秘書面接 26-13
13.未知の地平
ライリィはティーマの養父母に会うことが出来た。
これに関してひと言も話をしてはいないのだが、時間を気にしてくれていたのが分かってしまう。少年部長は最低限だったが、配慮してくれたようにも思えるし理解できるから不思議だ。
一時間ほど養父母宅に滞在してお茶をごちそうになり話をしている。
そのあと宇宙港まで送ってもらうのだった。
突然の訪問だったが歓迎してくれるのが心底嬉しい。
養父母には仕事の話はしていなかった。スクオドのことも出向したと言うことを話ししただけで内容までは言っていない。心配かけたくないからだ。
今回もただ時間が少しだけとれたので寄ってみたとだけ話をしている。
急で申し訳なかった。
養父母は突然の連絡に驚いていたけれど、歓迎してくれた。
可愛がっている義弟には会えなかった。養父母から話を聞けば物凄く残念がるだろう。こればかりはタイミングだから仕方がない。
宇宙港ではここに戻るまで買う気はまったく無かったが、研究機関への差し入れを購入している。地元の菓子だったが。
何の心境の変化か分からないが、そうしたい気分だったからだ。
「どうしようかしらね」
スクオドへの連絡便に乗り込みながら考えてしまう。
面談やTDFにお邪魔したことで様々な情報を得ることが出来たし、直接見聞きすることで分かったことも多かった。
招待に応じた甲斐もあると言うことだ。
ただ秘書をやるかどうかの返事も連絡もまだしていない。
別れ際にパーンにも可否は話してはいなかったし、向こうも聞いてこなかった。
何となくお互いに分かっているのだろう。
それにこれは迷いとかそんな感じではないなぁ。
肩の力が抜けたような感じだ。それでも身体のどこかに答えはあったし、脳の一部では決まっているような感じもしてしまう。
それが言葉に出来るほど決まっていないために慎重になっているようだ。
そう分析できるから、答えを口にするまでは至っていないのだろう。
TDFと少年部長は不思議だったし、面白かった。
「ああそうか、この余韻を楽しんでいたいんだ」
窓に映る宇宙空間をバックにした自分にライリィは微笑みかけた。
きっと一晩寝て起きたら決まっているだろう。
少年を見た時から分かり切っていたことなのかもしれない。
「明日、髪を切ろうかな」
なんかさっぱりした気分になりたいのだ。
ショートな自分もきっと似合うだろうと思ってしまうのだった。
<第26話了 27話へ続く>




