第10話 深大寺と仙川
今日は花奈が調布にある親戚の家に届けものに行くのだ。
そして僕も一緒に行くことになった。
10時に授業が終わると、花奈と一緒に駅に向かった。
荷物は小物らしく、すでに花奈のかばんに入っているとのこと。
そしてせっかくなので調布周辺を見て回ろうということで、お蕎麦で有名な深大寺に行くことになった。
駅で電車を待つ。
少し経つと電車がやってきた。
電車に乗ると座席が空いている。
花奈と一緒に横並びの座席に座った。
次の駅では結構人が乗ってきた。
僕と花奈がくっついて座る。
ちょっとドキドキする。
花奈は気にならないのか、普通に話しかけてくる。
こっちは緊張してるのに。
10分ちょっとで終点に着いた。
そこから電車を乗り換えまた10分。
さらに電車を乗り換えて調布駅に向かう。
今度は下りなので余裕を持って座れた。
ホッとしたようながっかりしたような。
駅に着くと「こっちこっち」と花奈が先導する。
「バスに乗るの?」と僕が聞くと
「ううん。歩き」
そこから15分ほど歩いて、親戚の家に着く。
花奈が「ちょっと待ってて。ごめんね」と言って家に入って行く。
10分ほどすぎたあたりで花奈が出てきた。
「ごはん食べていきなって言われたけど、友達待たせてるからって言って切り上げてきた」
「もっとゆっくりしていてもよかったのに」
「それは久を待たせることになるから。それでこれからどうするの?」
「ここ駅と深大寺の中間地点ってところだね。このまま歩いて深大寺に向かおう」
更に10分ちょっと歩く。
「蕎麦屋が多いね」と花奈が言う。
「そうだね。あっ参道に着いた」
一気にたくさんのお店が。
しかもどれも趣がある。
歩いていくとお店だけでなく、たくさんの木々が。
「そばぱんに、そば団子のお店があるよ。あっ水車がある!」と花奈のテンションが上がった。
「もう店は決めてあるから」
「そうなの。じゃあそこに早く行こう」
目的のお店に着くと行列が。
15分ぐらい待ってようやく店内に入った。
「なんでこのお店にしたの?」と花奈が聞く。
「美味い・安い・量が多い」
「最高じゃん」
花奈がメニューをじっと見る。
僕にも見せてくれませんかね……
花奈が決まったのか店員を呼ぶ。
僕まだなんだけど。
「もりそば特盛で」
「えっ?」と僕は驚いた。
メニューには大盛・特盛無料サービスとなっている。
特盛は2.5人前……
お店の人も「食べられる?」と聞いてくる。
「はい。大丈夫です」と花奈が言う。
僕は「ざるそば大盛で」と言った。
大盛は1.5人前だ。
少し経つと蕎麦がやってきた。
花奈の特盛、量多いだろ。
麺はやや緑がかってとても美味しい。
そば粉の味と清々しい風味がとても合っていて、もう花奈食べ終わったんかい!
僕が味わって食べている間に花奈は完食していた。
「あ~美味しかった」と花奈の感想。
それはなによりだ。
僕がようやく食べ終わり、会計をして店を出た。
しばらく境内を見て回る。
「クリームあんみつや、揚げまんじゅうアイスってのもあるよ。おいしそう」
あなた、たった今、蕎麦2.5人前食べましたよね?
僕は時計を見ると「じゃあ駅に行くよ」と花奈に言った。
花奈は不満そうだったが、渋々了承した。
「どこへ行くの?」
「仙川」
「どこ?」
「途中駅だよ。来るとき通ったよ」
「ふうん」
バスで調布駅に向かい電車で仙川に。
そこから歩いて目的地へ。
「ここは!」と花奈が言う。
「マヨネーズの会社が運営している見学施設で、マヨネーズの紹介みたいなところだよ」
予約制なので僕は時間が気になっていたのだ。
受け付けを済ませていざ見学。
マヨネーズの歴史やマヨネーズが出来るまで、玉子が無駄なく使われているのも勉強になった。
卵殻の内側にある薄い卵殻膜まで使用しているのは驚きだ。
そしてマヨネーズ味比べ。
キュウリに色んなマヨネーズをつけて食べるのだ。
花奈はテンションが高い。
「燻製マヨ美味しい」
そして僕の分のキュウリを見る。
いや僕も味比べしたいんですが。
最後に最初にもらった引換券で、お土産を貰える。
僕は定番のマヨネーズとグッズを、花奈は燻製のマヨネーズをもらった。
ちなみにここは無料である。
2人は満足して後にした。
電車を乗り継ぎ、地元に帰ってきた。
「今日は楽しかったね。また来たいな」と花奈。
「そりゃ2.5人前食べてお土産付きだものね」と僕が言う。
「なにおー。私は深大寺の風情のことを言ったの」
「じゃあ今度は料理食べないで、お寺巡りをする?」
「それはちょっと」
「じゃあ帰ろうか」
「今、今度って言ったよね。またこういうとこ行くから調べておいてね」
花奈が僕を見てニッコリ笑って言う。
それってまたお誘いを受けたってことでいいんだよね。




