3話 報復作戦
男「私はヘブン・ザ・スカイ、この国ツーシータ法国の教祖である。最近七属神官たちがやけにざわついているように感じる。
何かを起こす気なのか?だが、彼女らは私に歯向かうことはないだろう。なぜなら、私の完璧な教えを施したのだから。
私の教えは正しいのだ、人間のみが生き獣人や亜人、悪魔、アンデット。この世にいるありとあらゆる者は楽園へ行ってはならない、私はいつもそう教えてきた!
人間が絶対の種族!ドラゴン?私からしてしまえば、トカゲ同然!あんなものは一撃で十分だ。
だが最近は、人間以外を保身する動きのある国がある。一つはユリオン軍主国、もう一つはシュンテン共生共和国、トルベック平和主義王国だ。
この3つは人間がトップでありながら、人外を守っている。ユリオン軍主国に関してはグランドン魔王国を配下に入れ、アルバー帝国とも仲が良い。
私はこの大きい2国をなくしたいと思っている。ハイラーとバースの仇を取らねばならぬが、相手が悪すぎる。我が国の資源だけでは到底太刀打ちなんかできるはずがない。
そこで、ウィルストンエルベーダ帝国に助けを求め、ある程度の兵器や人的資源を集めたものの、あの巨大な船によって壊滅させられた。本当に困ったものだ。
私だけではどうしようもないだろう。だが、勝ち目がなくなったわけじゃない。まだある!
名前は何と言ったかな、たしか……
お??A「これはICBMというよ~」
男「ICBMですか?」
?と?A「通称ミサイルというよ~」
ヘブン「ミサイル……」
??こA「自分が落としたいとこを決めて打つだけだよ~」
お?こA「実に簡単な代物だ。威力は、そうだな~月を一発で消し飛ばせる威力とでも言っておこうかな~」
ヘブン「月をですか、あまりピンとこないな」
おとこA「使いたいときに使うのがベストだよ~」
ヘブン「なら有難く使わせてもらおう」
男A「くれぐれも扱いには気を付けてね~?」
ICBMだったな、これを使って報復攻撃でもするか。それだ!それがいい!我々はわざわざ近づく必要がない!なんて素晴らしい兵器なんだ!
これも我々人間のため、ならば多くの命を失っても構わない!いや、人間以外すべていなくなってしまえばいいのだ!!!」
ーーーーーーーーー
フレン「また叫んでますね」
女C「いつものことなんだぜ!」
フレン「そうね、ライラはいつ帰ってきたの?」
女C「ついさっきだぜ」
フレン「一刻も早くこの作戦を遂行させなければならない」
ーーーーーーーーーー
冬夜「最新の迎撃システムを開発した」
夏月「どんなのなんだ?」
冬夜「お前を迎撃するためのシステムだ!」
夏月「かかってこいや!!」
冬夜「迎撃目標、夏月!」
夏月「デスシールダー召喚!」
冬夜「と、言うのは嘘だ」
夏月「そうでなくては困る」
冬夜「弾道ミサイルを人工衛星なしで迎撃ができるものを開発した」
夏月「それはすごいことなのか?」
冬夜「もちろんだ。その位置から計算し、射程内であればすべて迎撃できる。射程は約150kmになる予定だが、今後はもっと強化する予定だ。配備先は陸軍がメインで、海軍は迎撃艦を建造する予定だ」
冬夜が開発した陸軍兵器はコンパクトキラーという。性能はそれなりだが理論上一台で100発中は98発撃墜可能だ。
夏月「試しに海岸で5台用意して実験してみるか」
冬夜「やってみるか」
近場の海岸に5台だけ配備し実際にミサイルを発射しようとした瞬間、ミサイルが接近してきたことがレーダーによって発見した。
冬夜「グッドタイミングだが、どこから来たのか気になるな。まぁ実験に使わせてもらうか、迎撃準備!」
ユミ「はい!」
ユミは自分が持つ加護、傀儡によって5台全てを一人で操っていた。座標計算はあっという間にでき、迎撃ミサイルを発射後5分足ほどで全弾撃墜をした。撃墜高度は約16236。
夏月「さすが冬夜が造るものはすげーな」
ユミ「私もほめてくださってもいいのですよ?」
夏月「さすがだユミ、一人で万単位の兵器を操れるだけある」
ユミ「そんなに褒めても何も出ませんよ?」
冬夜「まだ完ぺきとは言えないが良い精度だ」
ーーーーーーーーー
ヘブン「全弾撃ち落されただと?」
信徒A「は、はい……じゅ、10発全てです」
ヘブン「爆発で巻き込めるのではなかったのか?」
