【第二章:神様、知恵を食らってもいいですか?】
【第二章:神様、知恵を食らってもいいですか?】
志を定めた俺の運命は、もはや「戦」という破壊ではなく、「教理」を巡る果てなき構築へと変貌していった。
十六歳を目前にした俺は、自らの内に芽生えた「天草教」という未完成の理を形にするため、天草の地を密かに巡り歩く。
ある夜、秘密の会合が開かれた。
集まったキリシタンたちの瞳には、弾圧への「憎しみ」と、デウスへの「盲信」が混ざり合った、危うい熱狂が宿っている。
「四郎様、もはや限界です。あなたを旗頭に幕府へ反旗を翻したい」
差し出された血判状。
だが、俺はその熱に浮かされた指先を冷徹に見つめ、あえて彼らの期待を裏切る決断を下した。
「デウスに縋り、幕府を呪うだけでは救われぬ。他の教えにこそ、この泥沼を抜ける鍵があるのではないか」
救世主が異教の影を追い始めた。
信徒たちの間に、底知れぬ恐怖が広がる。
俺は彼らを置き去りにし、幕府側の側近にして、苛烈な禅僧、鈴木正三と相まみえた。
「四郎とやら。お前の目は民を惑わす妖術師の目ではない。だが、デウスを捨ててどこへ行く? 仏の道か? それとも、ただの虚無か?」
対峙した正三の眼光は鋭い。
俺は彼を恐れるどころか、その知恵を喰らい、自らの血肉とするための好機と捉えた。
天照大御神(GM):
「く、く、く! 正三のような硬骨漢を相手に、教えを請うどころか議論を仕掛けるとは。そなたの貪欲な知性、正三を驚嘆させられるかの? さあ、運命を振れ。知恵を喰らうか、あるいはここで「異端」として切り捨てられるか!」
【判定:異教の智慧(鈴木正三)の吸収】
決定的成功:01〜05(止揚:歴史の真実を掴み、禁書を譲り受ける)
成功:06〜50(納得:対等な議論の末、交流を許される)
失敗:51〜95(決裂:問答を打ち切られ、幕府の追跡が始まる)
致命的失敗:96〜100(捕縛:妖僧として即座に投獄される)
黄金の百面ダイスが、畳の上を激しく跳ねる。
ダイスロール……出目は――『47』!!
天照大御神(GM):
「……『47』。ふむ、成功じゃ。決定的ではないが、正三という硬骨漢の心を動かすには十分な熱量であったな」
正三は鋭い眼光を崩さなかったが、その口元にわずかな苦笑が浮かんだ。
「……面白い。汝の言葉には、デウスの教えを単になぞるだけではない、この国の土に根を張ろうとする『足掻き』がある。坊主の説法よりも、よほど響くわ」
正三は俺をすぐには追い返さず、数冊の典籍を指し示した。
「これらを読め。汝が創ろうとする『天草教』とやらが、ただの逃げ場なのか、それとも真に民を救う理なのか……その答えを次に会うまでに用意しておけ」
俺はそれらを手がかりに、キリスト教の慈悲、仏教の諦念、神道の清浄を止揚した新たな骨格を、一歩ずつ組み上げていく。
だが、知恵を得た代償は小さくなかった。
「四郎様が坊主と密談し、我らを捨てようとしている」
山を下りる俺の背後で、かつての同胞たちの不信感が、暗い霧のように立ち込め始めていた。
天照大御神(GM):
「……ク、ク、ク! 見事、見事じゃ! そなた、ただの知恵者ではないな。
人の心の隙間に入り込み、己の都合の良い形に塗り替える……。
その様は、まさに光り輝く太陽の如き傲慢さと慈悲を併せ持っておるぞ!」
黄金の扇を叩き、喝采を送る。
「そなたが歩むのは、既存の理を壊すのではなく、その内側に潜り込み、
中身を「天草教」という新たな魂で満たすという、極めて高度な【精神の浸透工作】。
その結末を見届けるとしよう。」




