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邸宅の戦闘

第六五話です

「小童ぁっ!」


 リチャードは戦斧を振り回してカムラを追い詰めるがラリアからの風魔法に阻まれる。本来ならばその程度では怯みもしないが、思ったよりも威力は強く、リチャードはカムラに思うような攻撃を与える事は出来なかった。一方でカムラはリチャードの脚部関節を斬ると、その足は崩れ落ちる。


「鎧でもなければこれも容易い!」


頭部を両足で蹴り込むカムラ。リチャードは大きく吹き飛ばされる。何とか立ち上がるも、カムラは柄で頭を叩き、気絶させてしまった。

だがそれも全体には関係のない話、傭兵らは次々と壁を登って内部に侵入してくる。四方から放たれる銃撃は彼らを襲った。ポラーヴ公の部隊も次々に銃を放ち、まるで状況は戦場宛ら。撃ち切れば剣を抜いての乱闘が勃発する。魔術士も接近されれば剣を抜いての格闘戦を演じた。だがラリアは動かない。


「私、人は殺せないよ!」

「な…わかった、なら強化魔法さえくれればいいから、な」


カムラはそう言うと自身の剣を抜き、斬り合いに身を投じた。兵士を殺さんと馬乗りになる傭兵がその首に短剣を突き立てんとしたのをカムラは首に剣を突き刺した。


「O-och, udało się...!」


カムラにはそれは何を言っているのかわからない。この人物はブリトン語は得意ではない様だった。


「To ty, Kamura? Pomożesz mi w walce, prawda?」

「ブリトン語じゃないからわからん!」

「加勢してくれるんだな!?」


別の兵士がカムラに言う。


「応とも!」

「ならそのまま戦え!」

「任された!」


カムラはそのまま突貫し、兵士一人に火炎魔法を叩きこむも、耐火の術式を施された革鎧に阻まれる。その兵士のバヨネットを銃身を掴んで離し。蹴り飛ばすと、短剣を抜いて突き刺した。ミスラルの短剣はその革防具を貫き、そこから通された雷撃が傭兵の身体を燃やした。倒れる傭兵、息がある様で殺すには至らなかったが、カムラにとっては無力化する事が最優先。まして相手は殺しに来ている。他国の人間であればギルドの紛争として処理される事は間違いもなく、心置きなく戦える。

この状況にあって、ウリヤノフは仲間を撤退させ、街下にまで戻った。


「どうじゃ、どうじゃ、ウリヤノフは!?」


甲冑に身を包んだベリアシュが今頃出てきたが、その仇は既にその場を去った。


「もう行きましたよ。でも、これは二択だ」

『敵の待ち伏せか、或いは』

「単純に逃げたか」


カムラと久治郎の見解は一致していた。


「なら、カムラはどうする?」


ラリアはカムラの見解を聞いた。


「市街地での戦闘はこれが二度目だが。先とは違って皆々非難しているかわからんしなぁ」


だが、少し経って見えたのは市街地から上がる火の手。市街ごと攻撃しているのは明らかとなった。


「Co za podłość! Spalić całe miasto wraz z jego mieszkańcami! Nie jesteś godzien miana wojownika, tchórzliwy nikczemniku!」


ベリアシュは思わずポラーヴ語を話していた。相当に頭にきている様である。


「Jakie są rozkazy, wasza wysokość?」

「Wysłać wojska! Wybić wszystkich najemników co do jednego!」


ヤンは頭を縦に振ると屋敷にいた傭兵や兵士に武器の準備を刺せた。カムラも当然武器の準備を始める。


「逃げられないのですね」

「当然。ここで逃げれば死ぬのは自分らですから。…とんだ疫病神。よくこうしていれてくださった」

「神は疫に非ず、信じてさえいれば恩寵にも預かりましょうや」

「そうでしたね。それを信じておきましょう」


カムラはそう言うとそのままその兵士らに参加していく。この際はウリヤノフに真の目的を聞くが為。


***


 ウリヤノフは内心を焦っていた。カムラ一人程度は楽に捕えられると踏んでいたが実際にはその横には常に少女が張り付いている。相手が大物ではない故に侮っていたが、恐ろしいのはあの少女。カムラよりも。名前だけは把握していた。ラリア=ブラウン。腕利きのマンネルヘイムを差し向けた際はそこまで脅威ではないと判断し、先んじてオーダの腕を負傷させたが、ラリアは想像以上の速さで回復し、戦線に復帰、其の上完全に発揮しないまでも初期の魔法を効果的に運用している。


「俺が侮った…?まさか、例外だ、ありなかっただけだ。俺は二等だぞ?あんな青二才に負ける程弱いつもりはない、その証拠に6人の死亡で撤退を決断出来た!」

「どうするウリヤノフ」


そう聞くはジュガシヴィリ。ウリヤノフの傭兵仲間である。


「カムラに一対一で勝てそうなのはアイツだけだ。それからリチャードもたたき起こせ、あの女さえいなければ勝ちうる」


ジュガシヴィリは部下に命じる。折は開かれた。

読んで頂きありがとうございます!

なんか包囲戦がすぐ終わりましたね。まぁ市街戦やりたかったし、許してください!

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