最終決戦!未来はこの手の中に!
「「………」」
無言で何かを見つめる、ボスとソアレ。
片や戸惑いを隠せず乾いた笑みを浮かべており、もう片や興味深そうに「ほう……」と顎に手を添えている。
珍しく新しい発明品の試用を二人で行い、仲良く爆破オチした帰り道のことだった。
ボスとソアレは、道のど真ん中にうつ伏せで倒れた人間を見つけたのだ。
身長は大してボスと変わらない。
まず酔っ払いではないだろう。
何故なら……。
「いや、止まるんじゃねぇぞ……かよ」
ボスから鋭いツッコミが入る。
そう、なんとその倒れていた人物は、見るも無惨なボロボロ具合だったのだ。
洒落たジャケットは擦り切れ、顔や手の甲など露出している部分は軒並み切り傷や擦り傷を負って血が滲んでいた。
そして何かを掴もうとしたのか、左腕が前方に伸びた状態で固まっている。
まるで某団長の散り際を再現したかのようだった。
どこからともなく例の曲が聞こえてきた気がした。
「………ん……あ、ああ……ちょうど良かった……。そこの兄ちゃん、ちょっと肩を貸してくれないか……?」
「はいよ」
倒れていた青年が目を覚ましたようだ。
のっそりと体を起こして辺りを見回し、ボスを見つけて手招いた。
さすがに放っとけないので、ボスは言われた通り肩を貸して青年を起き上がらせる。
近付いて初めて気が付いたが、この男は以前、アニマが最終フォームに覚醒した際に、彼を勇気づけていた仲間の一人だった。
ボスの推測からするに三号枠だと思われる。
「すまないが、一つ頼まれてくれないか……」
「もちのろんよ。ここまで来たら最後まで見届けるしかないっしょ」
ボス、男らしくサムズアップ。
さすがに闇堕ちフォームからの最終フォーム覚醒まで見せられてしまっては、続きが気になってしょうがない。
ここで無視したら特撮ファンの名が廃るというもの。
ボスは二つ返事でOKした。
「ありがとう……。〇〇広場まで行きたい。そこに、あいつが居るはずなんだ」
そう言い残し、青年はまた気絶してしまった。
都内にそびえるスポーツスタジアムに隣接した、大きな広場。
そこが決戦の地らしい。
「……これが、ボスの言っていた"面白いこと"かい?」
「そ。しかも今回はあれだぞ、たぶん最終決戦回だぞ」
「本当に好きだねぇ、君は」
ソアレはやれやれと肩をすくませる。
未だに男児の精神を忘れないボスに呆れつつ、しかしそういう所が見ていて楽しいのだろう。
クスリと微笑みながら懐から取り出したスイッチを押すと、ソアレが羽織った白衣の隙間から二本のアームが伸びてきた。
クレーンゲームを彷彿とさせるそれは、ボスが担いでいた男を掴んで持ち上げる。
「お、サンキュー」
「どういたしまして。それじゃあ、彼の言っていた目的地に向かうとしようか」
ボスとソアレは、すぐさま道を調べて目的の広場に向かうのだった。
◇◆◇◆◇◆
「ぐっ……!」
「はははっ!どうしました!?"無敵の宝石"とは、随分と笑わせる過大評価ですねぇ!」
"ウルティマ・クリスタル"に変身したアニマが殴り飛ばされる。
地を転がり、何とか体勢を立て直した彼の下に大きな影が差した。
咄嗟に身を躱すと、一拍遅れて鈍い光を放つ大剣が振り下ろされた。
凄まじい衝撃と共に砂煙が巻き上がる。
「はあっ!」
「なんのっ!」
虹色のクリスタルを纏った拳を、漆黒のオーラを纏った腕が受け止める。
力は互角。
衝突したエネルギーがゴリゴリとせめぎ合っている。
砂煙が晴れて姿を現したのは、金色と漆黒の配色がなされたガタイの良い怪人だった。
西洋の騎士甲冑を思わせる洗練されたデザインのボディに、ギラリと輝く真紅の双眸。
