第20話 一難去ってまた一難
巨大離島リゾートに合宿に来た星明達、そこで出会ったお嬢様学校「桜ノ宮高校」の生徒「白咲 日和」と出会う。
だが、リゾート地には須磨伊里高校の暴走族レディースが自警団で来ており、さらに、白咲は露苦出無子高校の筆頭「金剛 力」の彼女だった。
合宿を無事に終えるには、星明と白咲が鍵となるだろう。
22時、ホテルに戻った星明、部屋に入った瞬間、星明は誰かに縛られる。
「ちょっ!!なんだいきなり!!おい!!」
星明は縄で両手を縛り付けられ、椅子に拘束される。
「ではこれより、ナンパ師「安井 星明」に尋問を行う。」
首謀者は信の様だった。後ろには近藤が縄を縛り付けていた。
「お前らなんの真似だこれは!!」
「じっとしてろ、尋問はすぐに終わる。近藤勇気、彼の犯した罪を述べよ。」
「はい!!彼、安井星明はビーチで絡まれている女子を助け、連絡先を交換し、その後2人でリゾート地を夜遅くまで巡りました。
よって!!彼は死刑に値すべきです!!」
「バカ2人何ふざけてんだ!!いいからほどけ!!」
「被告人は黙っていなさい!!星明君が我々を置いていき、彼女とデートをしたという、挙句の果てには一夜共にしたという噂が!!」
「待て先走りすぎだ!!白咲さんとはそこまで行ってない!!」
「ほうそれはどうかな?彼女はお嬢様であると言っていた。本当に手を出していないのか確かめようじゃないか。」
信は星明のズボンを下ろそうとする。
「おい、何をする気だ一体!!」
「検査だよ、検尿だ。男はそういう行為をした時、必ず尿に特殊な成分が含まれている!!じっくりと調査させてもらうぜ。」
「ば、バカやめろ!!俺にそんな趣味は……!!」
――バァン!!
信が星明のズボンを掴んだ時、誰かがドアを勢いよく開けた。
「おいコラァ!!この部屋に高橋 信ってやつはいるかぁ!?」
「なっ!!なんだ一体!!」
「げっ!?レディースの奴だ!!」
部屋にやってきたのは許斐だった。
「なんだ星明この部屋だったのかよ、って何してんだよお前ら……」
「ちょっ!!誤解です!!俺が戻った途端にこのバカ共が!!」
「んな事は置いといて、お前ら、女風呂に何か仕込みやがったな??」
許斐は証拠の機材を持ってきていた。
「なっ!?これは俺たちは何も知らねえ!!無関係だ!!」
「そ、そうだ!!俺たちはずっとビーチサイドエリアにいたし、そんなことをする暇はねえ!!」
……ま、まずいぞ!!よりにもよってレディースに隠しカメラの存在がバレてしまった!!公になれば俺たちは殺される……!!
「おい信、何をそんなに汗かいてんだよ。」
「ほ、星明、これはあれだ!!暑いんだ!!6月でも十分に暑い、そうだろ!!」
「まあ、否定するならしたらいい、ここの監視カメラの映像は全て、うちらが管理してんだよ。」
「……信、これは逃れようがないぞ……」
罪を認めようとする近藤、対して罪を認めない信、証拠も上がっている状態ではこの2人の罪はますます大きくなるだろう。
「ちょ、ちょっと待ってください!!」
星明は突然声を上げた。
「な、なんだよ星明……」
「そのカメラは俺が用意したものだ!!」
「は!?何言ってんだ星明!!お前は何もしてねえだろ!!」
「星明、どういうつもりだ??」
「近藤と信は俺に言われた通り動いただけだ!!俺が覗きをしようと計画し、そいつらに実行させただけだ!!この2人は無罪だ!!真犯人は俺だ!!」
星明は堂々と自白した。だが、彼の言っていることは全て嘘である。
「おい星明、どういうつもりかは知らねえが庇おうってんなら無理があるぜ?」
「う、嘘では無い!!俺が計画したんだ!!ちゃんと証拠もある!!」
星明のポケットから紙のようなものが落ちた。
「何だこれ……」
許斐は紙を拾うと、そこには星明の言っていた通りの計画が書かれていた。
「てめ、星明お前マジかよ……」
「ち、違うぞ許斐さん!!星明は本当に何もやっていない!!俺たちが実行犯だ!!」
