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第3話 初めての料理(野菜炒め)

スーパーへ着くと野菜コーナーへ。


まずはキャベツを1個、カゴに入れた。


「半分の方がよくない?」と花奈が言う。


「2人だから半分とかでもいいけど、半分だと切れ目から(いた)みやすいんだ」と僕が言う。


花奈が尊敬の目で僕を見てる気がする。


これは少し見直されたかと思ったら「意外と見た目によらず考えてるんだ」と花奈が言う。


僕の見た目ってどんななんだと聞き返しそうになったが、我慢した。


もやしと玉ねぎとにんじんも購入。


少量パックの豚肉と調味料も買って学校へ戻った。


「さて野菜を切るわけだが……」と言いつつ僕は不安になった。


花奈の包丁を持つ手が震えている。


左手は猫の手にさせているが、キャベツを切るのにビクビクしながらやっている。


「ざっくりでいいから。とにかく気をつけて」と僕が声をかける。


2枚のキャベツを5分ぐらいかけて切り終えた。


このままではと思い、僕がにんじんと玉ねぎを切る。


そして豚肉を再び花奈に頼む。


花奈はとにかくおっかなびっくり。


集中すること、安全第一を言いなんとか豚肉を切り終えた。


後は油や具材を入れて味付けで終了。


「味が濃い方がおいしい」と言って、塩や醤油を大量に入れようとしたのを何とか阻止した。


野菜炒め自体は簡単なのに、切るだけで20分以上かかるとは思わなかった。


そしてこんなに疲れるものかと。


その後は皿に盛るのだが……


「僕のお皿に肉がないようなんですが」


「気のせい」


そうして「いただきます」を言い2人で食べる。


結構美味しいと思った。


オイスターソースとか入れればコクがでたのになあと僕は思った。


そんなことを考えていたら花奈はもう食べ終わっていた。


そして僕の皿の野菜をつまみ出す。


「花奈さん。これ僕の分」


「いいじゃん」と言って構わず食べていく。


「わたし洗い物するよ」と花奈が言う。


「じゃあお願い」


「任せて」


そういって花奈がスポンジに洗剤をつけて洗い出す。


エプロンを着けた後ろ姿がちょっとかわいい。


すると視線を感じたのか花奈が振り向き「私のおしり見てたでしょ」


「違う。見てない」


「ほんと?」


「ほんとほんと。洗い物出来てるかみてただけ」


「ふうん」


と花奈は納得したようだ。


「ここからじゃ洗ってるところは見えないんだけどね」と僕は心の中で思った。


初めての料理は成功したかな。



翌日、花奈のお弁当のふりかけご飯に、野菜炒めが加わった。

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