メガネを想起させる突起が目の周りにあり、装備した大剣は無骨で飾りっ気は皆無だ。
全体的にシンプルな設計ながら、感じる圧力は明確に鎧武者怪人を上回っていた。
おそらくコイツこそ敵組織のラスボスに位置する怪人なのだろう。
甲冑に身を包んだ怪人は大剣を振り払ってアニマを弾き飛ばすと、力強い踏み込みで離れかけたアニマとの間合いを一気に潰した。
「はっはァ!!」
思いっきり薙ぎ払われた大剣が虹色の宝石を砕き、その切っ先がアニマの脇腹に直接めり込む。
「ぐぅ……!」
火花が散り仰け反ったアニマだが、すぐさま甲冑怪人を睨みカウンターのハイキックをぶち込む。
今度は甲冑怪人がよろめいた。
直前に左腕でガードしたものの、あまりの威力に腕が痺れてしまったようだ。
どちらも一歩も引かない近接戦闘が繰り広げられる。
「どれだけ抵抗しても無駄ですよ!何故それが分からないのですか!?」
素早い斬撃で虹色の宝石を砕き、アニマの胸装甲を切り裂く。
火花が飛び散り、アニマは後退を余儀なくされた。
よろよろと後ずさり、片膝をつく。
「ぐっ、はぁ……はぁ……」
「言ったでしょう?私が得たこの力は【破壊】を司る……君の"無敵の宝石"とて、その性質を無視して砕くことが可能。君に勝ち目はありません」
ウルティマ・クリスタルが生成する虹色の宝石には、「変身者が希望を失わない限り決して砕けない」という特性がある。
しかし甲冑怪人が得た【破壊】の力は、それすらも無視してあらゆるものを壊す、まさに破壊の権化と言うにふさわしい超常的な力なのだ。
ウルティマ・クリスタルにとっては、強みを完全に潰される天敵のような相手と言えよう。
「同じ力を手に入れた君ならば理解出来るでしょう。決して、【破壊】の力に打ち勝つことは出来ないと」
冷静に諭すように、甲冑怪人はそう言った。
そう、アニマもまた【破壊】の力を宿していた。
闇堕ちフォーム"デストロイジェム"がそれに当たる。
アニマが【破壊】の力に目覚めたのは、大切な仲間を失い、失意の中でそれでも仲間の遺言を受け、半ば呪いとなったそれを完遂するために渇望した"力"が具現化した結果だ。
人類の欲望が形を成した"クリスタル"を一つ残らずこの世から消し去り、二度と仲間のような犠牲者を出さないために。
甲冑怪人もまた、何かを"壊したい"と渇望したのだろう。
彼の純然たるその願いに答え、【破壊】が形を成して彼の下に降り注いだ。
【破壊】の力がどれだけ強力であるか。
それは一度その力を手にしたアニマは充分に理解していた。
「……それはどうかな?」
荒い息を繰り返していたアニマが、ゆっくりと立ち上がる。
思わぬ反論に眉を顰めた甲冑怪人に対して、アニマは仮面の下で実に清々しい表情を浮かべながら腰のポーチから何かを取り出した。
「それは……」
「この世に不可能なんて無いことは、あいつが嫌というほど教えてくれた。俺はあいつを信じてる。もう二度と、挫けたりはしない」
アニマが手にしたアイテム。
それは、漆黒の素体に金色の線が数本走った、ヒビ割れたクリスタルだった。
『"デストロイ"!!』
赤黒い球体を押すと、禍々しい機械音が鳴り響いた。
腕輪型の変身アイテムにそれを挿入すると、突如として地面から漆黒のエネルギーが噴き出した。
まるで火山の噴火だ。
『ブレイクアップ────"デストロイジェム"……!!』
闇を切り裂いてズンズンと歩みを進める、漆黒の戦士。
ヒーロー仮面アニマ、"デストロイジェム"フォーム。
【破壊】を宿した悲しき戦士が、再びこの地に姿を現したのだ。
「おおおッ!!」
「ちぃっ!」
瓜二つな漆黒のオーラを纏った拳が衝突。
激しい衝撃波が周囲に撒き散らされる。
【破壊】の純度は互角。
