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スマイルヒカリ  作者: 真島とも
プロローグ

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第4話 女番長 極道美咲

須磨伊里高校の生徒一覧表

・安井星明 1年3組 生徒会会計

・近藤勇気 1年1組

・浦原黒音 1年1組


・神崎百合 2年1組 生徒会書記


・氷河恋 3年3組 生徒会副会長

・吹雪愛 3年2組 生徒会会長

須磨伊里高校は、決してエリート校などでは無い。


男女関係によるいじめ、教師と女子の恋愛、大人から金を貰う援助交際、他校との暴力事件。


どこの学校にも抱える問題は須磨伊里高校も含まれる。


だが生徒会長の吹雪は、解決策を考えていた。



――生徒会室――



副会長である氷河は吹雪と相談をしていた。



「――生徒達の関係性を調べた所で何も出てくることはなかった。

いじめも援交もしょうもないことしやがる。」



「いじめはともかく、援交は今の女子高生にとっては戦術みたいなものだろう。

何にせよ、どちらも早急に対処しないとな。」




問題行動として一番に多かったのが、援交だ。

体を売ることで女子高生にとっては大金を得る絶好のチャンスである。


だがそれは、社会の信用を失う以上の代償を払う。


体を売った彼女らに、心に価値などは無い。




「会長でさえ頭を悩ませてるって言うのに、肝心の大人は手を差し伸べ無いどころか生徒にまで手を出している。


そういう報告も多い。

特にあのパワハラセクハラ教師の原田 剛(はらた つよ)はやべぇぜ。」



――原田 剛「はらた つよ」――

須磨伊里高校の体育科教師であり、複数の高校を転任して来ている。


彼の体育の授業は生徒の成績を評価4以上を約束している。


故に、その背景には彼の恐ろしい虐待行為があるということは言うまでもない。――




「あの体育教師か……あいつが授業の時は欠席している生徒も多いと言う。」




「だが不満を持つ生徒も当然出てくるが、あの野郎に反抗した生徒のその後は地獄だったぜ。


屋上から飛び降り自殺が多発して進入禁止、流石にやべぇと思ったのか2年間、謹慎処分されたがな。」




「だがもうすぐあいつは開放される。悪夢再来となるか……」




タッッッタッッタッタ!!


2人が話しているうちに誰かがこちらに足早に向かってくる足音がした。



ノ(・)ッ(・)ク(・)も(・)無(・)し(・)にドアを開けたのは一般生徒だった。



「吹雪会長大変です!!氷河副会長もちょうどいいところに!!」



「どうした佐藤、礼儀を欠ける程の緊急事態か。」



「落ち着け、何があったてんだ。」



「そ、それが!校門から、他校の生徒いや、不良グループが複数バイクで乗り込んできました!!」




「何?」




2人は窓を覗くと、校門前に不良達が集っていた。



――校門前――



「オラァ!!この学校の男はみなチキン野郎ばっかか!?」



「女が多いからって調子こいてんじゃねえぞゴラァ!!」



彼らの高校は、須磨伊里高校から数km離れた場所にある「露苦出無子(ろくでなし)高校」


暴力沙汰、売春行為、問題児以上の問題児が集う高校である。



「ゴラァ!!てめぇらのとこの生徒が随分とお世話になったみてぇじゃねえか!!


そいつを連れてこいやぁ!!」





――生徒会室――



「我が校の生徒がお世話になっただと?」



「ちっ、んなもんあんな所に手出す奴なんか1人しかいねぇだろうが。」



「あ!!誰か1人出てきました!!」




出てきたのは男子生徒だった。




――数分前――



騒ぎは当然、星明達の耳に入る。



星明と近藤は食堂にいた。



「俺は行くぜ。」



「バカ!!待て!!お前1人行ったところで返り討ちに会うだけだ!!」



「止めるな星明!!他に止める人がいなければ、俺だけでも行く!!


