第7話 久の家で
女の子が家に来る。
僕は自分の部屋を徹底的に掃除した。
本などは片付けて、そしてパソコンの画面もすっきりさせた。
これで何を見られても大丈夫。
そこへチャイムが鳴り、花奈がやって来た。
「なんか久の家に来たのすごい久しぶりだ。久だけに」と花奈が言った。
「……まあ、あがって」と僕が花奈を部屋に案内する。
花奈が僕の部屋を見まわしている。
台所からジュースをコップに入れて差し出した。
「あの……久。実は私……」
「はい」
「今日は何の料理教えてくれるの?」
ですよねえ。
ちょっとだけでも期待した僕がバカだった。
「ご要望は?」と僕が聞く。
「美味しいの」
「もっと具体的に」
「う~ん、楽しい料理」
「楽しい料理ってなんだ?カナッペとか?」
「カナッペって?」
「薄く切ったフランスパンやクラッカーにチーズとか野菜とかサーモンとか乗せた料理」
「おしゃれだ」
「ということは花奈向きではないな」
「どういう意味?」
「花奈ならカナッペより餃子だな」
「餃子って作れるものなの?」
「もちろん」
「じゃあ餃子でお願い」
「あいよ」
僕は冷蔵庫を見た。
豚ひき肉と餃子の皮以外の材料があるので、その2つを買いに行くことに。
2人でスーパーに買いに行った。
いつもと違う、休日の私服での買い出し。
僕はちょっと意識してしまう。
花奈は周りを見ながら、「この辺懐かしい」と言って歩いている。
家に戻ってくるとさっそく料理開始。
ボウルにひき肉と調味料を入れて混ぜた後に切った野菜を入れる。
それをスプーンですくい皮で包む。
「花奈、その歪な餃子はなんだ?」と僕が言う。
「だって難しいんだもん。食べれば味は一緒!」
2人でわいわい喋りながら包んでいく。
後半は花奈も上手く包めるようになってきた。
後はフライパンに油をひき餃子を並べ、焼き色がついたら水を入れて蓋をする。
完成だ。
醤油とラー油のタレでいただく。
「餃子美味しい」と花奈が笑顔で食べる。
「うん。美味しいね」
「ねえ、ご飯はないの?」
「どうしようか迷ったけどやめた」
「なんで」
「餃子たくさん作ったから」
「う~ん白米と食べたかった」と花奈は不満げだ。
「だって30個作ったんだよ」と僕が言う。
「ごはんは別腹」
「僕が無理だ」
そんなことを話しているうちに食べ終わった。
その後は片付けをして、僕の部屋に。
花奈は当たり前のように僕のベッドへ寝転がり、餃子の質問をしてくる。
質問に答えながら僕のベッドで横たわる女の子ってのはどうかと思ったが、色々と我慢をした。
質問が終わると花奈は「帰るね」と言って帰っていった。
僕はゲームでも一緒にしようと思っていたのに。
◆◆◆
「お母さん、明日休みだよね」
「うん。そうだよ」
「じゃあ一緒に料理しようよ」
「私は料理は全くだから」
「大丈夫、お母さんはただ包むだけだから」
「それぐらいなら出来るかな」
「一緒にやろう。楽しいよ、餃子作り!」




