第22話 パウンドケーキ
翌日の放課後、パウンドケーキ作りが始まった。
パウンドケーキの型は調理実習室にあったのでそれを使う。
作り方は薄力粉に無塩バターに砂糖や卵などを混ぜるだけ。
「ただ卵は一気に入れると分離するから少しずつね」と僕が言う。
後はベーキングパウダーと摘み取ったレモンバームを入れる。
オーブンで焼き完成。
香りも見た目も良く出来た。
食べようとしたら、後で食べると花奈が言う。
まあいいやと思い、花奈と一緒に片付けをして、今日も勉強をする。
しばらくすると、恵美理さんと理沙さんがやってきた。
「デザート作るって言うから食べにきた」と恵美理さん。
「お腹が空いて。なんか食べさせて」と理沙さん。
花奈がパウンドケーキを型から外し切り分ける。
「久、レモンバーム採って来て」と花奈が言う。
僕が外に行き、レモンバームを摘み取る。
レモンバームのパウンドケーキとレモンバームティーが並べられた。
ただ、1:3:3:3ぐらいの割合になっているのは、どういうことですかねえ。
僕のパウンドケーキは、全体の十分の一しかないのに疑問を持つ。
4人でいただく。
「結構美味しいじゃん」と恵美理さん。
「美味い美味い」と理沙さん。
「ただ、ケーキが甘いから苦いコーヒーがよかったな」と恵美理さん。
「そうだね。甘いものに甘い飲み物だね」と理沙さん。
「コーヒーや紅茶はないんだ。でもデザートには必要だね。コーヒーは難しいけど、ティーパックでいいなら紅茶は用意するよ」と僕が言う。
「次のデザートはなに?」と花奈が聞く。
「まだ決めてないよ。クッキーかプリンかスコーンあたりにしようかな」と僕が言う。
「がっつり生クリームケーキがいいなあ」と恵美理さん。
「私はチーズケーキとかがいいな」と理沙さん。
「う~ん。その2つはまだ先だね。ホイップクリーム作る機械がないんだ。手でやると大変だから」と僕が言う。
「じゃあチーズケーキならいいんじゃない?」と花奈が言う。
「そっちももう少し先かな。まだレアチーズケーキの方がやりやすいと思うけど」
「「「レアチーズケーキ」」」
「あれって素人でも作れるんだ」と恵美理さん。
「レアチーズケーキなら文句ない」と理沙さん。
「じゃあ決定だね」と花奈。
「わかった。次回はレアチーズケーキにしよう」
「ところで夏休みどうなったの?」と花奈が聞く。
「まだ決まってないよ」と恵美理さん。
「あれ?プールになったんじゃないの?」と理沙さん。
「う~ん松と戸尾はプールでって言ってるんだけど。久君は川だっけ?」
「うん」
「それってさあ、私たちの水着見たくないってこと?」と恵美理さん。
「いやそういう訳では」
「それとも花奈の水着を他の2人に見せたくないってこと?」
「だからそういうわけでは」とそう言いながら僕はうつむいた。
花奈も僕が海やプールを否定してたのを理由がわかった気がして下を向く。
「はいはいご馳走様。で久君は水着見たいの?見たくないの?」
「僕は川でバーベキュー派だから」と逃げる。
「まあ決まったら言うよ。ただ久君。一応体鍛えておいた方がいいかもよ」
そういうと恵美理さんと理沙さんは帰って行った。
僕と花奈がちょっと気まずくなる。
「僕たちも帰ろうか」
「うん」
そして気まずい状態のまま、学校を後にした。




