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第15話
ヨストの部屋へ戻る頃には、通りの灯がついていた。
法院から出てくる者たちは襟を立て、石段を急いで下りていった。
向かいの店では板戸を閉めかけていたが、買い忘れたもののある客が一人、まだ戸口で話をしていた。
アエミリアは外套を脱がずに、今日の聞き取りを机へ置いた。
ヨストが、その脇へ古い綴りを広げた。
十年前に写した王宮の図だった。
紙の折り目が細く裂けかけていたので、彼は机に敷いていた布を寄せ、その上へ載せ直した。
ヴァンフリートは図を引き寄せた。
「あの女が開けたのは、ここだ」
塔の下へ指を置いた。
アエミリアは隣へ寄り、紙の上の道を目でたどった。王宮の壁へ入るところで、細い線が道を横切っていた。
「こちらにも、扉があるのですか」
「ある」
ヨストが答えた。
「十年前、誰が開けたか確かめられずに終わった」
アエミリアは、塔側の印へ目を戻した。
エスネエーレはここを開けて、上の部屋へ帰った。その先で何が起きていたかを、彼女は見ていなかった。
ヴァンフリートが、王宮側の線へ指を移した。
「こっちは、誰が開けた」
ヨストは卓上の灯を近づけた。窓に映る三人の姿が、外の暗さの中ではっきりした。
アエミリアは新しい紙を取り、今度は、その扉のあるところから写し始めた。