……それに、ここで決めれりゃ黒音にかっこいい所見せれるしな。待っていたんだよ、こういうシチュエーションをよ!!」



「お前まだ黒音の事を諦めていないのか!!とにかく落ち着け!!やられた姿だけでもかっこ悪いぞ!!」




必死に近藤を止めようとするが、止めることはできなかった。


星明はそれでも近藤の後を追った。――



――校門前――



「あ?1人こちらに来るぞ。」



「なんだテメェゴラァ!!テメェがやったのかゴラァ!!」





近藤は、恐怖していた。



「(ダメだ怖いチビりそうだ……けど、黒音が見ている以上逃げるなんてダサい真似はしねぇ!!近藤勇気、漢見せる時が今だ!!)」



近藤は大きく息を吸って叫んだ。



「俺の名は近藤勇気!!不良のお前達からか弱い女子を守る為に!!俺はここに来た!!」




すぐ後ろから星明が連れ戻そうとやってきた。



「バカ!!相手を見ろ!!明らかにお前よりガタイがいいやつらばかりじゃねえか!!やられるのがオチだ!!戻るぞ!!」



必死に連れ戻そうとするも、近藤は腕を組んだまま動かない。



「どうした!!さっきまでの威勢はどこいった!!暴走族ともあろうものがひよってしまったのか!?」



「んだとゴラァ殺されてぇのかぁ!?!?」



「これ以上煽るな!!俺はお前のボコボコにされた姿見たくねえ!!」



ブォォロロロォォォン!!!



不良の1人がバイクを鳴らした。



「度胸のあるやつもいるじゃねえか、もう1人の方は立ち向かおうともしないチキン野郎見てえだがな!!」




「あいつから真っ先に殺っちまうぞ!!てめぇのようなヒヨっ子は女1人も守ることが出来ねえ女運のねぇ彼(・)女(・)無(・)し(・)の(・)童(・)貞(・)だからなぁ!!!」





その言葉を聞いた瞬間に、星明は止まった。



「星明?どうした?」




「今、お前らなんつった……!!」



星明は、どこか地雷を踏まれたのか、怒りが湧いていた。


怒っている星明を見た近藤は少し驚いた。



「やるか?星明、一緒に暴れるか?」



「当然、あいつらボコボコにしてやる。」――





――案の定、返り討ちにされた近藤と星明。



だが、何人かは倒すことができたようだ。



「よくもまあ暴れてくれたじゃねえか。ぁぁん!?楽して殺しはしねえぞゴラァ!!」



頭を掴まれる星明、倒れている近藤は気を失っていた。



「て、てめぇらなんかくたばって当然のクズだ。日々暴れる事しか脳が無いから、周りから恵まれずにいるんだ。



……そんなお前らに!!彼女達に指一本も触れさせねえ!!」



「こいつ……目が諦めていねぇ!!いい度胸じゃねえか!!気が済むまでボコボコにしてやるぁ!!」




トドメを刺そうとした時、バイクの音が鳴ってきた。



「なっ……なんだ一体……」――




――生徒会室――



一部始終を見ていた吹雪達。



「ちっ、星明達を助けに行くか。」



氷河は動こうとするが、吹雪は止めた。



「待て、なにか来るぞ。」




ブロロン!!ブロンブロロン!!



「あ?別の暴走族……っは!!とうとう来やがった。須磨伊里(うちら)の問題児がよ!!」



――校門前――



鳴り響くたくさんのバイクの音。



蔓延る不良達の背後から、別の暴走族が突撃してきた。



「邪魔だ邪魔だオラァ!!」



「他所のもんが出しゃばってんじゃねえぞ!!」



その暴走族は女子だけで構成された「レディース」と呼ばれるグループである。



「な!なんだテメェ……グヘッ!!」



バキッ!!ドコッ!!



次々と倒していくレディース達、露苦出無子高校の筆頭らしき人物だけ残った。


「てめぇら!!女ごときにやられてんじゃねえぞ!!俺がやる!!」



「ふーん。あんたが大将かい?いい男じゃん。」



レディースの中から、金髪の女子が出てきた。



「お前がスケバンか?随分といい度胸じゃねえかよ。」



彼女はじーっと見つめた。



「ん?……なんだお前、全然下っ端だろ。」



「は?何言って……」ドガッ!!!!




ドサッ!!……




彼女は脳天に回し蹴りを決めた。


不良はそのまま地面に倒れて、気絶した。



「勝負ありっす姉貴!!毎度姉貴の蹴りは惚れ惚れするっすよ!!」




「露苦出無子の奴らのトップはこんなもんじゃねえよ。筆頭と名乗るだけあって一撃で伸びやがって……


おいてめぇら!!倒れてるヤツら全員連れて帰りな!!次手ェ出した時は殺す!!


てめぇらのとこのボスに伝えておきな!!