それつまり、両者の"願い"への執着は、渇望は、驚くほどに拮抗した強さということだ。
上手く攻撃を受け流したアニマの拳が、甲冑怪人の頬に突き刺さる。
けれど甲冑怪人は一歩も下がらず、そのまま殴り返した。
拳が命中する度、蹴りが打ち込まれる度、漆黒の衝撃波が発生しビリビリと大気を震わせる。
「はあっ!」
変身アイテムを一度タップ。
威力を増した拳が胸にめり込み、甲冑怪人は数歩後ずさる。
連続で二度タップ。
繰り出した蹴りは躱されたものの、続く打撃を複数回ヒットさせる。
「小癪な!」
四度目のタップと同時に、拳と拳のクロスカウンターが互いの胸にぶち込まれた。
全く同じ動きでズザザ……!!と後退し、互いに拳を引き絞る。
五度目のタップ。
ギュアアッ!!と集束した漆黒のエネルギーがさらに倍増する。
拳が空振り、殴られ、殴り返し、蹴り合い、殴る。
漆黒のエネルギーが乱舞する超近接戦闘。
アニマは跪きたい気持ちをグッと堪えて、乱暴に変身アイテムを二度ぶっ叩いた。
計七度の入力。
今までにない凄まじい鼓動と共に、エネルギーが爆発的に膨張し唸り声を上げる。
漆黒が渦を巻いて凝縮した彼の右腕は果てしないパワーを得ていた。
「うおおおおっ!!」
「はああああっ!!」
甲冑怪人もまた全身全霊のエネルギーを右腕に込め、思いっきり助走をつけて拳を引き絞る。
繰り出した二つの拳が真正面から衝突し、想像だにしない圧倒的な、そして暴力的なまでの爆発を巻き起こした。
制御を失ったエネルギーの奔流が荒れ狂い、周囲のあらゆる物体を破壊せんと渦巻く。
モロにその爆発に巻き込まれたアニマは激しく吹き飛ばされ、瓦礫にまみれて階段を転げ落ちた。
「うっ……ぐっ………!」
地面に伏したアニマの変身が強制的に解除された。
彼の傍で、変身アイテムから外れた漆黒のクリスタルに刻まれたヒビが広がり、そして。
───パキィンッ……!!
儚い音を奏でて、粉々に砕け散ってしまった。
淡い白煙が立ち昇る残骸を、アニマは荒い息を繰り返しながら横目で見つめる。
【破壊】の力は己の役目を全うし、そして消滅したのだ。
もう己の主にこの力は必要ないと判断して。
「ばっ、馬鹿な……!」
もうもうと立ち込める白煙の向こうから唖然とした叫びが聞こえた。
こちらもまた爆心地の中央に居た故に激しく吹き飛ばされ、地面に伏していた甲冑怪人。
何とか四つん這いで起き上がり、信じられないものを見るかのような目で己の両腕を見つめていた。
なんと彼の体の表面から、漆黒の部分だけがペリペリと剥がれ落ちていたのだ。
さながら殻が剥け落ちるかのように。
下から露わになったのは、彼本来の肌色であるくすんだ灰色だった。
訳が分からないと言った様子で、甲冑怪人は目を見張っている。
肩膝をつき、ゆっくりと立ち上がったアニマはよろけながらも、確固たる芯の通った瞳で甲冑怪人を睨んだ。
「俺の【破壊】の力で、お前の【破壊】の力を対消滅させたんだ……。お前にはもう、壊すことは出来ない。何も壊させやしない」
「ぐっ……何ィ………!?」
アニマの力が篭ったセリフと共に、どこからともなく重厚なメロディーを兼ね備えたインパクトのあるイントロが流れてきた。
足を引きずりながら、アニマの左右に二号と三号の青年も並び立つ。
何故かどちらもボロボロな状態だ。
「なんだいこれは」
「たぶんOPじゃない?最終決戦にOPが流れる激アツ展開よ、きっと」
音の源がどこかとか、そんなメタいツッコミは許されない。
こんな激アツ演出に原理など不要なのだ。
まるで天から降り注ぐかのように奏でられる神OPに、ボスは興奮を隠しきれない様子で拳を握り締める。
