表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罪は燃えても灰となる。  作者: 今、この時を楽しむ。
16/18

16 -小さな勇気と大きな悪意-

だいぶ経ってしまいましたが、更新です。

「誰だ!」


セインが音のした方へ振り向き、呼びかける。

少しすると、バツの悪そうな顔のトーマとユウトが出てきた。


「ごめんなさい・・・」

「でも、ミナが!ミナがいないんだよ!帰ってこないんだ!!!」


トーマが必死に訴えかけてきた。


「ミナがいない?どういうことだ・・・まさかっ!」


セインが黒衣の男たちの方へ振り向く。

黒衣の男たちは動いていなかった。まるでこの状況をしっかりと観察しているかのように。

しかし、隣の瘴気魔獣には違和感があった。

巨大化した蛇のようなその瘴気魔獣は、腹部が不自然に一部膨らんでいた。

まるで、何かを飲み込んだかのように。

まるで、人を・・・


「おぉ、お気づきになられましたか勇者よ!我らが捧げるこの供物を!」


やめろ、それ以上は聞きたくない。

カノンは耳をふさぎたかった。否定してほしかった。

しかし、残酷で卑劣な言葉はそんなカノンの思いをいとも簡単に裏切った。


「こちらは村の子供を魔獣に食わせ、より絶望を増した一品!純粋な子供は染まるのが早く実によい捧げものになられたのです!!」

「我らより捧げし至高の供物、お気に召しましたでしょうか!」

「勇者様!どうぞお受け取り下さい!」


ぐじゅり、と胸の奥になにかがあふれてきた。

ドス黒く、気持ちの悪い何かが。

視界がだんだん赤くなっていく。しかし、その分力が妙に溢れてくる。

さっき戦闘で感じた、あの高揚感。湧き出る力。

怒りなのか、憎しみなのかわからない感情が膨れ上がると、その分大きくなる力。

黒い瘴気魔獣、赤い視界。

混ざる、過去の記憶。


「....にげ、ろ...カノ..」


また、繰り返す。

目の前で起こる、逃れられない現実が深く突き刺さる。

意識が、どす黒い感情に飲み込まれていく・・・


「カノンさん!ミナちゃんはまだ生きています!」


フィナの言葉に、沈みかけた意識が晴れた。


「ミナちゃんの祈りが聞こえます!きっとまだ救えます!」


その顔は、しっかりとした目でこちらを見ていた。


「・・・本当なんだな、ミナはまだ生きてるんだな・・?」

「はい!ミナちゃんの祈りがしっかり聞こえます!カノンさんなら、必ず・・・!」


カノンの問いにフィナはしっかりと頷いた。


「なら話は早ぇ、あいつらぶっ倒してミナを救い出せばいいんだろ!」

「あぁ、絶対に助けるぞ!」


レオハルト、セインが続く。


「勇者さま・・・」


ユウトは不安そうにこちらを見る。

あぁ、そうだ。勇者がこんなところで挫けちゃだめだ。

俺は勇者だ。そして、先代勇者のエルドの息子だ。

守れなかったミオの分まで、この子たちを守るんだ。


「大丈夫だ。」


そういって、カノンはユウトの頭を撫でた。


「言っただろ、勇者は仲間たちとどんどん強くなるって。だからお前たちは安心していろ。」

「・・・うん!」


ユウトは頷き、不安そうだった顔は期待の顔へと変わっていった。

その状況を見て、クラリスが続ける。


「村へ帰そうにも、この状況じゃ危ない。もし他に魔獣が居て回り込まれる可能性もある。

 だから私が二人を護衛する、あの瘴気魔獣は任せたぞ!」


そういって、クラリスにユウトとトーマの護衛を任せ俺たちは瘴気魔獣へ向かい合った。


「おぉ、なんと感動的だ!それでこそ器の子!それでこそ勇者!希望の中にこそ絶望が映える!」

「きっとこの供物も喜んで下さる!さぁ!お受け取り下さい!」

「ゆけ!勇者様へその身を捧げるのだ!」


黒衣の男たちは瘴気魔獣をこちらに差し向ける。

瘴気魔獣は甲高い声を上げ、こちらに突進してきた。

ユウトたちに近づけないためにも、カノン達は瘴気魔獣へと走り出した。

次回、戦闘です。

出来る限り毎日更新できるよう、頑張ります。


続きが気になる、更新されたらまた見たい!

そう思ってもらえるように気ままに書き綴っていきます。

是非ブックマークと評価をお願いします!


誤字脱字報告、感想等もお待ちしております。

気軽にお送りください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