↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これってお金になりますか?~雪竜とルチルの駆け出し冒険者生活  作者: 紫嶋桜花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/38

24. 訓練

 さて、では、具体的にどう訓練を進めようか。


 ルチルとオニキスは翌日、改めてギルドの掲示板を確かめに来た。

 長石(フェルドスパー)級の依頼のうち、カテゴリが『討伐』となっているものを探す。


「……結構あるね」

「んにゃ、思ったよりな。やっぱ冒険者のメインの仕事なんだろうなあ」

「あ、これ」


 ルチルが見つけたのは、ゴブリン退治の依頼だ。


「畑を荒らされてる、と」

「『まずゴブリンから始めろ』……か。いいかもしれんな」

「でしょ? 報酬は、百銀貨(アリアン)。これを頭数で割るんだね。場所は……」


 張り紙の地名を地図で確かめる。ここから一日ほどの小さな村だ。


「よーし、じゃあ受付に行ってみよう」




 窓口では職員に、いつもの薬草の採取依頼と同じように、何人かの冒険者と一緒に受けることを勧められる。


「ルチルさんはどういった戦闘スタイルでしたっけ?」

「えっと、力場の盾を出したり、ものを凍らせる冷気を呼んだりですね」

「それでしたら支援職ですね。前衛職の冒険者さんとご一緒されるといいと思いますよ」

「そうなんですね」


 などと話していると、ちょうど鎧を着た女性や槍を持った男性が掲示板に近付いてきた。


「ああ、あのお二人はちょうど冒険を始めたばかりですから、ぴったりかもしれません」

「じゃ、声掛けてみます!」




 職員の見立て通り、二人は簡単な依頼を探している駆け出しの冒険者だった。

 女性はアン、槍の男性はバートで、二人とも戦士職らしい。

 とんとん拍子にゴブリン討伐の依頼を同道することが決まり、改めて職員から話を聞く。


「ルチルさんは、討伐は初めてですね。お二人は二回目と、三回目ですか」

「はい、です」

「それじゃ、こちらがギルドで仕事を受けた証明です。依頼人に渡してお話を聞いてくださいね」

「わかりました」


 アンとバートが受注する手順を、ふむふむと見ておく。このあたりは、おつかいの依頼と変わらない。


「何か買い物はある?」


 アンに聞かれ、正直に必要なものがわからないと答えた。


「薬草とポーションは? ある? じゃあ、特には大丈夫かなあ」

「俺はちょっと食糧買い足しておくわ、何があるかわからんし」

「あ、じゃあ私も」


 ギルドで売られている保存食は、干し肉や乾パンなどがセットになっているという。

 念のためとそれを二食ほど買って、荷物に加えた。


 さて、出発だ。



     *



 いつものパン屋で昼食を手に入れ、門を出る。

 ここからの景色にもずいぶん慣れた。

 今日の目的地は、まず半日以上街道を行ってから、脇道にそれた場所にある。

 途中、旅人のために整備されている泉のほとりで昼休憩を挟んで、ひたすら歩いた。

 地図の通りに脇道へと入り、村に着いたときには太陽が地平線に隠れようとしていた。


「まずは、依頼を出した村長さんを探そうか」

「おう、その辺の人に声掛けてみるわ」


 戦士の二人がてきぱきと段取りを立ててくれ、ルチルとオニキスはそれに乗っかっている。

 ほどなく、声をかけた村人から村長の家を聞き出し、そちらに向かった。



「あなたがたが依頼を! こりゃ助かります」

「よろしくお願いします。さっそくですが、荒らされているという畑は、どのあたりに?」

「こちらです、ご案内しますわ」


 村長は純朴そうな中年の男性だった。

 案内された畑は、村の柵の外に広がっている。


「ゴブリンは夜分、あっちの森から出てきて、作物を荒らしていくんですわ。まだ家畜に被害は出とりませんが、時間の問題だろうと」

「なるほど。どのぐらいの数かはわかりますか?」

「一度に出てくるのは二、三体でしょうか」

「山に入った村人で、巣を見かけたなんて話は?」

「まだ、ありませんな。巣があるならそっちも始末してもらえると助かりますが……」


 戦士たちは目を見交わして相談に入った。


「どうする? 先に巣を探してもいいが、こっちは夜目が利かないからな」

「それだよね。これからちょうど襲撃の時間だし、まずは見張りからかな」

「だな。来たやつを退治して、痕跡をたどるのではどうだ」

「賛成。君もそれでいい?」


 水を向けられて、ルチルはうなずいた。


「はい。交代で見張りですか?」

「それがいいと思う。村長、あそこの小屋は使ってますか?」

「ああ、納屋ですが、見張りに使われるんならどうぞ。ちょっとした食べ物も運ばせましょう」

「助かります」




 納屋に毛布を敷いて、交代で休息をとる。

 アンたちは最初、三交代を主張したが、オニキスが俺も見てられると主張したので四交代になった。

 さっそく横になって仮眠を取っていると、バートにとんとんと肩を叩いて起こされた。


「……来ましたか?」

「ああ」


 ひそひそ声を交わす。隣では、女戦士が既に支度を終えて扉の隙間から外をにらんでいる。

 ルチルは起き上がってうなずいた。オニキスがちょろちょろと頭まで駆け上がる。


「いけます」

「俺も大丈夫だ」

「おう。……行くぞ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。