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邸宅、傭兵団襲撃

第六四話です

「なんたる物言いか!無礼千万、傭兵風情が何を言う!」


 ベリアシュはそれを聞くと酷く怒った。


「市街はどうか!?」

「わかりかねます!」

「たわけめ!それが優先であろうが!最優先で兵を出せ!宮廷魔術士を呼べ、彼らにここは守らせるのじゃ!公爵の意地、目にもの見せてくれるわぁ!!」


だがカムラにも聞きたい事があった。どうしても再確認したい事があったのだ。


「すいません」

「は、どうされましたか?」

「お尋ねしたい、これだけは。ウリヤノフが本当にいるのですか?」

「確かに!」


カムラは立ち上がって、部屋を出ようとする。当然ベリアシュは止めるが、カムラは聞く耳を持たなかった。狙っていた障害が自ら現れたのだ、飛んで火にいる夏の虫とは正にこの事。カムラにとっては待つも短く、向こうからわざわざやってきたではないか。


***


 だがその間にも門前には多くの傭兵が来ていた。その集団の先頭に赤髪の獣人がいた。フィリクス=オレーゴヴィチ=ウリヤノフその人である。その後ろには40名程度の傭兵。誰しも銃とサーベルを提げていた。


「ここにヤスヒデ=カムラがいるのは知っている。門を開けて差し出せば何もせん」

「口を慎め、ここは閣下の邸宅なるぞ!公爵閣下を脅すとは無礼千万、撤回すべし!」

「冒険者程度をこんな厳重に守る方がおかしいだろうが、この程度の防衛、簡単に突破できるんだぜ?銃だって数だってこっちの方が、多いだろうが」

「控えよ!」


老人のダーダルスが姿を現した。ヤンである。


「お控えあれかし。傭兵はここにいる一部のみなり」


ウリヤノフは手に持った小杖を合奏の指揮者が如く差し出した。


「レイ」


一言と共に青い光線が伸び、宮殿の壁面に直撃、つんざく音が周囲に響き渡った。一瞬のみの輝きは宮殿の壁面を溶解させていた。


「侮るなよ。この俺はユカル傭兵ギルド最強だぞ?」

「真の強者は隠すもの…まして悪魔などと呼ばれた貴殿をここに呼ぶ事は無いと心得よ」

「悪魔?悪魔は貴様、ああ、こう言うか。悪魔を倒す俺は勇者なり!」


完全な爆発が次第に見えつつあった。だが、誰も彼もこれを想定はしなかった。


「初めまして、ではないか。ウリヤノフ!素人同然の冒険者を前に名は薄れ、挙句八つ当たりした自称、最強。笑ってやるさ、情けなくってね!」


カムラであった。煽りと共にやってきたカムラの姿にヤンもその目を大きくせざるを得なかった。


「来たなカムラ!この俺に泥を塗った!」

「どうしたこんなに人集めて。喧嘩を買ってくれたお礼をしにきたか?どういたしまして!」

「ほざいたな青二才!」

「俺もテメェへの憎しみをプレゼントにして返してやろうと思ってなぁ!」


ウリヤノフが指示し、傭兵らが突入しようと門に登り始めた。だが、宮廷魔術士らが風魔法で傭兵らを吹き飛ばし、更に宮殿の二階窓から銃撃が行われた。


『カムラ殿!』

『どうした?』


久治郎もやってきた様だった。既に鎧を着込み、刀を提げている。


『何をされている!』

『煽ってやった』

『事態を悪化させるのみにあらずや!?』

『腹が立ってんだ、何やったっていいだろうが、許していいわきゃ無いんだよ!』


カムラは久治郎をどかしたが、さらに奥から全身包帯の大男が出てきた。右手の中指が既に無かった。


「あ、お前は!」


レーベンスボルンで争った大男であった。酷く全身は傷つき、右足の一部は機械にも見える。


「義足か?」

「カムラとか言ったなぁ」


大男は斧を振り下ろした。魔術士の防御魔法がなんとか間に合ったが、その一撃は重く。


「俺の名はリチャード=トーマス!覚えておけ!」

「ヤスヒデ=カムラ。以後お見知りおきを」


義足かに思われたその足は大型鎧の脚部装甲を代用していたものだった。そして本人の顔は怒りに歪んでいる。相当な屈辱であったと悟るのは容易かった。しかしそこでウリヤノフはリチャードを制止した。


「ここに来たのは当然だが報復だけじゃない。逃がしたお前を殺しきるのは本編。もう一つもある。オーダの引き渡しも願ってる」

「は?」

「人質だよ。これをダシにして金をふん取る。いい考えだろう?」

「応じられるか、交渉下手くそかお前は」

「応じないのか?」


ヤンは押し黙ったが、カムラは先に言葉を発した。


「断る!来るなら実力で来てみるがいい!」

「よしわかった!押通る!」


リチャードの二撃目が門を破壊し、そして傭兵らは雪崩れ込んできた」


「やんぬるかな!」


ヤンは周囲の衛兵に命じ陣形を作った。リチャードは我先にとカムラを狙って突撃を敢行。その戦斧を振り下ろした。カムラは咄嗟に後退したが、ウリヤノフは小杖で再び光線魔法を放った。これをカムラは直前の光を見て躱した。それでも素肌の寸前に光線は伸びた。圧倒的な衝撃音はカムラの鼓膜を破らんと響く。さらなる二撃は火の壁に阻まれた。


「ラリアか!」

「ここで出てこない訳ないじゃーん?」


カムラが結果的に、引き起こしてしまった。

読んで頂きありがとうございます!

カムラは煽り厨かもですね。売られたかう喧嘩は買わねばならぬと父母から学んだと見えますぞ。いや、周りの影響か?SNSはやらせてはいけませなんだ。

読んで頂いた方、是非評価、ブックマーク、感想のほどしていただけると励みになりますので、良かったらしていただけると嬉しいです!でも読んで頂いただけでも嬉しいので、また見かけたら読んでいってください!

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