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運命のいたずら

そして夜が明け、


あたしたち3人は宮殿を目指して出発した。



「じゃぁ、行ってくるね‼︎」



初めて行く青龍の地。



「いいか!くれぐれも無理はするなよ?お前たちはすぐ無茶苦茶なことをするからな。四神玉が見れなかったら、さっさとあきらめて帰ってくるんだぞ!」



宮殿まで着いてきてくれたシュンは 、

あたしたちに何度もそう念を押した。



「大丈夫よ!今度は絶対ヘマしないから‼︎」



宮殿に入れば、シュンもキトも当然若様だってあたしたちを助けることはできない。


今回ばっかりは、慎重に行動しないと。




「じゃぁ、俺はここから先には行けないから…」



「シュン、見送りありがとう。“無理はしない”この約束は守るよ」



あたしたちを宮殿の前に残したシュンは、何度か振り返りなが、白虎に戻って行った。




「よし!行きますか!」



3人で気合いを入れて宮殿の中に入ると、


もうすでに豪華な服に身を包んだ女たちが20人くらい集まってる。



大丈夫。あたしたちだってアギ様に最高の服をしたててもらった。


外見は負けてない。



でも、どうやったら陛下の目にとまるかな…。




「皆様、大広間へ移動してください」



前の方でそう指示する人が見えて、

女たちは、ぞろぞろと移動しはじめる。




広間に着くと、


陛下なのか、上座にある、すだれの向こうには、既に人影が見えた。



出遅れたせいで、あたしたち3人は、

一番後ろの列。



ここじゃ、前にいっぱい座ってて、陛下と目すら合わせられない。



“無理はするなよ”


不意に聞こえてきたシュンの声。



はぁ〜…思ってたより、


これはかなり厳しい。


だけど、無理するとか、


そんな心配は何だったのか…。



「皆のもの。大儀であった。余はまだ妃をもらうつもりはない」




女たちが全員座ったと同時に聞こえてきた陛下からの言葉。



へ? 何?


どういうこと?



まさか、


もう…終わりってこと?



ちょっと、何それ…!!


うそでしょ?



じゃぁ、なんのためにここに女を集めたのよ。



大儀であった…って馬鹿にしてるの?



だめよ。このまま帰るわけにはいかない。


せめて四神玉だけでも見て帰らなきゃ。



どうしたらいいんだろと、頭をフル回転しながら考えていたら、




「こ、皇帝陛下…!」



えっ?



突然、声を張り上げて陛下を呼び止めたヒナタ。




「陛下に直接お声をかけるとは不届き千万‼︎」



横に座る側近のおじさんから浴びせられた罵声に、ヒナタはビクっと肩を動かした。



だけど、帰ろうと腰を上げていた陛下の影は、また元に戻る。


「よい…申してみよ…」



「えっ? あっ…は、はい。あたいたちは、ここへ、家を背負って参っております。どうか…お目通りを…願います」




いいぞ‼︎ ヒナタ!!


その調子よ‼︎ がんばれ!



「どうか…お、お目通りを…」



広間は少しざわついて、チラチラ後ろを振り返ってくる女たち。


よし!せっかくヒナタが作ってくれたチャンスだもん。


あたしも、なんか言ってやらなきゃ!



「あ、あの‼︎ 申し上げます‼︎ あたしも…彼女と同じ意見です!それに陛下だって、顔も見せないで、“はい!終わり”だなんてあんまりだと思います!! あたしたちはこの宮殿に来るのに5時間もかかって参りました!」



ヒナタに便乗してそう言ったあたしに、


今度はざわつくこともなく、シーンと静まり返った広間。


えっ?


や、やばい…ちょっと調子に乗って言い過ぎちゃったかも。



「そなた…名は?」



陛下があたしたち3人の誰のことを言ったのかわからないのに、


モアとヒナタは、小さくあたしに人差し指を向ける。


うそ…あたし?



「カンナ…です」



「カンナ…か。わかった。その者たち3人以外は下がってよい」



陛下がそう言うと、残りの女20人くらいはぞろぞろと退散していった。



や、やった!!


勇気を出して言ってよかった‼︎



両端に座る8人くらいの側近たちは、


あたしが何かしでかすとでも思っているのか、全員が鋭い視線を向けてくる。


「幕を上げろ」



陛下がそう言うと、ゆっくりとすだれが動いていく。



“弟の目を…。王の目をしているのか…見てきてほしい”



ここへ来ることのできない若様の代わりに、


あたしがしっかりと見なくちゃ…。




「顔を見せたが、これで満足か?」



その声を聞いて、


ゆっくりと顔を上げ、陛下を見上げた。



何段にも高くなっているその上に座る陛下。



ぼんやりとした視界の中で、


ようやく視点が合う。



まっすぐあたしを見つめてくる陛下の瞳。



息が…できなかった。



呼吸の仕方さえも…忘れた。




幻を見ているのか、



それとも…悪い夢なのか…。



これは…



ほんとに現実なの?



まさか、こんなことって…。



あたしの体が、力を失っていくのがわかる。





「蓮…」



どうして…蓮が…




ここにいるの?




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