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リバーシブル 天地反転之世界  作者: てんぷー
第一章 表から裏へ
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第2話 空に浮かぶ街、闇に浮かぶ学校

「え?」


俺は驚いた。


なんせ、死んだと思ったのに、傷一つないからだ。


こんなことがあるのだろうか。


俺は不思議で仕方なかった。


まず、周りを見渡した。


特に周りに変化はない。


人影は全くない。


そして、


空には街があった。




              「街!?」




思わず声を上げてしまった。


なぜ、天空に街があるのだろうか?とりあえず、無傷であったため、先程、落ちたと思われる川から脱出。


道路に立った瞬間、異様さを感じた。


人影が一人もいない。


夕方なら学生や買い物帰りの人もいるはずだ。


おかしい。




しかも、ここらへんであれば車が途切れることなんてない。


そう、車もないのである。


人っ気のなさを感じた俺は怖くなった。


そのまま止まっていると変なことになりそうだったので、とりあえず動きながら探索した。




探索を始めてからおおかた1時間経ったところだろうか。


空が熱気の朱色から深淵の藍色へと変わったころ。


やはり、人影は見つからなかった。


しかも人の所持品と思われるものも見つけられなかった。


だが、気づいたことがいくつかあった。


一つは、空に浮かんでるあの街。




          「人がいる。」




夕方から夜に変わる時点で、それまで豆粒の大きさでしか見えていなかった街に変化があった。


明かりがついたのだ。


明かりを使う生物なんて世界中のどこを探しても人間しかいない。


よって、あの街には、人がいることが確定した。




そしてもう一つは、あの街につながってここまで伸びているロープがあること。


これは重大な発見であった。


もし、あのロープを伝っていけば、空の街に行けるかもしれない。


しかし、ロープは、地平線の果て。


どこまで進めばいいか、わからない。


とりあえず必死でそっちに向かっていった。




数時間後。おそらく真夜中....?なんだろうか。


ぽっけに入っていたスマホは使えない。


落ちたときに液晶がバッキバキに割れていて、内部の基盤までもが見えていた。


水も内部にはいちゃってて、電源ボタンを押してもつかない。




          「こりゃ完全に逝っちゃったな.....」




悲しい。


俺にとってスマホはなければ不安になる状態。


時刻、日付、予定、写真、連絡、暇つぶし、全部スマホ一つでできる。


これらを失ったのは相当でかい。




そんな不安に駆られながら進む。


時刻がわからない。これは結構致命的。


月で時刻を確認しようという名案も、あの街によって月が見えず、断念。


思い切ってさらに進んだ。




最初にここに来てからもう3時間は経った。


ようやく、俺が通っている学校「高峰中学校」が見えた。


ロープだと思っていたものも近づくにつれ、正体がわかってきた。


巨大な鋼鉄の棒が立っていたんだ。


鋼鉄の棒をよく見るために俺は、学校の校門の前に立った。


数時間前に、いた場所。


本当になぜか懐かしくなる。




「もう二度とここにこれないかもしれない。」




そう思うと足が無意識に校門の方へ動いた。


嫌な思い出しかないのに。


さすがに夜だ。


校門は閉まっている。


だが、俺は門の格子を足場にして、塀の上へ乗り、学校の敷地内に飛び降りた。


普段ならこんなことするわけがない。


あくまで人が見ていない、というより人がいないからだ。




校内に入った。


いたって普通。


何にも変わらない。


人影がないこと以外はね....。


教室に入る。




         「2-4」




俺がいるクラス。


人がいない教室なんてホントに静かだった。


そして、いつもなら絶対に見ないほど暗かった。


いつもは騒音とも呼べるほどでかい一軍の連中の雑談が聞こえてくるというのに。


教室を見渡した。


そして、ふと目が留まった。


わかりやすい机がひとつ。


黒の目立つ模様がついた机。


そう、俺のだ。


もう取れないであろうマッキーで罵詈雑言を書かれた。


死ねだの、くたばれだの、ブスだの、いろいろ書かれた。


机の側面はカッターでずたずたに切り裂かれた跡があった。


そして机の脚にはまだ、拭えていない、あいつらが俺の机に上履きを置き、墨汁をぶちまけた跡が。


腹が立った。


一軍のクズの机に近寄り、思い切り机を蹴りつけた。




            「ドンガラガッシャン!」




やってしまった。


大きな音を出して一軍のクズの机は、倒れてしまった。


でも、誰も言わない。


怒らない。


本当に人がいない、そのことを改めて感じた。


意外にも爽快だった。


あいつに一矢報いた感じがした。


これで教室に用はなくなり、怒りに任せて、教室を出て、廊下を走ってしまった。




俺はさらに学校の探索を進めた。


次に向かったのは食堂。


お腹がペコペコだ。


あのクズに昼飯の半分をとられたからだ。


しかも家にも帰っていなかったので、夕飯も食べていない。


なにか、食べれそうなものを探す。


あった。




コッペパンと牛乳。


そして、少量の肉。




よかった。


これで飢えは凌げる。


おそらく、誰かの食べ残しだろう。


そういう跡がある。


食べ残しを食べるのは抵抗感があるが、ないよりかは断然いい。


むしゃむしゃと食べる。


コッペパンの小麦の香り。


牛乳の命の味。


肉の香ばしく甘辛い味。


食べ物に飢えていた俺はすべてが新鮮だった。


生き返った気分だ。


暗い夜の中で一人で学校の食堂で黙々と食べ残しを食べる。


客観的に見れば相当シュールな絵面に違いない。


でも今は関係ない。


生きるために必死なのだから。




腹を満たした後は学校に用はなくなってしまった。


学校を出た。


引き続き、鋼鉄の柱のもとに歩く。


夜は寒い。


向かい風が俺の体の根幹に響く。


でも、生きるために体を張って、進んだ。


なぜ生きるのか?


もう死にたいと思う気持ちなんてなくなってしまったからだ。

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