第22話 対面
巨大離島リゾートに合宿に来た星明達、そこで出会ったお嬢様学校「桜ノ宮高校」の生徒「白咲 日和」と出会う。
だが、リゾート地には須磨伊里高校の暴走族レディースが自警団で来ており、さらに、白咲は露苦出無子高校の筆頭「金剛 力」の彼女だった。
合宿を無事に終えるには、星明と白咲が鍵となるだろう。
合宿2日目、星明は白咲から護衛役を任された。だが、相手は露苦出無子高校の不良だ。
星明に、勝ち目はあるのかと、慎重にならざるを得なかった。
「もし、もしもーし……星明君?そんなに緊張しては奴らにバレてしまいますよ?」
「あのなあ白咲……」
星明が名前を呼ぼうとした時、白咲は口を塞いだ。
「今は彼氏なのですから、日和と、呼んでください。私も名前で呼ばれる方が嬉しいですから。」
「そ、それじゃあ日和、急にボディガードしてくれだなんてやっぱり無理だ。俺は喧嘩は強くないし、相手は強いんだろ??」
「それは困りましたね……どうにも私を守ってくださる人がいないようで、私の身が酷いことされても良いという……」
「分かった分かった!!毎回その演技っぽい癖やめろ!!」
星明は渋々付き合う中、白咲は遠くの砂浜で引導達を目撃する。
「……っ!!星明君すぐにここから離れましょう。」
「うおい!!どうした急に!!」
白咲は星明の手を引っ張って駆け足でホテルエリアに移動した。――
――ホテルエリア――
明るい時間帯でも、人は多い。ビーチと違って隠れられる所も多いから、逃げるにはうってつけだ。
「もういいだろ日和、敵に見つかったのか!?」
「いいえ、かろうじてだと思います。目撃したのは引導達、引導グループです。」
露苦出無子高校の勢力は3つに別れているが
引導グループと、晒野グループが今勢力争いを繰り広げている。
もう1つの鬼道院グループは、金剛に忠誠を誓っているが、引導と晒野は敵対している。
「引導は特に卑劣な手段で実力をつけてきたずる賢い人です。間違っても彼に捕まることだけは……」
白咲は少し怯えているのが、繋いでいる手から伝わってくる。金剛という盾を失った以上、白咲に手を出したところで金剛とは無関係だから、必ず酷いことをされるに違いない。
日和が何をしたと言うんだ、美しいお嬢様ってだけで奴らから狙われる。金剛は日和を間接的に守っていたのかもしれない。
「日和、こうなっている以上はホテルに籠って引率教員に相談した方がいい。やっぱり危険すぎる!!」
「それは出来ません。桜ノ宮高校は放任主義ですから、合宿で起きた問題は目もくれません。」
「クソッ!!どこも大人は役に立たねえな!!」
立ち止まる白咲達の姿を、鬼道院達が発見した。
「鬼道院さん、あれ白咲さんじゃないっすか?男も一緒にいますぜ。」
「あれは恐らく、星明って男だ。間違いない、すぐに連れて行け。」
手下は星明を誘拐しようと接近した。
「……!!星明君危ない!!」
「しまった!!外れてしまった!!」
白咲が星明を庇ったおかげで、手下は白咲を捕らえてしまった。
「おい!!何をするんだお前ら!!彼女を離せ!!」
「す、すみません白咲さん!!手を出すつもりは……」
「……星明君戦ってはダメです!!この人達は金剛さんの最強のグループ、鬼道院さんの手下です!!あなたに勝ち目はありません!!」
「だからと言って、放って逃げる事なんか出来ねえよ!!彼女を離せ!!」
星明は手下達に向かって白咲を離そうとするが鬼道院が星明を掴んだ。
「いい度胸してんじゃねえか、星明って言ったな。お前に用がある。」
「何だと……俺はお前らに用なんかない!!日和を離せ!!」
「お前らいい加減彼女を解放しやがれ!!手を出すなって言ったのを忘れたのか!!」
「す、すみませんでした!!」
白咲は解放される。
「待て!!俺1人だけだと日和が危ない!!彼女も一緒に連れて行け!!」
