第25話 勉強会
僕は猛烈に緊張している。
テスト直前、勉強会を急遽することになった。
場所は恵美理さんの家でだ。
部室として使っている家庭科室はテストが終わるまで使用禁止。
かと言ってファミレスとかでは迷惑であろう。
すると恵美理さんが、うちでいいよというのである。
小学生の頃、花奈の家には行ったことはある。
しかし高校生になった今、女性の部屋に行くとなると訳が違う。
例え自分1人じゃなくても。
玄関のチャイムを鳴らす。
「は~い」と言ってラフな服装の恵美理さんがドアを開けた。
「先生待ってたよ」と僕に言う。
僕は緊張しながら家に上がり、恵美理さんの部屋に行く。
すでに花奈と理沙さんが来ていた。
思わず目だけで部屋の中を見てしまう。
おしゃれだ。
白とピンクを基調とした明るい雰囲気の部屋である。
そしていい匂いがする。
僕が席に座るとさっそく「先生よろしく」と恵美理さんが言う。
「どこがわからないの?」と僕が聞くと、
「「全部」」と恵美理さんと理沙さん。
僕はため息をつき、用意していた試験範囲の要点を見せる。
「先生すげえ」と恵美理さん。
「これ覚えれば、半分ぐらい出来そう」と理沙さん。
花奈を見るとどこか誇らしげだ。
褒められてるのは僕ですよ、花奈さん。
2人には要点とコツを教えていく。
2人とも飲み込みは早い。
教えるのが楽しくなってきた。
しばらくすると「お腹空いた~」と理沙さん。
運動部だけあって、食欲は花奈にも劣らない。
「なにかないか見てくる」と恵美理さん。
そして戻って来て、「先生どう思う」と僕を手招きする。
台所に行き、冷蔵庫を開けて僕に見せる。
牛乳、卵、野菜類に豆腐や納豆などがあるけど、全体的に食材が少ない。
「うちスーパーで買うことや外食が多いから」と恵美理さん。
本人も少ないのを自覚しているようだ。
冷蔵庫以外を見ると、米と食パンがあるぐらい。
「う~ん。ご飯炊いておかず作るかパンを使ってチャチャっと作るかだね」と僕が言う。
「パンっていうとサンドイッチ?」と恵美理さん。
「それでもいいけど、フレンチトーストとか」
「決定」
「えっ?」
「フレンチトーストに決定。でもあれって漬け込まないといけないんじゃない?」
「そうだけど、電子レンジを使うと時短できるんだ」
「さすが先生」
そこへ花奈もやってきた。
僕が作ろうとすると「私も手伝う」と花奈が言った。
「うちまで来ていちゃつくのか」と恵美理さん。
「いちゃついていません」と僕が言う。
「2人でお好きなように」と言って恵美理さんは部屋に戻る。
「何作るの?」と花奈が聞く。
「フレンチトースト」と僕が言う。
「すごいすごい」
「ただ、ちゃんとした作り方じゃなくて時短バージョンだけどね」
食パンにフォークで細かく穴を開け、染み込みやすくする。
卵、砂糖、牛乳で卵液を作り染み込ませる。
電子レンジで両面温める。
「本来は時間をかけて染み込ませるけど」と僕が補足する。
あとはフライパンにバターを溶かして、卵液に漬けたパンを焼いて完成。
「はい。お待ちどうさま」と僕がフレンチトーストを部屋のテーブルに置く。
「すげえ」と恵美理さん。
花奈と理沙さんはすでに食べ出していた。
あっという間にフレンチトーストは無くなった。
その後も勉強をして暗くなってきたので終了。
それぞれの家に帰っていった。
みんな良い点取れるといいなあ。




