第14話 宿泊研修に向けて
僕は明日の授業の予習をしている。
いつもは勉強をして終わりなのだが、最近は学校の勉強の後は料理の勉強をする。
ネットで、時には本で料理を学ぶ。
最近は洋食についてが多い。
これから花奈に教えるからだ。
料理は小さい頃から、男子ながら、母の手伝いで料理をすることが多かった。
その時からの手伝いが、今の僕の料理知識の源と言ってもいいのだろう。
花奈に何を教えたら喜ぶか。
花奈が美味しいと言ってくれるのは何か。
花奈のためになる料理は何か。
それらを考えながらネットで学び、夜食として作るのだ。
「久、そういえばこの前、花奈ちゃん見かけたよ」と遠くで母が言う。
「ふうん」と僕が言う。
「ずいぶんかわいくなってたわね。同じ高校なんでしょ」
「そうだよ」
「今度うちに呼んでおいでよ」
「考えておく」
もうすでに呼んだとは言えなかった。
花奈には、口裏合わせてもらわないとな。
そう思いながらベッドで横になった。
翌日、学校へ行くと、宿泊研修の説明があった。
山梨までバスで行き、2泊3日の予定だ。
そして今日は、3人の班決めをすることになった。
基本3人の班で行動し、部屋も同じ3人で泊まることになる。
僕がキョロキョロと周りを見ていると
「久、一緒の班になろうぜ」と松君が声をかけてきた。
「うん」と僕が答える。
「松~俺と同じ班になろうぜ」と松君に戸尾君が声をかけてきた。
「僕は久と同じ班に決めちゃったんだ」と松君が言う。
「ならそこに俺も入れてくれよ」と戸尾君。
松君が僕を見る。
僕は頷いた。
「じゃあ決定~」と戸尾君。
こうして僕の班は決まった。
戸尾君とはまだあまり話したことがない。
1つ言えるのはとにかくチャラい。
まあでも松君がいるから安心かな。
放課後部室に行く。
花奈のクラスでも宿泊研修の話をしたみたいだ。
「2日目のお昼って飯盒炊飯とカレー作りだって」と花奈が言う。
「飯盒炊飯か…困ったな」と僕が言う。
「なんで?」
「予習ができない」
「そうなの?」
「仕方がない。IHで鍋でご飯炊くか」と僕が言う。
「飯盒炊飯なんて面倒なのやめて炊飯器でいいのに」と花奈。
「まあ野外で作るから仕方ないさ。今回は僕も手伝うよ。僕もやったことないから」
こうして鍋でのご飯作りとカレー作りをやることにした。
一旦パソコン室で作り方をメモをする。
念のために動画も観る。
それから米を浸水させる。
並行してカレー作りも。
ここで問題が。
花奈に野菜の下処理をまだ教えていなかった。
じゃがいもなどの、むき方もわからないだろう。
ピーラーでもよいが、この際ということで包丁で。
僕が見本を見せて、花奈もやってみる。
見てて危なっかしい。
とにかく慎重にと言う。
にんじんや玉ねぎの切り方も教える。
もっと早く教えておくべきだったと思った。
なんとか花奈は切ることができた。
正直、見ているこっちが疲れた。
そして鍋でご飯を炊く。
IHなので土鍋ではなく普通の鍋だ。
中火でやり、後に弱火に。
なんとか完成。
2人で出来上がったカレーを食べる。
じゃがいもはいびつで、にんじんの大きさもバラバラだ。
「美味しい」と花奈が喜ぶ。
本番までにもう1~2回やろうと思った。
花奈には料理で失敗して欲しくない。
がんばれよ花奈班長。




