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罪は燃えても灰となる。  作者: 今、この時を楽しむ。
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15 -黒衣と絶望-

「勇者よ!よくぞ来て下さった!!」


黒衣の男が大きな声でこちらに呼びかけた。


「我々の希望!神への供物!とくとご堪能ください!!」


そういい終わったのち、瘴気を纏った魔獣がこちらへ向かってきた。


「レオンは援護、フィナは後ろでサポート!セインとカノンは前を止めろ!私はあふれたやつらを受け持つ!絶対に村へ通すな!」


クラリスの指示でカノン達は動き出した。

様々な魔獣がこちらに突進してくるが、動きは単調だった。

突進してくるビッグボアをいなし、ワイルドウルフの牙をよけて振り向きざまに切りつける。

斬りつけられたワイルドウルフは悲鳴を上げずにその場で絶命する。

セインも同じように斬り、防ぎ、なぎ倒す。

その時、前方で火の手が上がった。

渦を巻いて巻き上がる炎は魔獣の集団を焼き焦がし、次々に排除していく。

魔獣の中でも厄介なのが体長と同じぐらいの鋭い角を持ったホーンラビットだった。

不規則に飛んでくるホーンラビットの角を退け、斬り付けるころには別の魔獣がとびかかってくる。

単調ではあるが素早い攻撃に、段々と体力が奪われていく。


「くそったれ!ファイアボール!」


とびかかってくるワイルドウルフにファイアボールをぶつけると、焼焦げたワイルドウルフはそのまま燃えながら後ろへ飛んでいき、動かなくなる。

黒衣の男たちは、カノン達が魔獣を倒している様子をじっと観察しているようだった。


「カノン!むやみに消費するな!持たないぞ!」

「わかってる!だが数が多すぎる!」


セインに思わず言い返すカノンだが、ファイアボールを数発放ったところで違和感を感じた。

消費を抑えているとはいえ、明らかに魔力の減った感覚がなかった。

それどころか、内から湧き上がる魔力が放つたびに大きくなっていく。

魔力どころか、力が湧いてくるようで体の奥からドロリと何かがあふれてくる。


『殺せ、もっと多く、もっとだ。』


笑い声を含んだ声が頭に響く。



頭に響く声をかき消すように、次々と魔獣を倒していく。


「カノン!前に出すぎだ!」


その声も、カノンの耳には届いていないようだった。

無我夢中で魔獣を斬り、魔法で焼き、倒す。


『いいぞ、もっとだ。まだまだ足りん、殺せ!』

「うるせぇ!言われなくてもやってる!」


思わず叫んで声を黙らせようとする。

だが、笑いの混じった声は収まらず魔獣も止まらない。


村の方へ向かう魔獣をレオハルトと防ぎながら、クラリスがこちらに叫ぶ。


「セイン!カノンを止めろ!」

「クラリス、レオハルト!他は任せた!」


セインが近くにとびかかってきた魔獣を斬り倒しカノンの方へ向かう。


「やってやるぜ!天才魔術師の魔法を見せてやるぜぇ!」

「レオン!近づいてくる奴は大方片付いた!思う存分やれ!」


そういって空に炎でできた槍を無数に浮かべる。


「こんだけ水がありゃ燃え広がる心配もねぇ!ファイアジャベリン・スコール!」


放たれた炎の槍は放物線を描いて魔獣の群れに突き刺さる。

大量にいた魔獣の群れに直撃し、大多数の魔獣は燃えながら絶命していった。


カノンの周りの魔獣を倒し終え、背後でレオハルトの放った魔法を感じたセインはカノンに呼びかける。


「カノン!落ち着け!」


周りに魔獣が居なくなったのを確認し、カノンに駆け寄る。

駆け寄ったとき、カノンの体を見てセインは表情をゆがめた。

傷だらけの体に、目を血走らせた状態で立っていたからだ。


「カノン、しっかりしろ!」

「・・・はっ、セイン?」


そう呼びかけると、カノンはふと正気に戻ったようにこちらを見た。

目は赤くなっていたが、いつもの顔に戻っていた。


「一度フィナに治療してもらおう。やつらの次の攻撃が来る前に。」

「あぁ、わかった。」


そういって、フィナ達の元に駆け出そうとした時、カノンの体がふらついた。

転びそうになるところを、セインが支える。


「大丈夫か、魔獣にやられたか?」


力が抜け、先ほどまで膨れ上がっていた魔力が急速に沈んでいく。


「いや、大丈夫だ。」


そう答えたものの、カノンの足元はふらついていた。


「大丈夫そうには見えないな、ほら、肩を貸せ。」

「あぁ、助かる・・・」


セインに支えられながらも、ゆっくりとフィナ達の元へ戻っていく。

黒衣の男たちは先ほどから動かず、瘴気魔獣の隣でこちらをじっと観察しているようだった。

何もしてくる様子がないことを確認し、カノンとセインはフィナにヒールをかけてもらう。


「おいおい勇者さんよぉ、お前また勝手に一人で行きやがって。」

「すまん・・・」


カノンが謝ると、ヒールを終えたフィナが声をかけた。


「先ほどのカノンさんから瘴気のような魔力があふれていました。まだ浄化しきれていなかったのでしょうか・・・」

「瘴気?」

「はい、魔獣を倒していく毎に黒い魔力のようなものがたまに溢れていて・・・」


カノンは思った。

あれが瘴気なのだとしたら、あの声は何なのか。

一体、俺の体に何が起きているのか・・・・

そんなことを考えてた時、後ろのほうでガサリと音がした。


「誰だ!」


セインが音のした方へ振り向き、呼びかける。

少しすると、バツの悪そうな顔のトーマとユウトが出てきた。

次の投稿は少し日が空きます。

気長にお待ちください。


続きが気になる、更新されたらまた見たい!

そう思ってもらえるように気ままに書き綴っていきます。

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