↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
179/195

第38話

 ヨストの部屋へ届いていた返事は、出生に関するものではなかった。


 以前問い合わせていた、事件前の王宮の人事と政務の引継ぎについて、見られる記録があるという知らせだった。

 王太子の改革案を調べる中で、誰にどの仕事を学ばせていたかも、確認を求めていた。


 アエミリアが写しを開くと、知っている名があった。


 コンスタンティン。


 今の王だった。


 元老院に関わる政務を見習わせ、収入と支出の報告について説明を受けさせるようにと、記されていた。王族として儀礼へ出席するだけの予定ではなかった。


「先生、こちらの日付を」


 ヴァンフリートが覗き込んだ。


 ジークムントが殺される前だった。


 ヨストも、外套を脱ぐ手を止めた。


「今の王は、二人の従兄弟だ。アーデルハイトの息子ではない」


「王妃陛下が望んでいたのは、ラディスラフ殿下ですよね」


 アエミリアは言った。


「エルザも、そう聞いています」


「ああ」


 ヴァンフリートは写しを取った。


 窓の外では雨がやみ、向かいの軒から落ちる雫の間に、少しずつ長い静けさができていた。


「兄が死ぬ前から、従兄弟にも王の仕事を教えていた」


 彼は、命令の出所を確かめるように、紙の下へ目を移した。


「誰が、そっちの支度をしていた?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。