「彼女を敵の懐に連れていく方が危ないんじゃねえのか?」
「いいや、お前らなら日和を傷付けるような人じゃない……」
鬼道院は星明に膝蹴りを入れた。
「お前じゃなく、鬼道院さんだ。口の利き方には気をつけろ。」
星明は気を失い、2人は鬼道院達に金剛の所へ連行された。――
――星明は目を覚ますと、椅子に縛り付けられていた。
「ここは!?日和、日和はどこだ!!」
「落ち着け星明、彼女ならそこで待機している。」
鬼道院が指した方向に、ベットに座っている白咲を見て、星明は少し安心した。
「……それで、なんで俺が縛られているんだ。2回目だぞ。」
「逃げられないように念の為だ。金剛さんが来るまで少し我慢しろ。」
数秒後、部屋に戻ってきた金剛は、飲み物を持ってきた。
「ごめんごめん、どれが好みか分からなかったからお茶しか用意出来なかった。……へぇー、君が日和の言っていた星明君か。」
金剛は星明をじっくり観察する。
「な、なんだこの人は。この人が金剛さんなのか……!?」
「自己紹介が遅れたね、俺は金剛 力。後は君が知っている通り、露苦出無子高校のリーダーだ。」
「随分と日和の事を大事にしてるみたいだな。」
「彼女は仲間がバカやらかした所を俺が助けたんだ。俺は罪のない日和を守るために、彼氏になったんだ。」
鬼道院は星明の縄を解く。
「さぁて星明、お前の実力を見せてもらおうか。どれ程の男かを自分の手で確かめようじゃないか。」
金剛はゲームコントローラーを星明に渡す。
「え?これってゲームじゃ……」
「誰が喧嘩で金剛さんに勝てるんだ。金剛さんはいつも「大乱闘スマッシュモンスターズ」で相手を見極めてるんだよ。」
金剛は鋭い目で星明に宣戦布告する。
「勝負しろや星明、日和を守れる男かどうか見極めてやる。」
「こんなんで分かるものなのか……?」
スマッシュモンスターズ、略してスマモンをプレイしたことはあるが、とても面白くやり込んでいたゲームだ。自信はある。
「得意なキャラで全力で勝負しろ!!俺はガチだからな!!後悔するなよ星明!!」
こうして、2人のスマモン対決が始まった――
――結果は、星明の全勝だ。
「……マジかよ、1度も倒されずに3タテしやがった……」
「ぶわっはっはっは!!金剛さん弱すぎだろ!!」
驚いたのはこっちだ、どれだけ強いのかと思ったら想像していたよりも動きが単純で、即死コンボが決まりやすいほど弱かった。
「えっと金剛さん?こんなんで俺の実力を知ったのか??」
「ちっ、しょうがねえから認めてやるよ。俺が1度も撃墜出来なかったのはあんたが初めてだぜ。」
余程のゲーム好きだろうか、金剛さんは勝負している時、画面にすごい集中している。相手の動きを読もうと真剣なんだろう。
「金剛さん、よかったらまた対決しませんか??金剛さんの攻め方は悪くなかった、隙さえ改善出来れば誰にでも勝てると思う。」
「ほ、本当か!?俺はずっと鬼道院とやっているが一向に勝てないんだ!!下の奴らにも負けてパシられるし。」
「だったらこれからは仕返し出来るな!!」
「マジかよ星明!!お前を気に入ったぜ!!ダチとして認めてやるよ!!」
「ん?ダチ……?友達??」
「ああそうだよ、お前はもう俺の大切なダチだ。困ったことがあれば何でも頼ってくれ!!」
あっさりしすぎているが、俺は金剛さんに友達として認められたらしい。
美咲さんに報告すれば、驚くだろうか。
「おい星明、良かったじゃねえか。金剛さんに認められるなんて相当だぞ?」
「ゲームで勝っただけだ。それに、俺は大した人間じゃない。」
「そう謙虚になるなって!!お前は良い奴だから、悩みを聞いてやるよ、言ってみな!!」
「……だったら合宿終了まで、日和を守ってくれないか。」
「悪いな星明、それだけは出来ねえ。」
星明の頼みを断る金剛、一瞬でも心強いと思った星明の希望は、瞬く間に崩れてしまった。




