第5話 ホームセンター
放課後、部室に花奈がやってきた。
「今日は魚料理なんでしょ?」
「そうなんだけど、その前にホームセンターに行かない?」と僕が言う。
「なんか買うの?料理道具?」と花奈が聞く。
「いや野菜とかを育てようと思って」
「いいねえ。でもそこを耕すの?」と花奈は部室の外を指さした。
「いやプランターがあるから使って良いって。実はもう許可もらってるんだ」
「なに育てるの?ミニトマト?」
「それもいいけど、もう決めてあるんだ」
「なにそれ。私に選択権ないじゃん」
「3つ買うんだけど、ハーブだけは決まっていない。そこは一緒に決めよう」
「ハーブって料理に使うの?」
「いやハーブティーに使おうかと思って」
「やったあ。飲み物も作れるんだ」
「じゃあ早速行こうか」
こうして2人でホームセンターに向かった。
ホームセンターに着くと園芸コーナーへ。
野菜苗がたくさんある。
「すごいよ。トマトにきゅうりに茄子にピーマン……はいいや」と花奈が言う。
「ピーマン美味しいよ。肉詰めとか炒め物とか」
「でも苦いんだもん」
「僕は好きだけどね。あっちに変わり種もあるよ」
「まんがんでらとうがらし?」
「まんがんじとうがらし。京都の京野菜で甘いんだ」
「ハラペーニョがある。これすごく辛いんでしょ」
「みたいだね。激辛って書いてあるね」
「苺やメロンやスイカもあるじゃん」
「果物は難しいんだ。特にプランターだとね」
「なんかすごいの見つけた!」
「どれどれ」
「虹色コーンだって。グラスジェムコーンっていう粒の色が黄色じゃなくてバラバラ。はじめてみた。これにしよう!」
「すごいド派手なとうもろこしだね。でもスマホで調べると甘くなくてポップコーン用とかみたいだね」
「そっかあ。残念。インパクトすごいけど。それで何買うの?」
「苗では茄子を買う」
「なんか堅実だね」
「だからいいんじゃん。和洋中って使えるよ」
「じゃあ早速選ぼう。こんだけ種類あると、どれがいいのやら」
「やっぱ茎がしっかりしてるのがいいんじゃないかな」
「値段の差は?」
「確か種から作ったのと接木苗の違い。接木苗の方が病気とかに強い」
「じゃあ接木苗の方にするの?」
「うん」
「じゃあこれ。茎が太くてしっかりしてる」
「じゃあ決まりだね」
「次は?」
「種売り場へ」
種売り場に着くと、数十種類の種がある。
「もう決まってるんだよね?」と花奈が言う。
「うん。絹さやえんどう」
絹さやの種の袋を持って最後はハーブコーナーに。
「なんのハーブティーにしようか?」と僕が聞く。
「カモミール・ミント・ラベンダー・レモンバーム……迷うね」
「1番育てやすいのはミントかな。繁殖力がすごいらしい。逆にラベンダーは難しい」
「ラベンダーは除外。ミントのさっぱり感とカモミールは心を落ち着かせるんだっけ。レモンバームは?」
「レモンバームは疲労回復だね。あとレモンみたいな香りがして飲みやすいよ」
「レモンバームに決定」
「疲れてるの?」と僕が聞く。
「そう!」
こうして茄子と絹さやとレモンバームを購入。
学校へ戻ると、さっそくプランターに苗と種を植えた。
「どれも楽しみ」と花奈が言う。
「うん。自分たちで育てて食べる。楽しみだね」
「私、水やり毎日やる」
「じゃあお願いするね」
すぐには収穫といかないけど夏頃の収穫が楽しみである。
料理もそうだけど、2人で育てるってのなんかいいなと僕は思った。




