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悪の秘密結社は今日も平和です!  作者: ぽんすけ
二章

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24/34

シンプルに銃火器はずるいじゃない





「いや〜……困りましたわね」

「困りましたね」



頑丈なロープで体を縛られてしまったボスは、同じ状態で隣に座る二号君と共に真顔でそう呟いた。

いやいやとても困った。

何が困ったって、乱入してきた武装集団の準備の良さだ。

どうやら襲撃グループは彼らだけではないようで、既にスタジアム内の全てのエリアを制圧済。

電波を阻害する装置と傍受装置で通信対策はばっちり、出入口ゲートのシャッターを下ろされ、スタジアム内は完全な要塞となっているらしい。

またその上で、人質の携帯電話やスマートウォッチ等は全て回収……見張りの居る別室にまとめて保管し、全ての人質をロープで拘束した。

一言言わせて欲しい。

あまりにも手際が良すぎるッ……!!

普段の自分達のグダグダ具合を思い返し、ボスは死んだ目で武装集団の背中を見つめる。

悪党の親玉としての面目が丸潰れだ。



「どー見ても素人ちゃいますなぁ……。それにあの銃火器類」

「……ああ。どうやって手に入れたんだ?」



二十人を超える集団全員が完全武装しても余りある装備……違法ルートでの入手は間違いないだろうが、それにしても莫大な金がかかったはず。

奴らにそれほどの資金力があるのだろうか?

仮にあったとして、ならばこのような行動を起こした目的は?

今のところ謎が多すぎる。

よって、敵の数も把握出来ていない現状、いくらボスと言えど大人しく拘束されていた方が賢明なのである。

………決して突き付けられたライフルにビビり散らかした……なんてダサい理由じゃない。

違うったら違うのだ。



「……よし、作戦を次の段階に進めよう。各自、ぬかるなよ」

『ラジャーッ!!』



リーダーからの指示を受け、集まっていた武装集団の内、五名がどこかへと向かって行った。

そして残った連中はステージから観客席に降り、三人一組で巡回を始める。

いつの間にか二階席三階席にも奴らの仲間が集合しており、同じように巡回を行っていた。



「……あなた達、何が目的なの?」



センターの女の子………確かルーシィという名前の美少女が、顔を強ばらせながら武装集団のリーダーに問うた。



「金……と言いたいところだが、今回はあくまでオマケだ」

「へぇ〜……じゃあ本当の目的は別にあるんだ」

「その通り。まぁそっちまでお前らに教える義理はねぇけどな」



一切の油断を見せず、視線だけ向けてそう答えた武装集団のリーダー。

纏う雰囲気の異質さは只者では無い。

ゴクリとルーシィの喉が僅かに動く。



「……どないしましょ、ファントムはん」

「ふっふっふっ、まぁ任せなって。こっちには秘密兵器があるんだ」



何も状況に甘んじてこのまま拘束されているつもりは毛頭ない。

密かに笑みを浮かべたボスは、あぐらをかいたままつま先でコツコツ……と自分の影を叩いた。





          ◇◆◇◆◇◆





同時刻。

閉鎖されたスタジアムを囲むようにして、通報を受けた警察とヒーロー達が集まっていた。

正面ゲート前には三英傑の一人、マッスルマンと複数の上位ヒーローが待機。

またイナズマを筆頭とした機動隊が裏口からの侵入を試みているが、現状その作戦は実行にまで至っていない。

シンプルに人質が多すぎるからだ。

スタジアム全体に分散した人質の安全性を確保した上で、総数の分からない武装集団を全て無力化するなど、残念ながら不可能に等しい。

特に機動隊の出動に対しては中々許可が降りていなかった。



「……奴らからの要求は?」



対策本部にて、戻ったイナズマが溜息をつきながら指揮官に問う。



「何も無い。不気味なことにな……。ただ、"ショーを楽しんでいけ"と、リーダーらしき人物が通信を寄越しただけだ」

「"ショー"か……。奴らにとってこれは、単なる遊びだとでも言うのか?」

「分からん」



対策本部に流れる空気は重い。

言うまでもなく、全ての面において手詰まりだからだ。

シャッターの降りたスタジアムは完全に要塞。

人質、武装集団共に数知れず、交渉しようにも向こうからの一方的な通信以外に何も受け付ける様子はない。

どうしたものか……。

正面のスクリーンに映し出されたスタジアムの外観を、イナズマが厳しい視線で見つめていると。



「はい、はい……かしこまりました。……あの、イナズマ殿」

「なんだ?」

「えっと………ヒーロー協会の会長殿からお電話です」

「む。そうか、代わろう」



思わぬ重鎮からの連絡に対策本部の人々がザワつく。

受話器を受け取ったイナズマは、耳を当ててしばらくの間、向こう側から流れてくる情報だけに集中した。

そして、目を見開く。

バッ!とスクリーンのスタジアムに勢いよく視線を移したイナズマに、周囲から戸惑いの目が集まるが、当の本人は一切気にせず、高速で思考を巡らせている。



「……分かった。聞きたいことは山ほどあるがな」



頭痛を堪えるように額に手を当てるイナズマ。

受話器の向こうから快活な笑い声が響いてくる。

イナズマは即行で電話を切った。



「……総員に伝えてくれ」

「何と?」

「必ず明確な"合図"がある。それが突入開始のタイミングだ」






そりゃあいくらボスでも、銃を突き付けられたら大人しく従うしかありませんよ……。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

誤字脱字報告、感想等やブクマ、評価など、ぜひともよろしくお願いします!!(*^^*)









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