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ラリア達は

第六八話です

 一気に駆け出し、攻撃を与えるが、全く、動じない。そんなリチャードを前に久治郎は慄いていた。恐怖する等恥とは言え、しかしその信じ難い程の強靭な肉体に誰が驚かないでいられよう。さしものカムラも諦めたと聞く。流石の久治郎もこれには動揺を取り戻すというもの。


「Where is Kamura, you Oriental ape!?」


相も変わらず何を言っているのかサッパリだが、何となくその怒り様は手に取るように感じられる。

リチャードにとっても一度ならず二度も逃げられ、怪我を負った。まぐれでキメラに勝った青二才と侮っていた手前、こうもコケにされては怒りは容易くどうして収まるのか。


「I'm gonna kill you both that useless bitch, and you, who's lower than dog shit for getting in my way!」

「先ほどから何を申しているのかはたはたわからぬ、カムラ殿も斯様な言葉をよく使うておるが!」


久治郎はリチャードの戦斧、ハルバードを避け、その関節を斬った。更にその腹部へ。やや刃が通りにくいが、食い込み、斬り裂いた。


「肉の鎧とは申せ、理に適えば斬る事等容易。肉の鎧はどれほどと言え、金物に適う事是非ず」


リチャードの単純な動きは一瞬であったが隙があった。それを見逃さず、与えられた一撃はリチャードに一撃をやっと与えた。


「だが、構えて用心するその心構えは見事なり」


再び縦から振われる戦斧を防ぐが、下からハルバード。久治郎は薙刀を捨て、手持ちの短筒を放った。肩部にに命中するも、効果はなく。久治郎は刀を抜いて迫るリチャードを迎えた。だが、その瞬間に


「Dodge!!」


オーダの声が聞こえた。久治郎は咄嗟に逃げる。瞬間、無数の発砲音がリチャードを襲った。ポラーヴ公の部隊、戦列兵であった。


「What a relief to arrive in time. I have, one way or another, brought the twenty of them to you」

「…何を言っているのか…」


するとヤンが出てきた。


「間に合った、と言ったのですよ」

「…なるほど!ではカムラ殿も!」


オーダは頭を縦に振った。


「其は祝着至極!助太刀できたならば武士冥利に尽き申す!」

「ヒサジロウ殿、カムラ殿は敵方の兵士を捉えた由。是非ともここはもう暫く仕事を」

「無論でござる!」


***


 一方でラリアは負傷した民間人の護衛にまわっていた。怪我をした市民を助けている時にやってきたのがオーダであった。


「あ、オーダ!大丈夫なの!?」

「なんとか。私はカムラに届けるものがあってきたのです」

「届けるもの?」

「靴です」


オーダは靴を見せた。突貫的な、然し丁寧に作られた靴だった。


「トルンガが?」

「一昨日から作っていた様です。これならばカムラの装備を強化できます」

「今カムラは私の使ってると思う。できればそれも回収して欲しいかなって」

「任されました」

「私援護するよ。付いてきて」


ラリアは立ち上がると、周囲を見渡した。


「皆さん、お願いします!」


ラリアは深々と頭を下げた。二人はそうして出ていくがあまり敵はいない様に感じられた。だがいないとは言えない。それは歩く二人を後ろから見る兵士の通りである。

銃声を聞く前にラリアはそこへ風魔法を叩きこんだ。吹き飛ぶ敵は壁に叩きつけられ、動きを止めた。


「気絶したね、次!」


更に進むも、敵は殆ど片づけられている様だった。銃声も激減し、あまり聞こえない。唯一は先程から反対方向で激しい戦闘音が聞こえる程度。


「向こうにカムラが…?」

「ありえないとは決して言えませんね。十分にあり得る」


二人は進行方向を変える。だがそこで銃声が再び。ラリアは風魔法を放つが、当たっていない様であった。更に再びの銃声。二人は建物の屋内に身を潜めた。


「敵は二人、どうしようかな」

「いや、もしかしたらまだいるやもしれません」

「確かに」


二人が話していると再びの銃声が聞こえた。


「にしては不自然…?」

「何が?一定間隔の様な?」

「手練れってやつじゃないの?」

「そう、でしょうか」


またも銃声。傍を掠り、それは別方向。帽子を被った傭兵が二人。どちらもフリントロックであった。


「もしかして包囲されてる?」

「いえ、この程度は包囲になりません。相手は五人、上手くやれば逃げ切れます」

「で、でもカムラはこの先にいるんだよ?」

「別ルートです」


二人はその場から下がり、別ルートへ向かった。また同時にポラーヴ公の部隊とも集合できた。オーダは久治郎と合流し、カムラの下へ、ラリアはそのまま下がった。だが、一つだけラリアは気になった。向こうに見えた服装に見覚えが。そう、確か、森にいた。

読んで頂きありがとうございます!

本来ならお昼に投稿するところであるのに、遅れてしまってすいません!

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