↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
174/195

第33話

 帰り際、ヨストは階段の途中で足を止めた。


 踊り場の窓から、庭の道が見えていた。さきほど撒かれた砂の上を、家令が門の方へ歩いている。


「ラディスラフから遠ざけておきたいだけなら、塔に置けば済んだ」


 ヨストは言った。


 ヴァンフリートも止まった。


「実際、ずっとそうしていた」


「それなのに、王妃は刑事法院へ送るよう求め、極刑を望んだ。後継になる息子にも、助けないと約束させようとした」


「エスネエーレを殺す必要なない」


 アエミリアは、一段上に立って二人を見た。


 暗殺の理由が分かれば、エスネエーレに着せられたものも解けると思っていた。

 だが、ジークムントの死を望んだ理由が明らかになるほど、その後で彼女まで死ななければならなかった理由が、別に残った。


「共謀者に仕立てるだけなら、閉じ込めたままでもよかったはずですね」


 彼女は言った。


「死なせなければならないほど、何かが……」


 ヴァンフリートは、階上へ目を向けた。


 エスネエーレの部屋の扉は、ここからは見えなかった。廊下の奥へ消えた足音も、もう聞こえない。


「生きていれば、困ることがあったのか」


 彼は言った。


 ヨストが、手にした書類へ目を落とした。


「事件のことを話されるから、というだけでは足りないな。彼女は、王宮で何が決められたか知らなかった」


「ああ」


 ヴァンフリートは階段を下り始めた。


 玄関へ続く廊下で、家令が戻ってきた。三人を見つけ、馬車の用意ができていると告げた。


 ヴァンフリートは、その場を動かなかった。


「一つ、先に聞きたい」


「何でございましょう」


「エスネエーレを塔へ住まわせたのは、誰だ」


 家令の目が、階段へ向いた。


「それは、ずっと以前のことでございます」


「知ってる」


 ヴァンフリートは言った。


「あの女が、ラディスラフに会うより前の話を聞いてる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。