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第13話 舞留先生とカルボナーラ

今日も放課後は部室で花奈と料理だ。


この前から育てているしいたけも小さな芽が出始めている。


外にあるプランターでは種から育てた絹さやが、苗から育ててる茄子の背丈を追い越した。


レモンバームも順調だ。


花奈がそれらの成長に一喜一憂している。


それぞれ収穫が楽しみだ。


昨日はペペロンチーノを作って失敗をしてしまった。


今度は失敗しないようにしよう。


今日もペペロンチーノでもよかったんだけど、別のにしようと思う。


ずばりカルボナーラだ。


ただ問題が1つ。


「今日はカルボナーラにしようと思う」と僕が言う。


「やったあ」


「そこでどっちのカルボナーラにしようかと」


「えっカルボナーラって2種類あるの?」


「うん、イタリアのローマ式と言われるのは卵黄ベースなんだけど、日本式の場合、生クリームを入れるんだ。まあ他にグアンチャーレとか違いもあるけど」


「グアンチャーレ?」


「豚肉だね。まあ日本では手に入りづらいから、パンチェッタで代用するんだけど、それも難しいので日本式と同じベーコンになっちゃうけどね」


「なんか色々違うんだ」


「それで、どっちを作りたい?」


「両方!」


「両方って」


「だって食べ比べないとわからないじゃない」


「2つも作るの?」


「そう。2つも食べるの」


「……分かった。生クリームとベーコンとチーズを買いに行こう」


2人でスーパーへ行き、材料を買って戻って来ると早速準備。


「今回のスパゲッティは太いね」


「フェットチーネという平麺タイプのを使う」


こうしてスパゲッティを茹でている間にフライパン2つでそれぞれのソースを作る。


そのとき、ドアをノックする音がした。


家庭科の女性教師、舞留(まいる)先生がやって来た。


「ちゃんと料理を作っているようですね」と先生。


僕はノックをして入って来たのに感動した。


今までは気配で察知していたから。


「はい。IHで作っています。ガスは使用していません」と僕が言う。


「ルールは守っているみたいですね。おや?スパゲッティのソースが2つ?」と先生。


「はい。ローマ式と日本式のカルボナーラです」


「ローマ式はゆで汁を少し足した方がいいでしょう。あと手早くです」と先生。


花奈が言われた通りにする。


そして茹で上がったスパゲッティをそれぞれのフライパンに絡めて皿に移す。


黒コショウも忘れずにかけた。


先生が「失礼」と言い、近くにあった箸を洗ってから、それでそれぞれの皿のスパゲッティを一口食べる。


「味は良いでしょう。ただ少しスパゲッティが茹ですぎですね。書かれてる時間の1分前ぐらいに取り出しましょう。もちろん1本食べて確かめてからね」


その後、冷蔵庫などをチェックする。


「あなたたち食べないのですか?」


「はい食べます」と花奈が言って2皿食べ出した。


「ちょ。僕の分は!」


「忘れてた。両方食べる気でいたんで」


舞留先生先生が少し笑った気がする。


その後は質問攻めだ。


これまで作ったもの、作って感じたこと、プランターで育てているもののことなどなど。


僕がそれぞれに対して答えていく。


ちらりと花奈を見ると2皿完食していた。


「ではこれからも、くれぐれも火の元などは注意するように。料理中は絶対に離れず注意を払うこと」


「はいわかりました」と僕が答える。


「わかりました」と花奈も言う。


「あとは質問とかあったらいつでも聞きに来なさい」と言って先生は去っていった。


「良い先生だね」と花奈が言う。


「そうだね」と僕も言う。


そして、「なんで僕の分まで食べるの」


「あっ、ごめんなさ~い。だって美味しかったんだもん」

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