第21話 収穫祭
月曜日久々の授業だ。
先週は宿泊研修があったからだ。
そして期末考査も、もうすぐである。
放課後部室に行くと舞留先生がやってきた。
「あなたたち、外で育てているものを、そろそろ収穫してもいいのでは」
宿泊研修でいない間、舞留先生に水やりをお願いしていたのだ。
2人で外に出ると絹さやがたくさん実っている。
レモンバームも摘み取り可能だ。
茄子は実がなってるがもう少しってところだ。
「先生ハーブティー飲んでいきます?」と僕が言う。
「そうですね。せっかくなのでいただきます」
レモンバームの葉っぱをいくつか2人で摘み取る。
「葉っぱ10gに対してお湯は500ml程度が適量です」と舞留先生。
レモンのようなさわやかな香りが漂ってくる。
3人でフレッシュハーブティーを飲む。
レモンと違って酸味はなく、むしろ甘い感じで美味しい。
「先生、絹さやはどう食べたらいいんでしょうか」と僕が聞く。
「お味噌汁の具や、料理の彩りとして使用するのが多いですがこれだけあるのなら、メインとしても使えます。卵とじやバターソテー、そしてオリーブオイルとにんにく、とうがらしで、絹さやのペペロンチーノなんてのも美味しいです」
「「おお!」」
「ごちそうさまでした」と舞留先生がレモンバームのハーブティーを飲み終えると部室を出ていく。
僕と花奈は話し合いの末、ペペロンチーノにすることにした。
2人で大きいのを摘み取り、水で洗い、筋を取る。
後はペペロンチーノと同じ要領だ。
2人で食べ出すと箸が止まらない。
美味しすぎる。
「全部ペペロンチーノにしよう」と言う花奈の提案にも納得してしまいそうになる。
「彩りで使うようにもしよう」と僕が言い納得してもらう。
もうすぐ茄子も収穫出来るし、楽しみである。
「こんなに美味しいなら、もっといろんなものを育てればよかったね」と花奈が言う。
「プランターが3つしかなかったからね。来年はプランターを買ってもっと育てよう」と僕が言う。
「来年も楽しみだね」
絹さやの片付けを終えると花奈が言う。
「それでデザートはなにを作るの?」
「実は僕はデザートそんなに作ったことないんだ。だから僕も一緒に作る感じかな。それで今、レモンバームがあるからレモンバームのパウンドケーキにしようと思う」
「やったあ。パウンドケーキ」
「ただ、これから毎日デザートを作るわけではないよ」
「なんで?」
「砂糖多く使うしね。だから週に2日ってところだね」
「そんなあ」
「太りたいの?」
「それは嫌だ」
「じゃあ週2日で」
「わかった」
「じゃあ明日はパウンドケーキだね。無塩バターやベーキングパウダーを用意しなきゃ」
「難しい?」
「いや混ぜて焼くだけだよ」
「さて」
「うん?」
「これからテスト勉強しようか」
「えー」
それから2人でテスト勉強をした。
◆◆◆
用事を済ませ、職員室に戻ろうとした。
家庭科室の前を通ると2人が勉強をしている。
私は感心した。
この子たちはただ料理を作るだけじゃなく勉学にも頑張っている。
この子たちなら推薦してもいいかなと思った。
職員室に行くと教頭先生のところへ向かう。
「舞留先生どうしました?」と教頭先生。
「この前のお話ですが、私ではなく生徒にやらせてみようと思うのですが」