この学校の姫(・)達(・)に手を出せば





極道 美咲(ごくどう みさき)が容赦しないってな!!」――





――露苦出無子高校の不良達は去っていった。



「姉貴!!ようやく場は落ち着いたっす!!」



「そうか、じゃあ全員散りな!!音娘(おとこ)は私と残れ。」




美咲は、相棒の許斐 音娘(このみ おとこ)と共に活動している。



音娘はポニーテールの黒マスクが特徴的で、喧嘩の腕は美咲の次に強い、



「おいオス2人目え覚ませ!!美咲さんの前だぞゴラァ!!」



音娘は倒れていた星明と近藤を起こす。



「お前ら2人があいつらに立ち向かったのか?」



美咲は星明の視線に合わせてしゃがんで話す。



「あ、あなた達は……」




「うちらのことはどうでもいい。それより、てめぇら2人何みっともねえ姿見せてんだコラ!!」



ドッ!!ドッ!!



美咲は星明と近藤を殴った。




「てめぇら揃いも揃ってあいつら相手に何やられてんだよ!!」



「すっすいません!!自分は喧嘩弱くてすぐやられて……けど星明は!!あいつは倒れなかったんだ!!」




「つっても伸びてたじゃねぇかよ。美咲さん前に虚勢はって恥ずかしくねえのかよ!!」




「やめろ!!近藤に手を出すな。そいつは喧嘩には弱い。」



「何も分かってねえなこのタコ、お前も、あいつもどっちも弱えんだよ。


女子に守られてちゃあ、てめぇら男じゃねえんだよ!!



守るべき女子に守られて、男なら女後ろで敵を前にした時には倒さなくちゃならねぇんだよ!!」




「だけど……俺達はあんた達が来るまで時間を稼いだ!!結果的に守れた!!」




「星明って言ったか?お前、そうやって言い訳し続けて自分の弱さに向き合わないのか?


お前、彼女いねぇだろ。だからそうやって自分の弱さを肯定して誰かに助けてもらう。」




星明は、地雷を踏まれたかのように、怒りが込み上げてきた。



「なんだ……と?」



「図星かよ、呆れたもんだぜ。そんな甘ちゃんの星明くんに一つ教えてあげる。



てめぇら男子共が弱すぎるから!!私ら女で戦ってんだよ!!女に戦わせる男なんざ男じゃねえ!!


この学校の姫達を舐めるんじゃねえよ。」




……星明は何も言い返せなかった。


美咲の言う通り、元女子校とはいえ、男性教師でさえも周辺の不良グループから生徒を守りきれず、レディースが誕生した。



だが近年、共学化した事で男子生徒も加入したが、それでもレディース以上の活躍をしてくれることはなかった。




……美咲は星明の襟元のバッジを見る。




「お前、生徒会役員か?」





「だったら何なんだ……俺はただ……」



「いい加減にしろ美咲、そいつは私の大事な役員だ。」



吹雪と氷河がやってきた。



「これ以上そいつら虐めんのはやめろ。弱え奴殴って何になるってんだ。」



「言ってくれるじゃねえか、美咲さんに向かってよ!!」



ガシッ!!



殴りかかる許斐の拳を氷河は受け止める。



「お前らが来る前に俺は動こうとしただけだ。男子の中で美咲に勝てるやつなんざ俺以外にいねぇよ。」



「だったら何で私らに戦わせた。弱体化でもしたのかよ。」



「許斐、てめえ今なんて言った……!!」




「やめてください!!」



許斐の前に、星明が出た。



「どけ星明!!俺は女を殴ったりはしねえ!!」




「退きません!!氷河副会長は今、彼女の怯えに気づいていない!!」



「星明テメェ……守ったフリしてんじゃねえよ。氷河には勝てるわけねえだろう。」




「それでも、俺はっ……!!」ドサッ……




星明は再び気を失ってしまった。




「もういいだろう。氷河、この2人を保健室へ。


美咲、あなたと少し話がしたい。」




「今後の方針に着いて話そうってか?」



「そうだ。帰ってきたということは私に何か伝えたいことがあったのだろう。」



「へえ、どうやら今(・)回(・)の会長様は一味違うみたいだ。」



そうして、美咲と吹雪は生徒会室へ。


氷河は近藤を、許斐は星明を担いで保健室に向かった。

須磨伊里高校の生徒一覧表

・安井星明 1年3組 生徒会会計

・近藤勇気 1年1組

・浦原黒音 1年1組


・神崎百合 2年1組 生徒会書記

・許斐音娘 2年5組 レディース副総長


・氷河恋 3年3組 生徒会副会長

・吹雪愛 3年2組 生徒会会長


・極道美咲 ??? レディース総長

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