2時限目
2時限目は数学。
数学の先生は、茂木俊輔。
この先生は、30代前半。
でも、女子からは「カッコいい!」と評判だ。
だがこの先生は妙に私に近づいてくる。
数学の授業の時も、私が問題を解いていて
わからなくて考えていると、いつも首元に顔を寄せて
耳元で「わからないの?先生が教えてあげる…」と言う。
なんだか気持ち悪い。
授業が終わったあと、生徒指導室に来いだの、資料室に荷物もってってくれだの…
なんでか私にかまってくる。
「今日は教科書の…―」
授業は始まった。
「…っというわけなので、ここの問題を解いてください。時間は10分間」
「はーい」
そして問題を解き始めた。
「松野」
「ん?」
「ココ分かんねぇんだけど…」
この子は、牧野龍。
牧野は茶髪ですごくカッコいい。
牧野は、サッカー部所属で、ファンクラブまである。
「そこは……―」
「うん……」
私は詳しく教えた。
「そういう事か!ありがとな松野っ」
そう言って、ニッと無邪気な可愛らしい笑顔を見せる牧野。
不覚にも少しドキッとしてしまった私。
「どうした?俺に惚れちゃったかにゃ?」
「うっ!うるさいっ!」
私はきっと今顔が赤いだろう。
恥ずかしくて牧野に教科書を押し付けてしまった。
「いって…」
「あっ。ごめん…」
「大丈夫だよ」
「よかった…」
「…………」
「どうした?」
「今の可愛かった……」
「は!?バっ…バカじゃないの!?」
「なんだよ、嬉しいくせに~」
「もーっ!知らない」
「まてまてって。松野ぉ~」
「ふんっ」
私は顔を背けた。
すると茂木先生が来た。
「(気持ちワルっ…)」
すると茂木先生は私の耳元でこう囁いた。
「あやめちゃん?なんで牧野くんなんかに赤くなってるの?先生さみしいなぁ……」
「……」
私は先生を無視した。
「そういうところも可愛いよ」
と言ってリップ音を立てた。
「!?」
「今授業が終わったら資料室に荷物運んでほしいなぁ」
「分かりました」
そう言うと茂木先生は去っていった。
「あやちゃん大丈夫??」
「あぁ。春ちゃん。大丈夫だよ」
私は微笑んだ。
この子は、並木春。
可愛らしい容姿で、とってもいい子。
女子からは「可愛い」と言われ、人気を集めている。
いわゆるロリショタ系だ。
「気をつけてねっ」
「うん!」
そして数学の授業は終わった。
私は先生に言われたとおり、資料室に荷物を持っていった。
すると…
「あやめちゃん」
「はい」
ドンッ
私は壁に追い詰められ、手首を抑えられ、逃げられなくなった。
「先生の気持ち…わかるよね…」
「はぃ?」
「先生ね…あやめちゃんがこの学校に入学してからずっとあやめちゃんを見てきたんだ…」
「……」
何言ってんだコイツ。
「いい?」
「なにがですか?」
「分かってるくせに……」
そういうと茂木先生は急に顔を近づけてきた。
「!?!?」
「……」
「やめて下さい……」
「イヤだよ……」
私の瞳からは、しらないうちに涙が流れていた。
バンッ
「あやちゃん!」
「松野!」
「春ちゃん!牧野!」
「俊輔先生…あやめちゃんになにしてるの…?」
「先生って…そういう事していいの…?」
「なっ…お前らっ…」
「松野!お前は先廊下でてろ!」
「……」
私は震えて動けなかった。
「クソっ…春!松野を頼む!」
「うんっ!」
私は春ちゃんに連れられて、廊下にでた。
「大丈夫?」
「う…うん…」
「気をつけてって言ったのに…」
春ちゃんは、ポンポンと私の頭を撫でてくれた。
その手は大きくて男の子の手だった。
「ありがと…」
「泣きたいならなきなよ…」
「っ…ぅっ…怖かった…」
「もう大丈夫だから…それにあやちゃんには、リツがいるでしょ?」
「うん…っ…」
しばらく資料室から牧野と先生は出てこなかった。
が。
その数分後に二人はでてきた。
なぜか茂木先生は、気絶していた。
「二人ともありがとう」
「うんっ」
「茂木クビだって!よかったな!」
「うん!!」
「松野は少し保健室で休んでろ」
「うん…」
そして二人は教室に戻った。




