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僕→アルバート・リグセル

妹→ブランシュ・リグセル

アルヴァ・アングラレーク→主人公の体の人 





 風が吹く。まだ幼い妹の金の髪が棚引いている。青色の目が僕を見て輝く。


 草原を走っていた。妹と、僕の二人だけで。多分僕が妹を捕まえるまで終わらないのだろう。


 このお転婆さんめ、少しは僕の言うことを聞いてくれないと。転んでも知らないぞ。そう思って、危ないよ、と言おうとして、喉がつっかえた。


 妹を捕まえなければ。でも、妹はなぜか僕より足が速くて、捕まえようがないのだ。一定の間隔を保って僕が捕まえないようにしてくる。


 何か大切なことを忘れている気がする。


 ふと、悪寒がした。息苦しい。僕の大切な妹が、化け物になったような感覚。いや、そんなわけないと、妹を追いかけ続ける。


追いつけない。


追いつけない。


「お兄ちゃん」


まるで囁きかけるように耳元で妹の声が聞こえた。妹が無邪気な笑みでこちらを振り返る。どうしたの、と返事をしようと思って、声が出ないことに気づく。


「お兄ちゃん」


ブランシュがまた僕を呼んだ。返事、返事をしないと。でも、息が声帯を震わすことはない。


「お兄ちゃん」


妹が立ち止まった。こっちを向いて首をかしげている。何か、何か言わないと。


「オニイチャン」


今度はちゃんと妹の口が動く。僕が何も言わないことを不思議に思っているようだ。


「助けて」


その一言を言った時、妹の体は紫色の煙に包まれた。ブランシュ!!――そう口にしたかったのに、口からはヒューヒューと空気しか出ない。


「タスケテ」


煙がなくなると、そこに現れたのは、化け物。足首から下は包帯が巻かれている。包帯はところどころ血が滲み、腐臭のような激臭を放つ。こちらを見つめる二つの空洞。そこに空を思わせるあの青い目はない。


「に……ィ、さ……、タ……ぅ、ケッ、デ」


「……ぁ、あ、ぶ、ブラン、シュ……」


美しい妹はどこへ行ったのだろう。


「アハハハハハハハハハハ!!!!」


黒髪の女がこちらを見て嗤っている。

あの女だ。一度だけ姿を見かけたことがある。まだ幼い時だったが、よく覚えている。


こちらを見て笑っている


アルヴァ。この女だけは許さない。


僕はベッドに眠る妹の手を握って寝ていたらしく、そのまま目覚めた。


「必ず、助けるよ、ブラン」


読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 僕って誰? 主人公の肉体のもとの持ちに関係するのかな?
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