重なる歴史
鏡の中と思われる世界に来て、2日が経っていた。
昨日は、あまりのショックと、これからどうしていいのかを考えると、
キューキュー胃が痛くて、
なんだか気持ちが悪くて、
一日中、布団の中でうずくまっていた。
「カンナ…調子はどう?」
「うん…だいぶ、いい…」
相変わらずヒナタには迷惑かけっぱなしで。
記憶喪失と思ってるヒナタは、あたしに同情してくれているのか、とても親切にしてくれる。
そして、この国の話も、
あたしが質問すると、それを理解できるまで、何度も何度も繰り返し話をしてくれた。
どうやらこの世界の日本は
全てが、青龍、白虎、朱雀に玄武の
“四神”で成り立っているらしい。
そして4つの民族は、
固まって暮らしているわけではなく、
いろんな民族が混ざり合って暮らしているという。
だけど、ここ、白森は白虎の領域だから、この地域には白虎民族が多いらしい。
4つの民族には、それぞれ一人ずつ“王”がいて、
その王の中で日本をまとめる国王、
言わば日本の頂点に立つ皇帝陛下は、
大昔から“青龍の王”と決まっているらしい。
その証に、青龍の王は、
青龍、白虎、朱雀、玄武の4つの玉を持っているとか…。
「でも今の皇帝はダメだわ」
「どうして?」
「見てみなさいよ。この貧困の差を。言葉には出さないけど、みんな心のどこかで新しい国王が誕生してくれることを祈ってるわ」
本当…ヒナタの話しは山田の授業よりリアルだわ…。
だけど、その話はどれも
あたしにとっては、ファンタジー以外のなにものでもなかった。
だけど、凄く気になることが一つだけある。
それは何度考えてもおかしいんだ。
ヒナタの話の中で、
歴史の話になると、
どういうことか聖徳太子とか、あたしの知っている名前がいくつも出てくる。
この間のおじいさんの話もそうだった。
やまとたけるのみこと…
それに、くさなぎのつるぎの話。
魔術やら四神やら何もかもがあたしの知ってる現実とは、かけ離れた異世界なのに、
共通するところがあるなんて…そんなことありえるはずがない。
どうして元いた世界と、ここの世界の歴史がかぶっているんだろう。
何か関係があるのかな。
本当それだけは不思議。
でも今は、この疑問を説くよりも先に
元の世界に帰る方法が知りたい。
一体どうやったら帰れるんだろうか。
もし本当に鏡の中に吸い込まれたとしたなら、
まずは、あの鳳凰の鏡を
探すことが先な気がする。
鏡はこの世界に一緒に来たのかな…。
あの森…おとといは真っ暗でわからなかったけど、もしかしたら、洞窟みたいな洞穴の中に、鏡が残っているのかもしれない。
まずは、またあそこへ行ってみない限り、前に進めない気がする。