その時、アニマの懐から虹色の光が放たれ、それは三つに分裂して三人の手のひらに収まった。
「人の希望を餌にする奴は、俺が絶ッ対に許さねぇ……!」
ボスとソアレが運んできた三号の青年が、胸を拳で打ち熱い言葉を言い放った。
「人類の未来は僕たちが守る」
二号枠のクールな青年が、青色のクリスタルを構えつつ決意を口にした。
「さあ───始めようか」
そして最後に、アニマが決めゼリフを吐いた。
三人が同時にクリスタルのボタンを押し、変身アイテムに挿入。
ダイナミックにそれぞれのポーズを取る。
「「「変身ッ!!」」」
三色の輝かしいエフェクトが乱舞し、キラキラと煌めく粉雪のような輝きが降り注ぐ中、強固なクリスタルが構築。
数度の衝撃でヒビが入り、完全に砕け散った。
全員が基本フォーム。
しかし変身直後に天から虹色の光が降り注ぎ、三人の特定箇所に明確な変化を及ぼした。
場所はそれぞれ違う。
けれど浮かび上がった模様は全く同じだった。
「くくくっ……!ふざけるなよ……いくら【破壊】の力を失ったとは言え、基本形態の貴様らごときに負けるかぁ!!」
色褪せた大剣を振りかぶり、甲冑怪人が声を荒らげる。
だが、それこそが彼の誤算だった。
「はああっ……!」
無策に突っ込んでくるアニマを馬鹿にしたように睨みつけ、甲冑怪人は大剣を振り下ろした。
ところが。
「───なんだと!?」
振り下ろした大剣は、アニマが構築した半透明の宝石で完全に防がれてしまったのだ。
何の変哲もない、ただの宝石に。
本来ならば相手になるはずもなく、触れるだけで砕けてしまう脆弱な宝石に、だ。
甲冑怪人は驚愕で目を見開いた。
「はあっ!」
「ぐああっ!?」
アニマのパンチを喰らい、よろける甲冑怪人。
そんな彼の下に駆け寄るのは、真っ赤なクリスタルで身を固めた三号枠のヒーローだ。
「おりゃあっ!!」
「ぬぅ……!」
紅蓮の炎を帯びた拳を二連続で捌いたが、三度目は防ぎきれず肩を殴られ、思わずよろめいて後退する。
「ほっ!よいしょっ!」
「ぐふっ!?おのれ、ちょこまかと……!」
まるで車に撥ね飛ばされたかのように、甲冑怪人が吹き飛んだ。
地面を転がりつつ体勢を立て直した甲冑怪人が悪態をつく。
しかし彼が立ち上がるよりも前に、再び吹いた青き疾風が甲冑怪人を連続で撥ね飛ばし、幾度となく火花を散らした。
「舐めるなよ、雑魚どもが!」
「うっ……!?」
蹴りで素早く動いていた青色のヒーローを捉え、大剣で赤色のヒーローの拳を受け止める。
二人を斬撃で退けた甲冑怪人であったが、直後に背後に矢を打ち込まれ火花を散らしながら悶絶した。
「おのれぇ……!」
振り返ると、そこではアニマが空中に飛び出し、召喚した刀と弓が一体化したような武器を構えていた。
引き絞った弦を離すと、半透明のエネルギーで形取られた複数の矢が甲冑怪人目掛けて降り注ぐ。
それらを全て切り払ってたたき落としたのはさすがと言うべきだが、続くアニマの斬撃までは防げなかったようだ。
左肩から右の脇腹にかけて袈裟斬りがモロに刻み込まれる。
「ぐああっ……!!くそっ、馬鹿な……!ありえない、どうして貴様らごときに苦戦しているんだ!!」
苛立った甲冑怪人がアニマを近づけさせまいと乱暴に大剣を振り回す。
彼の疑問に対する答えは、三人の体に追加された虹色のパーツが握っていた。
「今の俺たちは、ウルティマ・クリスタルの力を一部継承しているんだ!つまり───」
「希望を胸に抱く限り、僕たちは負けないのさ!」
「さすがに"無敵の宝石"は出せねぇけどなぁ!」
息を合わせたクロスの斬撃が甲冑怪人の胸に刻まれた。
「ぐああっ……!!そんな、馬鹿な……!」
