【第三章:神様、お名前お借りします】
【第三章:神様、お名前お借りします】
一六三七年、春。
島原の地が飢餓と弾圧で地獄の様相を呈する中、俺は「変容」を遂げていた。
俺は今、九州で古くから崇敬を集める阿蘇神社の末社で、若神主として収まっている。神社の名は「天照大御神神社」と改めた。
懐に忍ばせているのは、キリスト教の隣人愛を神道の八百万の理で包み込んだ独自の教理――「天照大御神教」。
俺は、キリシタンであった過去を「天照の光に打たれて改心した」という劇的な物語へと書き換え、阿蘇神社の本道すらも、その知略と魅力で心服させたのだ。
天照大御神(GM):
「ク、ク、ク……! 面白い、実に面白いぞ四郎! そなた、あえて俺の名を掲げたか。既存の組織を壊すのではなく、内側から俺の名前を使って新しい魂を吹き込む……。それはもはや偽装ではない。そなた自身が、新たな神の代弁者となった証じゃ」
黄金の扇を広げ、アマテラスが身を乗り出す。
「さあ、その『天照大御神教』がいかに民を惹きつけるか、判定じゃ! ここでの結果が、そなたが築く『聖域』の強度を決めるぞ!」
【試練:天照大御神教の浸透と聖域の構築】
決定的成功:01〜05(神域:飢饉すら寄せ付けぬ完璧な統治。民は四郎を現人神と崇める)
成功:06〜55(安寧:農業支援と教理が結びつき、村に活気が戻る。役人の監視を逃れる)
失敗:56〜95(不和:旧来の氏子とキリシタンの対立が残り、不穏な噂が外部へ漏れる)
致命的失敗:96〜100(露見:教理の矛盾を突かれ、幕府に「邪教」として目をつけられる)
黄金のダイスが、清められた社の床を滑るように転がる。
ダイスロール……出目は――『20』!!
天照大御神(GM):
「……『20』。成功じゃな。派手な奇跡こそ見せなんだが、地道に村人の胃袋と心を掴んだ。実利を伴う布教……お主、なかなかに現実主義よな」
「若神主様のおかげで、今年の冬は誰も飢えずに済みそうです」
社の境内には、かつて踏絵で震えていた者たちが巫女や氏子として集まっていた。
俺は単なる祈祷だけでなく、正三から学んだ知恵を活かし、寒さに強い作物の選別や、村同士の互助の仕組みを構築したのだ。
俺の社が統べる村には、かつての絶望は薄れ、民の顔には静かな「安寧」が戻っていた。
あの日、腕の中で冷たくなったお雪に、この光景を見せてやりたかった。
その悔恨が、俺をより一層、現世の救済へと駆り立てる。
だが、その平穏を破るように、一人の男が境内に駆け込んできた。
「若神主様! 娘の小春が……代官の役人に捕らえられました! 異教の魔女として、明日の朝、火にかけられると……! 助けてください、あなた様の、あなた様の知恵で!」
天照大御神(GM):
「ついに来たな、運命の揺さぶりが! 救えなかったお雪。その面影を持つ小春の命、そしてそなたの『志』が試される時じゃ。言霊を紡げ、四郎。その口から出るのは、死者を送る弔辞か、それとも運命を覆す咆哮か!?」




