第3話 返信が怖い養母《かあさん》
【前回のあらすじ】
俺は正体を隠したまま、LIMEで養母と付き合うこととなった。
「なんで早く連絡しないの。すぐに返信を返すのは仕事の基本でしょ! いいわ。私の方でなんとかしとくから」
オンライン会議の画面の向こうで、新人が「すみません」と小さく頭を下げた。
養母は相変わらず仕事中はかっこいい。
でも、アカネさんからはまだ連絡がない。
あれだけ浮かれてたのに。
いや、さすがに心配になるんだけど。
[LIME:シュン]
『最近、連絡が無くてちょっと寂しいです』
ガタッ!
「真守くんどうしよう。シュンくんに催促されちゃった」
ガバァ!
うわ、来た!
近い近い近い!
胸、当たってる!
当たりすぎてる!
俺の理性が一気に赤信号なんだけど!?
「普通に返信したら大丈夫だよ」
「だって、なんか変なこと書いて嫌われたらどうしようって怖くてメッセージ送れないの」
さっきまで「返信は早くが基本」とか言ってた人どこ行った?
恋愛になった瞬間ポンコツになるの、ほんとずるい。
「平気平気、どんなメッセージでも喜んでくれるから」
「ほんと?」
大丈夫だ。
ちょっと変なくらいで嫌いになるようなやつじゃない。
……というか、俺だし。
「ほら良いから、返信してあげて」
自分に対して返信のフォローするってどういう状況だよ!
[LIME:アカネ]
『今日ね、スマホを見るたび、なんか顔がゆるんじゃってだめだったの』
『仕事中はちゃんとしなきゃって思ってるのに』
『……こんなの初めてで、ちょっと困ってる』
だめだ、かわいすぎる。
そんなの送られて平静でいられるわけないだろ。
……って、今の俺は真守じゃなくてシュンだった。
返信しないと。
[LIME:シュン]
『それだけ俺のこと考えてくれてたってことですよね』
『仕事中はだめかもしれないですけど、正直ちょっと嬉しいです』
『返信くれて安心しました。ずっと待ってたので』
「真守くん、ありがとう。シュンくん喜んでくれたみたい」
「ちょっ、抱きつかないで」
LIMEで付き合うようになってから俺に対してもスキンシップが激し過ぎて困る。
リアルでもLIMEでもかわいすぎるんだよ、この人。
……そりゃ俺の心臓も休まる暇がない。




