第15話 しいたけづくしと理沙
飯盒炊飯の練習で鍋でご飯を炊いてから何日か過ぎた。
その間スパゲッティをナポリタンとかミートソースとかにしたり、ポトフやタコスなどを作った。
さらにもう1度鍋でご飯を炊いてみて、中華丼にして食べたりもした。
そして週明けにこの日がやってきた。
しいたけが大量に採れたのである。
さっそく2人で収穫したのだがものすごい量になった。
2人でどう食べるか考えた。
とりあえず焼いて醤油にバターを少々。
「「美味しい」」
「肉厚で醤油バターと相性がいい」と僕が言うと
「全部醤油バターでいいんじゃないと花奈が言う」
「全部醤油バターかい」と僕が言ったあと、アルミホイルにしいたけを3個入れ、バターと醤油とレモンを少々でホイル焼きに。
花奈が2個食べ、3個目にも手を伸ばしたのを何とか阻止して僕も1つ食べる。
「「美味しい」」
「全部ホイル焼きでいいんじゃない」と花奈が言う。
それから、オリーブオイルとニンニクで炒めたり、卵を通してパン粉をつけてフライ風にしたり、佃煮にしたりした。
20個以上はあったのを全部2人で食べたのだ。
そして思った。
なんで全部食べたんだ。
明日以降に回せばよかったと。
まあ栽培キットは上手く行けば2回目3回目も収穫できるかもしれないので、そこに期待することにした。
翌日は、炒飯を作ることにした。
ご飯は久々に炊飯器で炊き、少し冷ます。
その間に具材をフライパンで炒める。
そして溶き卵を入れるのがセオリーだけど、僕はボウルに入れたご飯に溶き卵をかける。
そして塩コショウ他、味付けもボウルにかける。
そしてかき混ぜる。
炒める前に味付けとご飯を卵でコーティングする。
ご飯一粒一粒を卵でコーティングすることで、パラっと仕上がからだ。
そして炒めた具材と一緒にコーティングご飯を炒める。
花奈には途中フライパンを前後に振ったりするよう指示を出した。
そして醤油を入れて完成。
すると僕はドアの方から視線を感じた。
ドアの方を向くと知らない女の子が。
誰だったか思い出そうとするが、思い出せない。
花奈が僕の視線に気づき、「理沙さん」と言った。
どうやら花奈の知り合いのようだ。
「花奈さんこんにちは。美味しそうなの作ってるじゃない」と理沙さんが言う。
花奈が理沙さんを紹介する。
「こちら同じクラスの理沙さん。女子バレー部なの。そして宿泊研修では同じ班」と僕に紹介してくれた。
「理沙さん。この人は久君。一応幼馴染。ここの部長。あっ研究会だから会長?」と僕を理沙さんに紹介する。
僕と理沙さんは挨拶をした。
「理沙さんこれ食べる?」と花奈。
「いいの?」
「もちろん」
花奈が自分の分と理沙さんの分を皿に分ける。
「すっごく美味しい」と理沙さん。
「でしょでしょ。美味しいよね」と花奈。
僕はどうすればいいのか迷った。
言うべきか言わざるべきか……
2人が炒飯の美味しさで盛り上がっている。
「あの、僕のは?」
「忘れてた」と花奈。
わざとだろと思った。
扱い、酷くない?
理沙さんが、「少し食べます?」と言ってくれたが
「どうぞ食べて下さい」と僕が言う。
理沙さんはバレー部なので練習後はちょくちょくお腹が空くと言う。
晩御飯前に買い食いして帰ることもあると言う。
「だったら、たまに食べに来てよ」と花奈。
「さすがにそれは悪い。今日は偵察にきただけだし」
偵察ってなんだろうと思ったが黙っておくことにした。
その後も今まで何作ったの?とか運動部って大変?とかで話が盛り上がる。
僕はここに居ていいのだろうかと思いはじめた時、理沙さんが帰ると言う。
去り際に僕に「邪魔しちゃってごめんね、彼氏さん」と言って帰って行った。
僕は否定する間もなかった。
誤解は解かなくちゃと思った。
……でも、悪い気はしなかった。




