第40話 第2回料理教室
花奈と料理教室の日にちを話し合った。
先の日でやろうということに。
早速チラシを作る。
第2回 料理教室
〇月×日 △時 調理実習室
自分が作りたい料理に〇を付けてください。
1番多いのを今回の料理といたします。
①肉じゃが
②しょうが焼き
③親子丼
④オムライス
⑤どら焼き
①~③の場合は、きんぴらごぼうも作ります
④はコールスローサラダも作ります
尚、参加費として300円徴収いたします(材料費です)
男・女 のどちらかに〇を記入してください
アンケート用紙は〇月×日までに家庭科室前の箱に入れて下さい
出来上がったチラシを舞留先生に見せた。
「ちょっと候補が多いですね。副菜も作るのは良い案です」
「料理が絞れなくて。副菜は肉じゃがを煮込んでいる時間や、ご飯を炊いている時間の合間にと思いまして」と僕が言う。
「まあ、いいでしょう」
許可が出たのでさっそくいくつかの掲示板に貼った。
アンケートの締め切り日に開封してみると、驚きの結果になった。
「しょうが焼きとオムライスが同数だね」と花奈が言う。
「しまった。同票の場合を考えていなかった。どうしよう」
「ねえ久、料理教室の予定の日ってもう1日あったじゃん。2回やらない?」
「僕もそれ考えていた。舞留先生に聞いてみよう」
「先生、アンケートの結果がしょうが焼きとオムライスが同票になりました。そこで2回に分けてやってもよろしいでしょうか」と僕が聞く。
「2回に分けてですか。そうですね。仕方がありませんか」
そして告知を再度掲示板に。
第2回 料理教室
アンケートが同票の為、別々に開催します
〇月×日 △時 調理実習室 しょうが焼き
〇月×日 △時 調理実習室 オムライス
尚、参加費として300円徴収いたします(材料費です)
どちらに参加か〇を記入してください。
男・女 のどちらかに〇を記入してください
アンケート用紙は〇月×日までに家庭科室前の箱に入れて下さい
そしてしょうが焼き32人、オムライス36人になった。
「なんで人数違うの?」と花奈が言う。
「両方参加するって人がいるからだよ」と僕が言う。
こうして2人で料理教室の為にそれぞれの料理をもう1度作ったりして、準備を進めていった。
料理教室の当日、まずはしょうが焼き作りである。
「今日の料理はごはんが進む料理です。是非覚えて家でも作って下さい」と僕が言う。
「私、以前しょうが焼きを作るって言われた時に、なんのお肉かわかりませんでした。でも今や我が家の定番料理です。みなさんも作り方を覚えて下さいね」と花奈。
今回は32人中、11人が男子生徒。
4人組を8班になり料理開始。
まずはご飯を炊く作業から。
炊飯器のスイッチを入れたら、しょうが焼きと付け合わせのきんぴらごぼう作り。
各班順調に作っていく。
正直しょうが焼きは失敗しないだろうと思っている。
しかし男子生徒4人組の班が「タレが水っぽいんですけど」と言う。
僕が見に行き確かめる。
「タレに砂糖入れた?」と僕が聞く。
「あっ忘れてた」と男子生徒。
「おいおいしっかりしろよ」と別の男子生徒。
「砂糖を入れて、少し煮詰めれば大丈夫だよ」と僕が言う。
その他はきんぴらごぼうも無事できた。
その後はみんなで食事タイム。
みんな「美味しい」と言って食べてくれる。
今回も来てくれた松君、戸尾君、恵美理さん、理沙さんも満足げだ。
ずっと見ていた舞留先生も、特に何も言わなく、合格といったところだろう。
しかし1人不満を持った人がいた。
「なんで教えるだけで、食べれないの?」と花奈が言う。
その言葉を聞いた周りの生徒から笑いが起きる。
しかし本人はいたって真剣であった。
僕は苦笑いするしかなかった。
数日後、今度はオムライス作りの日である。
今度は36人中、男子生徒は8人である。
「今回はオムライスです。チキンライスを作り、卵で包みます。ちなみに今回使用する鶏肉は、ムネ肉ではありません。やや高いもも肉です」と僕が言うと少し笑いが起きる。
「みなさんオムライスですよ。最後にケチャップで字や絵を描いても構いません。私たちはケチャップがドバっとでて失敗しましたが」と花奈が言うと笑いが起きる。
僕より花奈の方が笑いが大きい。
花奈の方が、こういう場での話術は上手いのかもしれないと思った。
ご飯作りからスタートである。
そして鶏肉や玉ねぎを炒め、同時に付け合わせのコールスローサラダも作る。
ご飯が炊きあがると、具材とケチャップを混ぜ味付けをして、チキンライスを作る。
僕は花奈に目で合図をする。
オムライス最大の難所、包み込みである。
事前に注意やコツを言っておいたけど、みんな苦戦。
難しかったらキッチンペーパーで形を整えてもいいと言った。
結果は9班中6班が成功、3班が失敗である。
卵が破れたりしたのである。
松君たちは失敗である。
「難しい」と松君。
「味は一緒」と戸尾君。
後は各々、字なり、絵なりを書いたりした。
ハートを書く班に萌えと書く班、オムライスと書く班とそれぞれ個性が出た。
そして食事だ。
食べる前にスマホで写真を撮るものもいて、楽しそうだ。
味にもみんな満足そう。
「美味しい美味しい」と言ってくれる人が多い。
僕はもも肉効果だと思っているがどうなんだろう。
そして相変わらず花奈だけが不満げであった。
「第3回もやるんですか?」とある生徒が言う。
僕は確認するように舞留先生を見る。
「確約はできませんが、検討してみます」と先生が言う。
「もしやるなら、料理を記入式でもいいですか?それで2人で選ぶのでいいので」と生徒が言う。
「僕としては、それでも大丈夫です。ただ、オーブンを使う料理はオーブンの無い家庭があると思うので、採用できません。あと、冷やす時間や煮込む時間が長い料理、例えば豚の角煮やレアチーズケーキなども難しいですね」と僕が言う。
「え~」と花奈が言う。
「お前が言うんかい」と僕は反射的にツッコんでしまった。
会場から笑いが起きる。
これで楽しい料理教室が終わった。
その時、ドアの外からこの光景を見ていた集団に僕は気づかなかったのだ。