立て続けに炎を纏った拳を叩き込まれ、甲冑怪人はついに大剣を落としてしまった。
それでもラスボスとしての意地を見せ、赤色のヒーローを殴り飛ばし、青色のヒーローを蹴りで弾いた。
残るは忌まわしきヒーロー、アニマのみ。
肩で息をする甲冑怪人が憎々しげに睨みつける中、アニマは持っていた弓刀をこれ見よがしに投げ捨てた。
そして変身アイテムの腕輪を五回タップする。
すると、彼の右足に純白のエネルギーが渦を巻いて集束し、バチバチッ!!とスパークを巻き起こした。
目を凝らしてよく見ると、純白のエネルギーの中には僅かな虹色が混じっていた。
「これで終わりだ………"ゼロカリプス"!!」
「ほざけ、青二才がァ……!!」
甲冑怪人もまた全身から灰色のエネルギーを噴き出し、拳に凝縮させる。
その密度は完全に互角と言えよう。
ジャリッ……!と地面を踏みしめたアニマが全力で跳躍した。
『クリスタル・フィニッシュ!!』
力強い機械音が響くと同時に、アニマは抱えていた右脚を思いっきり蹴り出した。
純白と虹色が入り交じったエネルギーが激しく撒き散らされ、アニマが勢いよく降下。
渾身のラ〇ダーキックだ。
「うおおおおおっ!!」
甲冑怪人が絶叫を伴って繰り出した拳とアニマの蹴りが激しく衝突。
尋常ならざる衝撃波が発生し、二色の煌びやかなエフェクトが視界を満たす。
「はあああああッ!!」
「おおおおおおッ!!」
ぶつかり合い荒れ狂うエネルギーの奔流の中で、それは互角かのように思われた。
しかし長い拮抗の後、勝負が決するのは一瞬だった。
「ッ、はああッ!!」
「なっ───!!」
拳を砕き、アニマのキックが甲冑怪人の胸にぶち込まれた。
後ずさる甲冑怪人とすれ違って着地したアニマは地面をガリガリと削って突き進み、数メートル進んでやっと停止した。
荒い息で肩を揺らしつつ、最後の決めポーズは絶対に忘れない。
「───ぐああああっ……!!」
勢いよく甲冑怪人が爆散。
ド派手な爆発と消滅エフェクトを散らして、真のラスボスはついに倒されたのだった。
────オマケ────
「うおおっ!ソアレ今の見た!?やっべぇ超かっこいいんだけど!」
挿入歌としてOPが採用されるという、神回確定の最終決戦を目の当たりにしたボスは、ラスボスが爆散する中で今までにない大歓声を上げた。
きっと日曜朝にお茶の間でこの光景を目撃した男児達も、同じような反応をしていることだろう。
「……今のボスを見ていると、なんだか不思議な感情が湧いてくるね。これが母性なのだろうか?」
「えぇ……どしたの急に」
「いやね。無邪気なボスが愛おしくて」
「ソアレにそう言われるとなんか怖いんですけど……」
"愛らしい"というのはソアレが普段、実験対象などに向ける類いの感情だ。
また何か企んでいるのかと、ボスから引き気味な視線が送られる。
失敬な。
ソアレは誠に遺憾だとジト目で答える。
「酷いねぇ。私は本心から言っているのに」
「日頃の行いだと思う」
「それはごもっとも」
自覚あるんかいっ。
そうツッコまざるを得ないボスであった。
以上、特撮の良いとこ取りみたいなお話でした。一応あと1話、エピローグが残っております。
・止まるんじゃねぇぞ………『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』より、オルガ・イツカのセリフ
・ライダーキック………『仮面ライダー』シリーズより
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
感想等々、何かしらのリアクションをいただけると、作者は大変喜びます。狂喜乱舞です。ぜひともお願いいたします!( ^ω^ )




