17・小鳥のすみか
この日、ぽーが飛んでいる森の上には、白い雪がパラパラとおりていました。
森の木も、ふわふわの雪のぼうしをかぶってるみたいです。
クマの親子が住んでいる森です。
「ある~日、森の中~、クマさんに~、であったあ♪」
「クマさんたちは、げんきかな? きっとぐっすりねてるよね」
すると、森の中にたくさんの大きな車が入っていきました。
ガッ ガッ ガッ ガァッ
ガッ ガッ ガッ ガァッ
「うわぁ。クマさんたち、だいじょうぶかな」
チュン、チュン
チュン、チュン
鳥の鳴き声が聞こえてきました。
「なんか……、かなしそうな声だな」
声のする場所へおりていくと、大きな木の枝に作られた巣に、ブルブルふるえている三羽の小鳥と母鳥がいました。
「ねえ、ママ。どんどんまわりの木がなくなっていくよ」
「巣の場所をかえても、すぐに木がなくなっちゃう」
「こわいよぉ、ママ」
「どうしたらいいんだろう……?」
すると、大きな車が小鳥たちの木の近くまでやってきて、まわりの木をきり始めました。
ガッ ガッ ガッ ガァッ
ウイン、ウイーーーン
「えーん。こわいよ、たすけて!」
「ママー、おっこちちゃうよー」
「あんな大きな車には、ドングリこうげきできないしなあ……
小鳥たちの巣を、もっと森の奥にうつさないとダメだな」
ぽーが森の奥を見にいくと、どこからか声が聞こえてきました。
「おや……? どうしたんだい?」
「あ……っ、木のようせいさんだ!」
とても大きなブナの木がありました。
「ボクには木のようせいさんの友だちがいるんだ」
「それはめずらしい。話を聞かせておくれ」
ぽーは、友だちになった木の妖精のことを話してあげました。
「それは仲間が世話になったね。それで、今日はどうしたんだい?」
ぽーは、小鳥たちが困っていることを話しました。
「また人間たちは森の木をきってるのか、けしからん!
よし、わしに住めばよい。わしは大ブナの木。誰もわしをきれん」
「すごーい!」
「今から巣を作っておくから、ここまで連れておいで。仲間を助けてくれたお礼だよ」
「やったぁ、ありがとう!」
ぽーは小鳥たちのところへ戻ってきました。
ウイーーン、ウイーーン
ガッ ガッ ガッ ガァッ
「えーん、こわいよ。たすけて!」
「どうか、子どもたちを助けてください!」
「おーい、小鳥さんたち! ボクはぽーっていうんだ。
今からキミたちをはこぶよ。ママには、ついてくるように言ってね」
「う、うん、わかった!」
「ねえ、ママ。ぽーさんが、ボクたちをはこんでくれるって」
「ん……? どういうことかしら?」
小鳥たちの木が、今にも倒れそうになりました。
「うわぁ、あぶない! じゃあ、行くよ!」
「ぽーさん、おねがいします!」
ぽーは小さな小鳥たちを抱えて、空に飛びたちました。
母鳥は不思議に思いましたが、木が倒れていくのを見てホッとしました。
森の奥の静かな場所に着きました。
大ブナの木が見えてきました。
「ぽーや。上のほうに巣を作っておいたから、子どもたちをそこへ置きなさい」
ぽーは、子どもの小鳥たちを巣にそっと置きました。
「うわぁ、ふかふかだあ。きもちいい♪」
「わーい!」
「やった、やったぁ!」
母鳥もやってきました。
「こんなに静かで美しい場所があるなんて……」
「ここでゆっくりと子どもたちを育てなさい。人間たちもここまでは来ないからね」
「大ブナの木の妖精さん、どうもありがとうございます。ぽーさんも、本当にありがとうございました」
「よかったね」
ぽーは、ニッコリと笑いました。
「ぽーにいちゃん、ありがとう!」
「とべるようになったら、あそんでね!」
子どもの小鳥たちの、うれしそうな鳴き声が聞こえてきました。
チュン チュン チュン♪
チュン チュン チュン♪
すると、森に住む鳥たちも鳴き始めました。
キュルッ キュルッ キュルッ♪
チュン チュン♪
ジューイッ、ジューイッ、
ジュン、ジュン♪
「ようこそボクらの森へって、鳥たちが言ってるよ」
そこへ……
カラーン♪ コローン♪
カラーン♪ コローン♪
鐘の音が鳥たちの鳴き声と合わさって、まるで森の音楽会のようです。
「うわぁ……。森がおどってるよ♪」
森のたくさんの木が、枝を楽しそうにゆらしました。
「あっははは、わーい、わーい!」
ぽーは、森の中を小鳥たちと楽しそうに飛び回りました。