信徒A「中身が入っているのも確認しましたし、試験で使ったものもしっかりと爆発したのを確認しています」
ヘブン「少しでも被害を出せると思ったんだがな……」
ーーーーーーーーーー
冬夜「おそらく方向的にツーシータ法国から飛んできたのだろう」
夏月「可能性が高いな、報復攻撃をしようとしたが運悪く俺らの実験に消費してしまっただけになってしまったようだな」
冬夜「俺らも報復攻撃しとくか?」
夏月「核弾頭以外ならいいぞ」
冬夜「そうか~ならやめとくか」
夏月「本土決戦が一番いいだろう」
冬夜「どうせ蒼轟型の主砲でほぼ壊滅的になるだろうがな」
夏月「簡単に消し飛ばせるだろう」
ーーーーーーーーーー
フレン「ユリオン軍主国に当たらなくてよかった……」
女D「当たってしまってはこの国家滅亡なの~」
フレン「不吉なことは言わないでほしいものね、アイラ」
女D「失礼したの~」
ーーーーーーーーーー
冬夜「これから海軍も忙しくなるぞ」
夏月「働き者はいいことだ」
冬夜「お前は座っているだけでいいもんな」
夏月「そ、そんなことないぞ?」
冬夜「うちの蒼轟型1隻を使って鍛錬する馬鹿がどこにいる?」
夏月「ここにいるぜ?」
冬夜「海軍独立させようかな」
夏月「それはマジで困る」
冬夜「ならそうするか」
夏月「国が崩壊しちゃう……」
冬夜「そこまでか」
ユミ「上司が部下に逆ハラされてますね」
アマネ「そのうち国が滅んでしまうぞ」
冬夜「何か言ったか?」
ユミ「いいえ、なにも言ってませんよ?」
アマネ「私もだ」
冬夜「ならいいが」
ーーーーーーーーーー
ヘブン「なぜだ、なぜ何もかもうまくいかない……」
フレン「相手は本土での決戦を予定している可能性があります」
ヘブン「それは本当か?」
フレン「わずかにですが手に入れた情報です」
ヘブン「それが本当ならこの国は終わってしまう……」
フレン「降伏が一番の安全策ではあります」
ヘブン「それをしたら恐らく私は死罪になるであろう」
フレン「それは困りますね」
ーーーーーーーーー
冬夜「本土決戦はするのか?」
夏月「本土決戦?するわけないだろ、お金かかるしな」
冬夜「この国はお金にあまり困らないと思うがな」
夏月「とはいってもな、相手がやってきたのに何もお返ししないのもかわいそうだしな」
冬夜「なら一発だけ気化弾ミサイルでも打ち込むか?」
夏月「ありだな、首都にでも落としてやるか」
冬夜「気化弾なら安いし威力も核ほどでもないからな」
夏月「なら早速打ち込むか」
ミサイルはほどなくして発射準備がされた。
夏月「ミサイル発射!」
ミサイルは勢いよく燃焼し、発射台から出てきた。それに夏月は乗り移った。
冬夜「即興で作ったミサイルと発射台だが意外といけるもんなんだな」
発射されたミサイルはすぐさまツーシータ法国へと飛んで行った。
ーーーーーーーーー
ヘブン「ミサイルが飛んできているだと!?」
女E「は、はい……」
ヘブン「ジュリ、それは間違いないんだな…?」
女E「間違いないです……空間感知で見つけたので……」
ヘブン「艦の対空兵器で何とかならんのか……」
ジュリ「あと20秒ぐらいで来ちゃいます……」
フレン「対空兵器では落とせません!」
ヘブン「私たちもここまでか」
ミサイルがヘブンたちがいるところに近づいてきた瞬間上空で爆発した。高度は高かったため地上に被害はほとんどなかった。が、上空から一人おりてきた。
???「やあ、皆さん」
ヘブン「お前は!」
夏月「ユリオン軍主国の国家元帥、沙希春夏月と申します。最後に顔を合わせたのは何時でしたかね?」
ヘブン「なぜおまえは人間以外の奴らを守る!」
ヘブンは怒り狂ったように夏月に問いかけた。
夏月「はぁ、なぜどいつもこいつもそればかり言うんだかな?困ったもんだ」
ヘブン「何がおかしい!」
夏月「何が誰で何であろうとも人の自由だと思うがな、人間様が偉いなんていつの時代のことを話しているんだかな?」
ヘブン「人間は昔からこの地位を築いてきたんだ、それを守り続けなければこの世界は崩壊する!」
夏月「そんなことないだろ……面白味もない理由だな」
ヘブン「侮辱しやがって!!!!!!!!!!」
夏月「相手になってやるぞ?」
ヘブン「望むところだ!」
一休み
ミサイルどうなったんだろうなby冬夜
読んでいただきありがとうございました!
Twitter ryuya726_gunzin 隆哉