第3話
●駅前の広場
広場の端に立つ佐藤、スマホで連絡を取る。
通話相手の刑事・木村が応じる。
木村「今度は誰を標的にしてるんです?」
佐藤「三沢という男だ。半グレかヤクザだと思うが」
木村「はいはい、三沢ですね。有名なワルですよ。薬物やら売春やらヤミ金やら、色んな元締めをやってます。ヤクザとか政治家とも繋がりがあって、警察も手出しできないんですよねぇ」
警察署のデスクにいる木村、お気楽な表情で語る。
一方、無表情の佐藤は要求する。
佐藤「三沢に関する資料を送ってくれ」
木村「あの、毎度言ってますけど、そんなホイホイと内部情報を渡すのは問題というか……」
佐藤「三沢から奪った金の二割をお前に振り込む。それでいいか」
木村「五分ほど待っててください! 三沢クイズで優勝できるくらいの個人情報をありったけ送るんで!」
佐藤「ああ、頼んだ」
佐藤、通話を終了し、すぐさま歩き出す。
●雑居ビル
雑居ビルの入り口に到着する佐藤。
煙草を吸う男、怪訝そうに佐藤を睨む。
男A「おい、ここは立ち入り禁止だ」
佐藤「三沢を殺しに来た」
男A「は?」
戸惑う男。
そこに佐藤がタックルをする。
押し倒された男、煙草を落としながら反撃を試みる。
男A「この野郎……っ!」
佐藤、男の顔面に持参したモンキーレンチを叩き込む。
眉間を強打された男、白目を剥く。
男A「ぎっ」
眉間が陥没した男、目や鼻から血を流して絶命する。
佐藤、死体を漁ってポケットナイフを手に入れる。
佐藤、薄暗いビル内へと踏み込む。
佐藤、エレベーターのボタンを押すも反応はない。
そこに別の男が階段を下りてくる形で登場する。
男、佐藤を見て身構える。
男B「誰だ!」
佐藤、ポケットナイフを投擲する。
男、咄嗟に手で庇ったことで、刃が手の甲に刺さる。
男B「いっ!?」
男、痛みに怯む。
佐藤、モンキーレンチを投擲する。
モンキーレンチ、男の鼻に直撃する。
男B「あぎゃっ!」
男、鼻血を噴きながら階段を転がり落ちる。
佐藤、渾身の力で男の首を踏み折る。
佐藤、モンキーレンチだけを拾うと、階段を駆け上がる。
次の階にも、複数の男が待っている。
男の一人、モンキーレンチを一瞥して叫ぶ。
男C「敵襲だァッ!」
叫んだ男、佐藤に飛びかかる。
ナイフを突き出すも、佐藤は難なく躱す。
佐藤、モンキーレンチをフルスイングで叩き込む。
ナイフの男、側頭部が大きく陥没し、崩れ落ちる。
その姿に他の男達が怯える。
男D「おい、あいつ……」
男E「イカれてやがる」
佐藤「どうした。来ないのか」
佐藤、平然と男達に襲いかかる。
●雑居ビルの最上階
扉を蹴破った佐藤、最上階に到着する。
手には血みどろの歪んだモンキーレンチを握っている。
瓦礫に腰かける三沢、佐藤を睨んで淡々と問う。
三沢「どこの差し金だ」
佐藤「個人活動だ。どこの勢力にも属していない。雇われたわけでもない」
佐藤、歩み寄りながら答える。
三沢、佐藤を強く睨んで凄む。
三沢「ミチオから奪った鍵を返せ。あれは俺のものだ」
佐藤「断る」
三沢「てめぇみたいな殺人鬼には価値が分からねえだろ」
佐藤「関係ない。ただお前に返すべきではないと判断しただけだ」
三沢「根拠は?」
佐藤「勘だ」
佐藤、平然と断言する。
三沢、深々とため息を吐いた後、いきなり拳銃を取り出して構える。
三沢、拳銃の撃鉄を起こす。
三沢「舐めてんのか」
佐藤、いきなり突進する。
三沢、拳銃を発砲する。
佐藤、腹を撃たれるも、怯まずに突進する。
佐藤、モンキーレンチで三沢の顔面を狙う。
三沢、仰け反ってギリギリで回避する。
三沢「!!」
三沢、立ち上がりながら蹴りを放つ。
三沢の蹴りは、弾丸が命中した腹部に炸裂する。
しかし佐藤は真顔のまま、冷徹にモンキーレンチを振り下ろす。
打撃が三沢の鎖骨を砕く。
三沢、至近距離から発砲する。
弾丸が佐藤の胸に二発当たるが、さらにモンキーレンチの反撃が繰り出される。
打撃が三沢の額に直撃し、三沢は血を流して怯む。
三沢「ぐおっ」
佐藤、拳銃を握る三沢の指を殴る。
指が折れて拳銃が落下する。
落下の衝撃で、拳銃が暴発する。
弾は佐藤の脇腹に当たる。
佐藤、三沢の右膝を粉砕する。
三沢、転倒する。
佐藤、三沢の背後に回り込み、腕を掴んで関節をねじり折る。
佐藤、身動きが取れなくなった三沢を滅多打ちにする。
全身各所の骨を粉砕し、拳銃を拾い上げる。
瀕死の三沢、苦しそうに疑問を呈する。
三沢「何発も撃ったのに……なんで死なねえんだ……」
佐藤、穴の開いたスーツをめくる。
そこには黒い防弾チョッキがあった。
佐藤「防弾チョッキだ。お前のような半グレは銃を所持していることが多い。だから対策していた」
三沢「クソが……」
佐藤「それよりお前が協力関係にある犯罪組織を洗いざらい吐いてもらう。楽に死ねると思うな」
無表情の佐藤、懐からアイスピックを取り出す。




