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第2部 プロローグ

 まだ5万字しか書けていませんが、更新してなくても読んでくれている方がみえるようですので、5章まで投稿します。

 週2回、火曜日と金曜日に投稿予定です。

「こんなことって……」


 香港四天王筆頭である林彩華りんさいかは全身に動揺の色を湛えていた。


岩石の城壁ロックウォール!」


 清涼な声を持つ少年が防御魔法を展開した。

 次の瞬間、林彩華と清涼な声を持つ少年の間に、幾重もの岩石の城壁が屹立する。


 林彩華も負けじと旋風の精霊魔法を何度も放つが、全ての岩石の城壁を崩すには精霊魔法の威力が圧倒的に不足している。

 それだけ清涼な声を持つ少年の防御魔法は、鉄壁を誇っているということを示していた。


 次第に林彩華は焦燥感が募っていく。

 清涼な声を持つ少年に、どうしても自分の精霊魔法が届かないのだ。


「負けられない、あんな子供に! 絶対に負けられない……」


 鬼気迫る形相で、林彩華は懸命に精霊魔法を行使する。


「こんなの、こんなのって!!」


 何かの間違いとしか思えない。

 自分は香港四天王筆頭だ。それはすなわち風水都市香港において東方不敗に次ぐ実力者ということを意味している。


 それが、なぜ高校生相手に全く歯が立たないという事が起きてしまう?

 林彩華は悪夢を見ているようだった。


 悪夢から目覚めるべく、限界まで精霊力を高め渾身の精霊魔法を放つ。

 しかし、それもあえなく岩石の城壁に阻まれてしまう。


 林彩華が必死に足掻いている間に、清涼な声を持つ少年が手持ちぶさたで傍観していたわけではない。


岩石の檻ロックケージ!」


 無情にも、清涼な声を持つ少年の精霊魔法が完成した。

 林彩華の直上に岩石の檻が顕現し、獲物を捕らえるべく落下する。


 地響きを立てて岩石の檻が着地すると、呆気なく香港四天王筆頭は囚われの身となってしまった。


「そんな! 私は、香港四天王の筆頭なのよ……」


 林彩華は悪夢から目覚めることは出来なかった。

 この現実を受けいられず、我を失い意識が遠くなっていった……。

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