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第38話
ヨストの部屋へ届いていた返事は、出生に関するものではなかった。
以前問い合わせていた、事件前の王宮の人事と政務の引継ぎについて、見られる記録があるという知らせだった。
王太子の改革案を調べる中で、誰にどの仕事を学ばせていたかも、確認を求めていた。
アエミリアが写しを開くと、知っている名があった。
コンスタンティン。
今の王だった。
元老院に関わる政務を見習わせ、収入と支出の報告について説明を受けさせるようにと、記されていた。王族として儀礼へ出席するだけの予定ではなかった。
「先生、こちらの日付を」
ヴァンフリートが覗き込んだ。
ジークムントが殺される前だった。
ヨストも、外套を脱ぐ手を止めた。
「今の王は、二人の従兄弟だ。アーデルハイトの息子ではない」
「王妃陛下が望んでいたのは、ラディスラフ殿下ですよね」
アエミリアは言った。
「エルザも、そう聞いています」
「ああ」
ヴァンフリートは写しを取った。
窓の外では雨がやみ、向かいの軒から落ちる雫の間に、少しずつ長い静けさができていた。
「兄が死ぬ前から、従兄弟にも王の仕事を教えていた」
彼は、命令の出所を確かめるように、紙の下へ目を移した。
「誰が、そっちの支度をしていた?」