「黙ってろ近藤!!その紙がある以上、俺が真犯人だ!!」
「星明……お前……」
星明は真剣な目で許斐を見る、今の彼には嘘をついてるとは思えない程に、その気迫が許斐にも伝わり、星明の本気度が彼女を凌駕した。
「ほ、星明……本当に、お前が犯人なのかよ。」
「ああそうだ!!俺が犯人だから、こいつらに拘束されて、許斐さんらの所に差し出そうとされていたところだ!!」
星明の本気の自白、証拠の紙とカメラ。とても演技とは思えないほどの気迫だった。
だが、許斐のどこかに、星明への信頼があったのか、決断を下した。
「……分かったよ、お前が犯人ってことにしといてやる。今度やったらタダじゃおかねえからな!!近藤と高橋!!お前らは星明に感謝するんだな!!」
許斐は罪を大目に見て、部屋を出ていった。
「たくっ……星明の野郎、なかなかすげぇ度胸持ってやがるぜ。」――
――信は星明の縄を解き、解放する。
「す、すまねえ星明……本当に無実なのになんで庇ったんだよ。」
「全く、今回は本当に備えておいてよかった。お前らが風呂で盗撮する事なんて容易に思い浮かんだから、万が一バレた時に罪が俺に被るように、適当に書いた証拠の紙を持っていたんだよ。」
「いや星明、それは普通思いつかないぞ……てか、なんで罪を被ったんだよ。」
「どうせナンパに失敗した腹いせで、何か仕掛けてくるのは考えてた。実際その通り過ぎて焦ったけどな。
とにかく、これで貸し借りは無しだ。こんなバカなことやってたら、本当に女は掴めねえぞ。」
「星明……すまねえ!!俺が悪かった!!」
「信だけじゃねえ!!星明、俺も有罪だ、気が済むまでぶん殴れ!!」
2人は星明に土下座して謝罪した。
「今はそういうのはいいから、とりあえず温泉、入ろうぜ。」
星明にとってはこの2人をそのまま許斐に連れていかれても良かったが、友情があったのか、2人を見捨てることはできなかった。――
――温泉――
離島リゾートには幾つもの温泉が湧いている。その効能は浸かった人のありとあらゆる傷を癒す程、効果は絶大である。
――ザッパァァン!!
「かぁぁぁ!!癒されるぜえ。」
「本当だ、すごく心地いいな!!」
「全くだ、さっきまで殺されそうな状況だったのが嘘のようだ。」
3人は共に肩まで深く浸かっている。
「本当に、温泉は最高だね!!」
「……ん?この声は、って黒音!?」
「なっ!?」
3人は一斉に驚き、溺れかける。
「ぶはっ……黒音!!何でここにいるんだ!!男風呂だぞ!!」
「何言ってるの??22時以降は露天風呂は混浴に変わるんだよ!!」
「そ、そんな……!!そういえば確かに、周りにちらほら女性も確かにいる……気づかなかった!!」
「それより、タオルしてないけど大丈夫なの??隠した方がいいんじゃない?」
近藤と信は、タオルを巻いていなかった。
「いや……これはだって予想外だったし!!ちくしょう!!」
信は急いで風呂から上がり、脱衣場に向かっていった。
「……信はともかく、近藤マジでどうすんだよ。」
「お、俺は……黒音の事が好きだ。だから、俺の気持ちには嘘をつけないし、体も嘘をつけない。」
「こ、近藤??正気か?頭のぼせたか?」
「覚悟しろ黒音、こんな絶好の機会は2度とお目にかかることはないぞ!!」
「絶好じゃなくて絶交の機会の間違いなんじゃないのか?」
「いいか黒音!!これが、男近藤勇気の、象徴だ!!」
近藤は堂々と立ち上がり、腰に手を添え、完全状態となった立派にそびえ立つ輝かしいものを、黒音に見せつけた。
ただ、近藤の目には涙が溢れ出ていた。
「わお……すごいね。」
黒音はしっかりと目に焼き付け、少し顔が赤くなった。
「見るな惹かれるな黒音!!これ以上は本当に色々と危ない!!」
星明はすぐに近藤を浸からせて、桶で隠した。
「しょうがないなもう♡こうなったら私も堂々としないと失礼だよね。」
黒音は巻いていたタオルを解き、その姿を星明達に見せた。
「……不覚」
近藤と星明は、鼻血を吹き出し、気絶してしまった。




