第41話 国際交流部
料理教室の翌日、部室に男女8人の来客がきた。
「こんにちは。料理研究会のお二人さん。私たちは国際交流部という部活で活動している」と男子生徒が言う。
「国際交流部ですか」と僕が言う。
「まさか国際交流部を知らない?」
「はい。すいません」
「では我が校がアメリカとイギリスに提携校があるのは?」
「初めて聞きました」
8人がざわつく。
「知名度がまだまだだな。では最初から説明しよう。ちなみに私は部長をやっている」
「よろしくお願いいたします」
「我が校はアメリカのオクラホマ州にあるレキシントン高校と、イギリスのファラリス・アカデミーと交流があるんだよ。定期的にオンラインなどでやりとりをしている」
「そうだったんですか」
「そこで両校とも、料理の話になってね、お互いの自慢の料理を作って食べてもらおうということになった」
「ちなみにこちらは何を代表料理にするんですか?」
「かつ丼だ」
「また絶妙なところですね」
「だろう。しかし1つ困ったことがある」
「なんでしょう」
「我々は誰も料理が出来ない。昨日の料理教室を見学していてね。そこで君たちにお願いしたいというわけだ」
「なるほど、わかりました」
「ただ……今回お互い料理名と材料を教える。しかしネット検索や本などで作り方を調べてはいけないということになった」
「そんな無茶な」
「まあ、これも異文化交流の醍醐味だよ」
「なるほど」
「どうだろう。引き受けてもらえないかな。料理はリアルタイムで作っているところを実演する。時差があるのでそこは我慢してもらいたいがね」
「どのぐらい時差があるんですか」
「そうだな、アメリカのレキシントン高とはこっちが朝8時ぐらいに開始だ。向こうは17時ぐらいってところだ。イギリスのファラリス・アカデミーだとこっちが17時~18時ぐらい。向こうが朝8時~9時だね」
僕は花奈を見る。
ずっと黙って聞いていた花奈は「やりたい。楽しそう」と言う。
「では決まりだね。追って連絡をするよ」
こうして8人は帰っていった。
「外国の料理だよ。食べるのが楽しみ」と花奈が言う。
「そうだけど、これは難しそうだ」
「久でもそう思うの?」
「そりゃそうさ。名前と材料だけじゃあね」
「私は楽しみの方が強いな」
「どうせ、ハンバーガーやクラムチャウダーとかは来ないだろうし、そこは僕も楽しみになってきた」
「でしょでしょ」
こうして2人は国際交流部からの連絡を楽しみに待つことになったのである。




