第4話 スキル
「……なるほどねぇ」
ベータテストの掲示板にスキルに関する情報がなかったのはこういうことだったのか。
この世界にも定番通り、プレイヤーが使える必殺技【スキル】がちゃんとある。
しかし、βテスターが提示した情報は全てが抽象的というか、うまく説明できていない感じだった。
それもそのはず、このゲームでは起こしたアクションがスキルとして登録されるらしい。つまり、プレイヤー自身がスキルを造るのだ。
「はーっ、そういうことだったのか……どおりで『ぐっ、とやってバビュン!』とか書かれるはずだ。掲示板は擬音語で遊ぼう状態だったもんな」
【オークを七体討伐しよう! 残り六体】
「あっ……これ複数討伐系だった」
それからというもの、俺は森にいるモンスターを狩りまくった。オークとかいう豚は以外にも低確率ポップらしく、ゴブリンやスケルトンの方が多く出現した。
そして――――――。
「お前で最後、七体目!」
『グボッ』
「シャァ‼ コンプリート!」
【クエストクリア! 報酬を受け取ってください】
「おっ、何々?」
『【黒鉄の片手剣】。敏捷に補正が入る。攻撃力27。耐久値600】』
これは……かなり良いんじゃないか?
双剣じゃないのはまあ置いといて、攻撃力と敏捷補正が魅力的だな。これをメインウェポンとして使うのがよさそうだ。
「…………これでよしっと」
鞘に入った片手剣を背中に背負い、装備確定。中々にかっちょいいキャラクターになったな。
「あっ、経験値をステ振りしないとだな」
筋力:二→六 敏捷:八→十一。
「こんな感じかな。ちょっと筋力に振らないとさっきみたいに火力不足になっちまうし。」
…やってみた感じ、ここら辺じゃ速度で負けることはなさそうだ。
そういえば、この森でプレイヤーと会ってない。
最初も最初の初級ステージだからか……もうみんな進んじゃったかな。
「俺も負けてられないな!」
と、思っていたのだが。
「せいっ!」
どこかハリのある掛け声と斬撃音が森に響いた。無論俺の声ではなく……。
「ふぅっ」
誰でも目を奪われるであろう、絶世の美女だった。
(可愛いアバターだなぁ…NPCか?)
まあプレイヤーにしても、現実の姿とは乖離しているはずだ。ゲームの醍醐味は自分の好きな姿に変身出来ることだからな。
流石に現実のままダイブしている奴なんていないだろう。いたら個人情報ダダ漏れだ。
お邪魔しないようにさっさと離れようか。マップで歩いた通りをなぞれば帰れる筈だ。方向音痴でもマップと方位があれば大丈夫だ。……と思っていた。
「………マジか」
結果、もといた街に着いたのは一時間後だった。予想外……でもないか。
なんかそんな予感してたんだよな、迷いそうって。自分がどの道を通っているのかも分からなかったし。
「……あらあら~」
流石に時間が経ったからか、街は多くのプレイヤーで賑わっていた。
「あ、あの!」
「…………?」




