、ルリ…?


どうして…?


頭がクラクラしてきて、


意識が、だんだん遠のいていくのがわかる。


目を閉じる瞬間、あたしの周りに、数人の兵士が囲んでいたのが見えた。



カイリside



「遅い‼︎」



カンナはまだ帰ってこないのか。



これだから、どこにもやりたくないのだ。


公務も手につかない。




「陛下…先ほど聞かれてから、まだ5分もたっておりません」



ヒナタにそう言われ、ため息が漏れる。



「それにしてもほんとに遅いわね。ルリと何の話しをしてるのかしら」



私をなだめるくせに、放つ言葉で不安にさせてくるヒナタ。



「も、申し上げます」




「なんだ」




今は公務どころではないと、

面倒くさくなりながら、側近を見ると、


彼は険しい表情で私を見上げていた。



「先ほど…宮殿に1人の男が尋ねてきまして…これを…」



私の目の前にスーッと差し出された

一つの封。



「なんだ、これは」




「わかりません。ただ…。大事なものを失いたくなければ、誰にも知れず、直接、陛下に渡してくれ…と」



大事なものを…失う?



意味がわからず中を開けると、


ヒモで結ばれた髪の毛の束が入っている。



な、なんだこれは…。



「えっ?こ、この茶色の髪…カンナのじゃ…」



そう呟いたヒナタの言葉に、ゾワっと体中に鳥肌が立った。


カンナの…髪…。



封には、一枚の紙が入っている。



※※※※※※※※※※※


カンナを助けたければ、


玄楽の蔵へお越しいただきたい。


お連れは無用。


お一人で願います。


※※※※※※※※※※※



「カンナを連れ戻してくる」



「陛下‼︎ダメです。独りでなんて絶対にダメです」



「キトやシュンには黙っていろ。これは命令だ」



「陛下‼︎待ってください‼︎相手の誘いに乗ってはダメです。やつらの狙いはカンナの命じゃありません‼︎陛下のお命です」



「そうだ。わかっている。だからカンナを連れ戻しに行く」





カンナside



頭がクラクラする。


なに?


一体…何が起きたの?


ボーッとした中で、


ゆっくりと瞳をあけると、


モヤモヤっと人影が見える。


そこにいるのは…誰?


ルリ?


あれ…体も動かない。


両手をヒモで結ばれ身動きができないあたし。


ようやく、しっかり目が覚めて、


辺りを見回すと、


あたしの前には、


えっ?



な、なんで?


リシル…陛下…。



「陛下…。生きていたんですね…よかった」



陛下は、あたしを見下ろすと口角を少しあげ、苦笑いを見せる。



「大丈夫か?」



「はい…」



でも、


なんだか…雰囲気が違うような…。


あたしは、リシル陛下をマジマジと

見上げた。



えっ?


ちょ、ちょっと…待って…。



「カンナ…会いたかったよ。お前…半年もどこに隠れてた」



この感じは…まさか…そんな。



「蓮…? 蓮なの?ど、どうして…」



「俺がルリに頼んだんだ。カンナを連れてきてって。あいつ、兄貴が好きなんだな。喜んで引き受けたよ」



兄貴?



何を…言ってるの?





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