第23話 舞留先生からのお願い
本日の料理はピザになった。
昨日はデザートなどのお菓子は週2回までと決めたからだ。
ピザにしたのは花奈の母親がピザが好きだからである。
そしてレモンバームももらっていいかと聞かれた。
レモンバームは疲労回復効果があるので、母に飲ませたいとのことである。
もちろん了承をした。
「えっ?ピザって生地から作るの?」と花奈。
「そうだよ」と僕が言う。
「生地は買ってくるもんだと思ってた」
「いや作るよ。そんなに難しい訳じゃないよ」
強力粉に薄力粉、ドライイーストやオリーブオイルにぬるま湯で作る。
塩と砂糖も入れる。
まずは生地を捏ねるのだが。
「捏ねるの難しい」と花奈。
「そっか。捏ねるのは初めてか。パンをはじめお菓子でも捏ねる機会が多いから覚えよう」と言って僕が手本を見せる。
その後は寝かせてから、生地を伸ばして具を乗せるのだが。
「丸くならない。なんで久が作ったのは丸いの?」
「いやいやなんで花奈は丸くないの?」
僕は丸くできたのだけれど、花奈は楕円形になっている。
もう1回やり直そうと言ったけど、これでいいと言うので今回は許可をした。
それより花奈は具材選びしか頭にないからだ。
僕はトマトソースベースにチーズとマッシュルームを乗せた。
花奈はトマトに、ソーセージ、ベーコン、しめじ、じゃがいも、チーズである。
乗せすぎだろ。
オーブンに入れて焼く。
皿に移すのだが、花奈が具材がこぼれるといって苦戦している。
欲張りすぎだ。
そして食べていると、ドアのノックが聞こえ、舞留先生がやってきた。
「食事中でしたか。失礼」
「いえ大丈夫です」と僕が言う。
「ピザですか。江利さんのピザなら仕上げにオリーブオイルを少しかけた方がいいでしょう。織美亜さんのは、具材を減らし統一感を出しましょう」と僕らのピザを見て言った。
僕がオリーブオイルをかけると、風味がよくなった。
「本当だ。オリーブオイルをかけた方がいい」と僕が言う。
花奈はこぼれないように食べるのに必死だ。
「さて今回はお願いに来たのですが」
「お願いですか」
「今度の期末考査が終わって、夏休み前に料理教室を開いてくれませんか」
「料理教室ですか」
花奈も食べるのを止めて、舞留先生を見る。
「生徒を集めて、ここ、調理実習室で開催をしていただきたい」
「作る料理は決まっているんですか?」と僕が聞く。
「いえ決まっていません。あなたたちの好きなもので構いません」
「想定する生徒の人数とか男女の割合は?」
「それもわかりません。なにせ初めてのことですから」
僕は頭の中で考えた。
女性の方が多そうだ。
簡単なのがいいのか、少し凝った方がいいのか。
実用的なのがいいのか、おしゃれな方がいいのか。
「「私、やりたいです」と花奈が言った。
「花奈、やるのは構わないが、メニューどうするんだ?」
「う~ん。私が作れるの」
「まあそうだね」
「ではやるということでいいのですか?」と先生。
「はいやります。久、いいよね?」
「うん。何作るかが問題だけどね」
「では、内容が決まったら連絡してください。日程はこちらの二日間のどちらかでお願いします」
「はいわかりました」と僕が言う。
こうして料理教室をすることになったのだ。
何作ろうかな。




