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望みの品

「やったわね!カンナ!」



部屋に戻ったあたしたちは、ハイタッチしながら喜びを隠せなかった。


それにしても、側近たちは、白虎玉が偽物って知らないのかな。


あたしが“四神玉を見たい”って言っても、誰一人顔色変えず、


なんだ、そんなことが望みか…みたいな表情をしてた。


そうじゃないとしたら、もしかすると、玉は本物なのかもしれない。



「わかった。10時にまたこの場に戻ってくるがいい」



そう言って去っていった陛下。



「本物の白虎玉は、玉の中に“虎”の文字があるんだよね?あたしにわかるかなぁ…」



「大丈夫よ!カンナ自信持って‼︎」



怖じ気付いてたあたしを励ましてくれたヒナタ。


よし‼︎


あたしなら出来る!

出来るはず‼︎


がんばれっあたし‼︎





カイリside




まだ2日か…。


信じられない。


あと2週間以上も帰ってこないとは…。


それでなくとも、カンナと過ごせる時間は限られてるというのに。



会いたい。



どうしようもなくカンナが恋しい。



…今頃何をしているのだろうか。



今すぐ、お前をこの胸に抱きしめたい。



はぁ…。参った…。



こんな調子では、


いざよいの日が来たら、


私はどうなってしまうのだろうか。




「若様‼︎若様‼︎」



ガチャッと開いたドアと同時に、


息を切らして大きく肩を動かしながら、部屋に入ってくるキト。



「キト‼︎頼むから大声を出さないでくれ‼︎」



「申し訳ございません。ですが、一大事にございます」



顔を青く染めたキトに、うろたえるな…


と、なだめて椅子に座らせた。




「どうした」



「先ほど社員から聞いた話しなのですが、おととい、組織と取引をしにきた男が、ここの頭取は誰かや、女3人が働いているか…などと聞いてきたそうです」



「なんだと?そいつは何者だ!」



「わかりません。社員たちもその場では、何も感じなかったそうですが、今考えれば、おかしな男だったと…」



「今、考えれば?何を呑気なことを!そんなことを聞いてくるなんて、おかしいに決まっているだろ‼︎」



女3人のことも聞いてくるとは…。


こないだの盗賊の仲間か…。


もしくは…青龍…。


カンナたちは大丈夫か…。



よく考えれば、妙な話しだ。


20人もいた妃候補の中で、

なぜカンナたちだけが女中に…。



「…若様。ま、まさか…王妃やリシル陛下に…若様の素性がバレているのでは…」



珍しくうろたえてるキト。


弟と王妃に…知られている…。


ならば、カンナたちを手にかける気なのか?


そう感じた瞬間、体中にぶぁ〜っと鳥肌が立った。



「大至急シュンをここに呼べ」



「は、はい‼︎かしこまりました」





カンナside



夜の10時になるのを待って、


あたしは再び広間へと向かった。


「間もなくお見えになられます」


広間へ入ると同時に、聞こえてきた側近の声。



「あっ…はい」



とりあえず、その場に腰を下ろし、緊張の中、今か今かと陛下を待ってはいたのだけど、


“間もなく”どころか一向に姿を見せない。


それからも、だだっ広い部屋で30分くらい待ちぼうけをくらったあと、



「こちらへ、ついてきて下さい」



さっきの側近のおじさんが、広間の中へ顔をのぞかせてくる。



今の時間はなんだったのだろうと思いながら、とりあえず、おじさんの後を追った。



「こちらでございます」



案内された一つの扉。


ゆっくりと扉を開けると、部屋の中には陛下が立っている。



「待たせたな」



くるっと、こちらへ振り返った陛下と視線が絡み合った。


蓮…。


やっぱり、心の中でそう呼んでしまう自分と、陛下から目が離せない自分に戸惑う。



同じ様に、あたしから視線をそらすことなく、じっと見つめてくる陛下。



「そなたはなぜ、私をそんなに凝視してくるのだ」



「えっ?あぁ〜す、すみません」



「人からその様な視線を送られたことがないゆえ、反応に困惑する」



「そ、そうですよね…気をつけます」



やばい見過ぎちゃったと動揺したあたしに、陛下は穏やかに微笑むと、



「これが、望みの品だ」



背後に置いてあった物を披露するかのように、すーっと横へそれた。


そして目の前に現れた4つの玉。



あれが…四神玉…。



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