第2話 発足料理研究会
放課後、花奈のところへ向かった。
「久、それでいつ料理教えてくれるの?」と花奈が言う。
「それなんだけど、いっそ2人で部活にしないか?それとももう部活に入っている?」と僕が聞く。
「部活は入ってないよ」
「じゃあ部活を申請しようか?」
「これで学校で食べ放題?」
「いや材料費出すの僕らだぞ」
「部費で出ないの?」
「出る訳ないじゃん。出来たばかりの2人だけの部活に出ると思うか?」
「え~。じゃあどうするの?」
「材料は僕の家から持ってくる。後は買うしかないな」
とりあえず部活申請書に必要事項を記入して、職員室に行ってみた。
担任の先生に事情を話すと、別の先生を紹介され、申請書を提出した。
「部活は無理だな。2人だけじゃ。研究会かな。ただお前ら運がいいな。うちの学校家庭科部がないからな。調理実習室と家庭科室を使っていいぞ」
「やったあ」と僕は喜んだ。
「ただし、ガスを使う場合は家庭科の先生が立ち会うことが条件。まあIHならかまわないがな」
「やったあ」と再び僕は喜んだ。
「あのう。部費は?」と花奈が言った。
「出る訳ないだろ」と先生が言う。
「そんなあ」
「IHと……そうだ、オーブンレンジも使っていいぞ。それに小型の方なら冷蔵庫も使っていい。ものすごい好条件だろ」
「冷蔵庫も使っていいんですか。ありがとうございます」と僕が言う。
「ちゃんとルールは守れよ」と最後に先生が言った。
さっそく調理実習室に行ってみた。
「IHコンロは3台だけか」と僕が言う。
「アイエイチって何?」花奈が言う。
「そこからか。え~とガスを使わない電磁調理器だな。火を使わないのがメリットだけど、使える調理器具が決まってるのが欠点」
「例えば?」
「土鍋とか、アルミ製とかは使えない」
「ふ~ん」
「次は冷蔵庫を見てみよう」
業務用の大きな冷蔵庫は使えず、隅にある家庭用のを使っていいとのこと。
「何か入っててくれ!」と言って僕がドアを開けるが中身は空だった。
僕は少しだけ期待してたが、ある意味当然の結果だった。
「それでこれからどうするの?」と花奈が言う。
「そうだな。何作りたい?」
「ステーキ!」
「んなお金あるかい」
「フカヒレ」
「だからそんなお金ないって」
「じゃあ酒盗」
「なんで知ってるの?てか作り方わかんない」
「ダメじゃん」
「花奈は何なら出来る?」
「ごはんにふりかけを……」
「それ以外」
「何も」
「野菜切るとかは?」
「出来ません」
これは酷いと思った。
「じゃあ最初の料理は野菜炒めだ」
「なんか安っぽそう」
「謝れ、野菜炒めに」
「ごめんなさい。で材料は?」
「キャベツともやしに、にんじんと玉ねぎ。味付けは醤油に中華スープの素に塩コショウ。あと油」
「お肉は?」
「じゃあ少量だけ買うか」
「わーい」
必要なものをメモして、2人で学校を出た。
こうして2人でスーパーへ買い出しに向かった。




