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ダラダラ高校生のVRMMOプレイ録  作者: 乙川せつ
前章

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第5話 アドバイス

「……こ、こうですか……?」


「そう。スキルの起動が終わるのを感じたら自分のタイミングで踏み込んで。その時にモーションアシストと干渉しないように動きを乗せるんだ」


「ハァッ‼」


 少女――――《スノーホワイト》のレイピアが緑の光を帯び、そのまま敵対していたゴブリンの頭部を貫いた。


「…………」


(……ムチャクチャに筋が良いな)


 街でいきなり声を掛けられたときは驚いた。森で俺を見つけていて、その動きから出来るヤツだと思われたようだが……。


(教えることないな、コレ)


「で、できた……!」


「ナイス、いい感じに掴めてきたかな?」


「はい! ありがとうございます!」


「いいよ、俺もスキルは立ち上げ方以外知らないし」


 これは俺も今知ったことなのだが、スキルには行動から新造する「ユニーク」と、元々システムにあり、ステータス上昇で会得する「コモン」があるらしい。


 俺が先刻会得したスキルも【ヴォーパル】がユニークで【スピニング】がコモンといった違いがあった。


「今使ったのってコモン?」


「はい、【シューティング】というスキルで……」


「なるほど、そういうことだったのか」


「えっ?」


「いや、俺が二つのスキルを使った時に感じた違和感があってさ。コモンは威力が高い分動きが固定されてて、自由度が無いんだよ。ユニークは自由度高めの威力しょっぱめかな? ……あ、でも撃つ角度で威力変わったか」


「な、なるほど……?」


「まあ兎に角、状況で使い方は変えた方がいいと思う。……でも引っかかることがあるんだよね」

 それは文字通り、ユニークのスキル。


「さっき試してもらったけど、ヴォーパルのモーションを再現しても君がヴォーパルを会得することはなかった……何でだろ?」


「さ、さぁ……私にはさっぱり……」


「そういえばスノー……ホワイトさんってゲーム初心者? 大分動きが硬いけど」


「は、はい……私、テレビゲームも殆どやってなくて……」


 やっぱりな。


「結構そういう感じ出てたからね……あでも、かなり動けてた、何かスポーツを?」


「陸上をすこし……」


 フルダイブゲームでは運動神経がかなり出るようだ。魔法などがかなり少ないこの世界では尚更らしい。現状ここで動きが良いのはセンスマンかゲーマー(普段からイメトレしてたやつ)ぐらいだ。恐らく後から徐々に改善されていくだろうが。


「あっ、マオさん! よかったらフレンド登録しませんか?」


「いいですよ」


 なんかアドバイスだけじゃ無くなってきたなぁ。まあいいけどさ。


「取り敢えず、私は少し落ちます」


「分かりました。じゃあまた今度」


「はい、また今度!」


 スノーホワイトさんがログアウトした後、一人になった俺は背中の剣を抜刀する。


「さて、経験値稼ぎますかね」


 ……おや、あれは――――――?


「ゴブリン……ナイト?」


 暗い森で遭遇したのは、緑色の肌が目立つ小人の騎士。鎧を着ていてもその特徴は大きく出ていた。


 ……随分と、殺してきたらしい。


「剣に血が付きすぎだろ。流石にコレは……殺すしかねェナ」


 スキル、【インパルス・ヴォーパル】。


「…………っ」


『キシャシャ⁉』


 片手短剣の剣技。双剣の片方を使うのは奇襲にかなり向いている……丁度いい長さをしているんだコレが。


 一撃を浴びせたら直ぐに【黒鉄の片手剣】に装備変更。さて、どれくらい強いかな?


「かかってこいよ……開拓者!」


 このゲーム、ニューワールド・ファンタズムは文字通りフルダイブゲームの開拓者。その神さをコレで試してやるぜ!


「オークじゃつまらないからな、楽しませろよ!」


『キシャァ……!』


「パイルバンカー!」


 細い身体でぽっちゃりした腹を持つその騎士。腹部を蹴飛ばし、剣を腹部に突き刺す。


「…………ありゃ?」


『キ……――――――』


「死んじゃった……弱過ぎねェ? つーかこの剣めっちゃ強ェじゃん。いいメインウエポンゲットだぜ」

 さーて次は……第二の街【カルディア】に行ってみるか。


「冒険はまだ、始まったばかりだぜ!」



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