第2話
●薄暗い部屋
少女の霊を目にした男が腰を抜かして驚愕する。
男「幽霊だァッ!?」
少女「ひいいいぃぃっ!!」
少女、頭を抱えて震える。
凛空、呆然と霊を眺める。
女、顔を青くして目をそらす。
青年、冷徹な眼差しで霊を睨む。
スピーカーが説明を始める。
スピーカー「アザマミコはその廃墟に憑いた地縛霊です。昭和28年、養父の手によって……」
男「おい、どうなってんだよ! ここはどこだ!?」
腰を抜かしていた男、強がるように叫ぶ。
すぐさま女が文句を言う。
女「ちょっと! 説明が聞こえないでしょ! 命がかかってるんだから静かにして!」
男「おい! お前、何か知ってるのか!?」
女「その話は後! まずは説明に集中!」
男と女が言い争う中、凛空はスピーカーの説明を聞き続ける。
スピーカー「現在、アザマミコは遊び相手を探しています。中でも特に気に入っているのがすごろくです」
凛空M「まさか……」
嫌な予感がした凛空、床に注目する。
床にはすごろくのマス目が描かれている。
スピーカー「プレーヤーの皆さんは、順番にサイコロを転がし、出た目の数だけ進んでください。スタート地点からゴールに到達すればクリアです」
スピーカー「特殊ルールとして、二ターン目の最後にアザマミコが手番に加わります。彼女に追いつかれると祟りが発動します。身の安全は保証できません。ご注意ください」
凛空M「つまり死ぬってことかよ……」
凛空、難しい顔で唸り、アザマミコを一瞥する。
アザマミコ、不気味に浮遊するだけで何もしない。
その時、少女が泣いて逃げ出す。
少女「こんなの嫌! 誰か助けてぇっ!」
女「やめて! 逃げちゃ駄目!」
女、制止する。
少女、無視して部屋を出ようとする。
その瞬間、少女の背後にアザマミコが出現する。
少女「ふえ……?」
アザマミコ、少女の首をもぎ取る。
他の四人、驚愕する。
凛空「!?」
男、ショックで嘔吐する。
スピーカー「ゲームを放棄するとアザマミコの怒りを買います」
男「クソッタレ、早く言えよ……」
男、険しい顔でぼやく。
アザマミコ、生首を投げ捨てる。
凛空、息を吐いて覚悟を決める。
凛空M「結局やるしかないんだな」
スピーカー「すごろくを開始します。スタート地点に集合して下さい」
残る四人、スタートと書かれたマスに向かう。
その途中、女が早口で語る。
女「この状況……裏社会で話題になってる幽霊や呪いを使ったデスゲームだと思う」
男「何だそりゃ」
女「運営はプレーヤーが殺される姿を配信して大儲けしてるの」
男「俺達は見世物ってことかよ!」
男、苛立たしげに叫ぶ。
凛空、冷静に指摘する。
凛空「でも勝てば大金がもらえる。そうだろう?」
女、神妙な表情で頷く。
女「ここにいる人間は、借金とか闇バイトで集められたはず……一発逆転するには、ゲームで勝つしかない」
男「チッ、覚悟を固めるか」
男、渋々と述べる。
四人がスタート地点に来た段階でスピーカーが話す。
スピーカー「それでは悪霊すごろくを始めます。手番はランダムに決定します……戸田誠人さん。サイコロを振ってください」
誠人「いきなりかよ」
男・誠人、サイコロを拾って投げる。
出目は4。
誠人、安堵して進む。
誠人「まずまずだな」
スピーカー「伏野凛空さん、サイコロを振ってください」
凛空「はーい……」
凛空、サイコロを拾って投げる。
出目は1。
凛空、顔を歪める。
凛空「げっ」
男「おいおい、大丈夫かよ!?」
女「ドンマイ! 次で挽回できるから! あきらめないで!」
スピーカー「秋野裕子さん、サイコロを振ってください」
裕子「私ね」
凛空を励ました女・裕子がサイコロを投げる。
出目は6。
裕子、ガッツポーズをして進む。
裕子「よし!」
誠人「ズルいだろ」
裕子「日頃の行いが良いの」
スピーカー「榊岳斗さん、サイコロを振ってください」
岳斗「断る」
青年・岳斗、数珠を持ちながら拒否する。
岳斗「俺は霊能力者だ。この馬鹿げたゲームを潰しに来た。お前を祓うことでな!」
岳斗、数珠をアザマミコに向けて念仏を唱える。
そして身構えながら勢いよく言葉を発する。
岳斗「滅ッ!!」
その瞬間、岳斗の胴体が爆ぜる。
岳斗、きょとんとした顔になる。
岳斗「あっ、えっ」
岳斗、鮮血を噴き出しながら崩れ落ちる。
スピーカー、冷徹に報告する。
スピーカー「残りプレーヤーは三人。二ターン目を始めます」




