第52話 年末年始
冬休みに入ってからすぐに松君から連絡が来た。
久しぶりにみんなで年末年始を過ごさないかという誘いだった。
僕は花奈に確認を取ってから、参加することを松君に伝えた。
大晦日の22時に寺で待ち合わせをした。
その後寺の列に並ぶ。
除夜の鐘の整理券配布の列だ。
無事に整理券を受け取ると、しばらく6人で話をしていた。
その後、鐘をつくための列に並んだ。
0時になると、僕たちもまわりの人たちも「あけましておめでとう」と言い合う。
僕たちの順番になると1人ずつ、鐘をつく。
除夜の鐘をつくのは初めてだったので、楽しかった。
その後は神社の屋台で買い食い。
甘酒を無料で配っていたのでみんなでもらったが、僕には合わなかった。
僕の分は花奈が飲んでくれた。
いろいろな屋台で食べ歩きをしながら歩いていると、僕は松君に聞く。
「この後どうするの?」
「戸尾の家に行くんだ」
すると戸尾君が「うちマンションの5階だから、ベランダから初日の出が見れるんだよ」と言う。
みんなで戸尾君の家まで歩いて行き、朝までダラダラと過ごす。
さすがに深夜なので大きな声は出せない。
ゲームなどをしたり、漫画を読んだりして時間を潰した。
「そろそろだね」と松君がスマホを見ながら言う。
ベランダに松君と恵美理さん。
戸尾君と理沙さんが向かう。
あれ?松君と恵美理さんは付き合ってるからわかるけど、戸尾君と理沙さんは、いつの間にこんなに仲良くなったんだ?と僕は思った。
当然残りは僕と花奈。
僕と花奈でベランダに向かう。
空の色が変わり始めた。
真っ暗だった空が明るくなってくる。
さっきまでみんな眠そうにしていたのに、今は黙って東の空を見ている。
オレンジ色に光り始めて、太陽の一部が顔を出した。
太陽がゆっくりと姿を現していく。
その美しさにみんな声が出ない。
しばらくの間、6人で東の空を見つめていた。
寒さも忘れるぐらいに。
今年は本当に色々とあった。
花奈や松君たちと出会い、僕の高校生活はとても楽しいものになっている。
来年も、楽しい高校生活を送りたいと思った。
横を見ると花奈が僕を見ている。
僕も花奈を見る。
今年こそはと僕は思いながら、再び東の空を見た。




