第11話 マヨネーズと第二段階へ
月曜日の放課後、部室に2人で集まった。
「今日は何するの?」と花奈が言う。
僕はもらったマヨネーズを出し、「マヨネーズづくし」
「おお!」
「早速準備を」
僕は炊飯器でご飯の準備をし、さらに鍋で卵とじゃがいもとショートパスタを茹でる。
「なんかいっぱい作りそうだけど」
「いくつか作るよ。なるべく少量にするから」
「普通の量……いや、多めでもいいんじゃない?」と花奈が言う。
そして、僕が指示を出す。
「パスタ、ゆで卵、じゃがいもをそれぞれのボウルに」
「はい」と言って花奈がボウルにそれぞれ移す。
「パスタはそのまま。じゃがいもは潰して。卵も潰す。それぞれに塩コショウをして、マヨネーズで和える」
マカロニサラダとポテトサラダと卵サラダが出来た。
卵サラダは食パンに挟んで卵サンドに。
炊き上がったご飯はおにぎりにしてツナマヨのおにぎりに。
「やったあ。マヨネーズづくし!」と花奈が喜ぶ。
2人でそれぞれを食べて感想を言い合う。
「あー美味しかった。明日は何作るの?」と花奈が言う。
「今食べたばかりなのに、もう明日の料理を考えるんかい」と僕がツッコむ。
「だって気になるじゃん」
「今まではごはんに合うおかずや、お弁当向きなのを作ってきたんだ」
「そういえば。私のこと考えてくれてたんだ。ありがとう」
急にお礼を言われたのでなんだか照れる。
「明日からはそれに、ご飯のおかず以外も作っていこうかと」
「それでそれで」
「まずはスパゲッティかな」
「やったあ」
「作りたかったの?」
「うん。作りたいし、食べたい」
「それはよかった」
「何スパゲッティ?」
「う~ん、トマトソースとかペペロンチーノとかボンゴレビアンコとかナポリタンとか」
「全部作ろう」
「それは無理。きりがないから」
「え~」
「他にグラタンやハンバーグ、中華丼とかピザとか」
「すごい!作ろう作ろう」
「これが第二段階ってところだね」
「てことは第三第四段階もあるの?」
「あるよ」
「超楽しみ」
「それだけじゃないよ」
「なになに」
僕は親にもらったしいたけ栽培キットを出した。
「なにこれ?」
「しいたけがたくさん収穫できるんだ」
「なにそれすごい」
「え~と栽培ブロックから出来るんだよね。こちらの管理も任せます」
「私が」
「さっきあげた料理、みんなしいたけと合うからね。失敗したら具無しだと思って」
「責任重大だ」
◆◆◆
今日もお母さんに料理を作った。
「今度お母さんの好きなスパゲッティ覚えるから楽しみにしててね」と花奈が言う。
「それは楽しみだわ。花奈ちゃん最近どうしたの?」と母が言う。
「学校で料理研究会に入ったの」
「それで、そんなに楽しそうなんだ」
「楽しそう?私が」
「ええ。前より明るくなったし、小学校の頃に戻ったみたい」
「そうなのかな」
「あの頃は近所の江利さんちの久くんと『将来結婚する』って、毎日のように言ってたでしょ」
「なにそれ。そんなの知らない」
私は母の元から離れて自分の部屋に向かった。
自分でもわかる、赤い顔を見られたくなかったから。




