第55話 全国お弁当コンクール開始
開始の合図とともに、花奈と打合せ通りの分担作業に入る。
材料の確認、調理器具の確認を終え、各自の担当料理を開始する。
僕は2色ご飯を作る。
豚ひき肉と卵を味付けしていく。
花奈もレモン風味の鶏むね肉作りは順調なようだ。
しばらくすると、炊飯器がなる。
ご飯が炊けた合図だ。
僕は炊き上がったご飯を三等分し、お弁当箱に詰めていく。
その上に、丁寧に、豚ひき肉と卵を乗っける。
花奈のレモン風味の鶏むね肉も出来上がり、お弁当箱に3等分にして入れていく。
次は僕がにんじんとミニトマトのラペで、花奈がきのこのガーリック炒めだ。
にんじんを切っている時に、隣の台でアクシデントが起きた。
生徒同士がぶつかり、調理器具と料理の一部が地面に落ちたのだ。
どうやら、神奈川と長崎の生徒がぶつかったようだ。
地面に落としたのは神奈川の女子生徒だ。
長崎の生徒が謝り、神奈川の生徒が泣きそうになっている。
一瞬、料理の手がみんな止まった。
長崎と神奈川の両校は完全に動きを止めている。
花奈が両校に駆け寄る。
「まだ料理の途中だよ。アクシデントなんてつきものじゃない。できることを、みんな頑張ろう」
両校の生徒は花奈を見て、再び調理に取り掛かる。
神奈川の女子生徒が花奈に頭を下げている。
再び、各校調理開始だ。
花奈が戻ってきて「持ち場を離れてごめん」と言う。
「よくやった」と僕は花奈に言った。
僕も声を掛けようと思った。
だけど体が動かなかった。
でも花奈は違う。
すぐに行動に移し、問題を一瞬で解決したのだ。
花奈への尊敬の気持ちがさらに強くなった。
お弁当が完成して、台を離れる高校が出てきた。
僕らも副菜を完成させ、丁寧に盛り付けに入った。
そして、お弁当が完成した。
最後にキッチン周りと調理器具を洗って終了だ。
僕と花奈は調理台を離れた。
最後は神奈川の高校だけになった。
調理器具と料理の一部を落としてしまい、予定していた料理を少し変更したのだろう。
話し合いをしてカバーをしたようだ。
神奈川の高校が台から離れると拍手が起きた。
これで全校のお弁当がそろった。
その後は写真撮影などが行われた。
これで終わりではない。
この後はプレゼンテーションが待っている。
プレゼンテーションは主に花奈が話すことになっている。
僕より花奈の方が喋るのが上手いからだ。
各校が所定の位置につく。
僕らは3番目だ。
いよいよ時間になった。
さあプレゼンテーションだ。




