第28話 料理教室直前
アンケートの締め切り日が来た。
結果は37票でナポリタンに決まった。
「結構接戦だったね」と僕が言う。
「途中まではしょうが焼きだったんだけどね」と花奈。
さっそく舞留先生に報告。
「ナポリタンですね。それと37票ですか。それと男性12名。女性25名ですか。調理実習室ギリギリですね」と先生。
調理実習室は40席である。
「では決定の告知と募集をします」と僕が言う。
そうして掲示板に告知を貼った。
「じゃあ今日はおさらいでナポリタンを作ろう」と僕が言う。
「わかった」と花奈。
「じゃあ、よろしく」
「よろしくって?」
「花奈が仕切るんだよ」
「ええ」
「僕1人じゃ40人近くも無理だからね。花奈も教える立場になってもらわないと」
「わかった」
こうして今日は花奈がナポリタンを作ることになったのである。
食べ終えて、料理教室の段取りを決めていると、恵美理さんと理沙さんがやってきた。
「花奈、大丈夫そう?」と恵美理さん。
「大丈夫って?」と僕が聞く。
「一緒に水着買いに行くって話」と理沙さん。
「そうか。こっちはもう段取りも決まったから」と僕が言う。
「ちなみに久先生は、どんな水着がお好み?」と恵美理さん。
僕が返答に困っていると「女の子にアドバイスも出来ないようじゃダメだよ」と恵美理さん。
そうして3人で出かけて行った。
そういえば、僕も水着を買わなくちゃいけないと思った。
プールは楽しみなような、そうでもないような複雑な気持ちだ。
これが花奈と2人なら違うのだろうか。
ふとそんなことを考え、僕は何考えているんだと思い直した。
家に帰っても、ぼんやりと花奈との旅行を妄想してしまった。
しかし、景色を楽しむよりも花奈が食べているところばかり思い浮かぶ。
それで苦笑いをした。
料理教室直前。
アンケートでは37名だったが、最終参加予定者は35名となった。
僕と花奈は、スパゲッティなどの材料を調達し、段取りの打ち合わせやリハーサルもした。
リハーサル中に、松君と戸尾君がやってきた。
「おっ、やっているね」と松君。
「うん、明日だからね」と僕が言う。
「俺たちも参加するからな」と戸尾君。
「あっ、言っちゃった。当日驚かそうと思ったのに」と松君。
「しまった」と戸尾君。
4人で笑う。
そこへ、恵美理さんと理沙さんもやってきた。
「2人も来てたんだ」と恵美理さん。
「陣中見舞いってやつだよ」と松君。
そしていい機会だからと、プールの話も。
みんなで話している時に、僕は思った。
花奈の水着はどんなのだろうか。
そこが気になってしまった。




